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【Day38.パヤタスのごみ山のその後】
【Day38.パヤタスのごみ山のその後】
パヤタスのゴミ山が閉鎖してゴミが別の所に運ばれるようになったことはわかったけど、じゃあこれまでパヤタスでスカベンジャーをしていた人はどうなったの?
と思う人もいるのではないでしょうか。
パヤタスでスカベンジャーをしていた人々は、次のような手段で新たな収入源を確保しています。
・ゴミ収集トラックの収集作業員
一日一回4時間程度の作業で、徐行するトラックに並走しながら、一軒一軒の家の前に置かれているゴミをトラックに積み込む仕事。一回の報酬は150ペソ程度。素手・ゴム草履など装備は十分ではない。副収入として、収集したゴミの中からリサイクルできるものを拾い出し、別の袋に入れておいてジャンクショップに売りに行く人も。そしてこの副収入のほうが多いそうです。
・ジャンクショップでの、ゴミ拾い出し作業
ジャンクショップのオーナーはゴミ収集トラックのうち、高級住宅街などを回ってきたトラック業者と予め交渉をしてトラックごとに権利を買い取っています。ジャンクショップの構内にゴミを下ろし、雇っているスカベンジャーに拾わせ、リサイクルできるものをオーナーは買い取ります。これらのジャンクショップは、パヤタス周辺からサンイシドロに向かう道路に沿って多くあります。しかし多くはゲートを閉めて、スカベンジャーのゴミ拾いのようすが外から見えないようになっています。
・サンイシドロのゴミ山でのスカベンジング
ゴミ山でのスカベンジングを続けるために、仕事の場をパヤタスからサンイシドロへと変えた人もいます。
・他の仕事
建設作業など
その上で井上はゴミ山についてどう思うか?
こんな質問もたまに聞かれます。
誤解を恐れずに本音を言うと、私はゴミ山の存在についてはそこまで否定的ではありません。
もちろんゴミ山があることによって周囲の人の健康や安全が脅かされるといった事態は絶対に避けなければいけません。
しかしフィリピンでは長い間、ゴミを積み上げるということか主なゴミの処分方法であり続けてきたという事実をまずは受け止めなければなりません。
そしてそこにはゴミを拾って生計を立てている人もたくさんいます。
私は例えば以下のことが遵守されるのであれば、ゴミ山の存在は人々の暮らしを脅かすものではなくなるのではないかと思います。
・スカベンジャーの方に安全を確保するための装備を一律配布する
・ゴミ山と人が住むコミュニティとの間には一定の距離を置く
・スカベンジャーの人たちが最低賃金以上の正当な収入を手にする
・崩落をはじめとする事故が起こらぬように徹底した管理運営がなされる
もちろん将来的にフィリピンでゴミの焼却処分がなされるようになる未来もあるかもしれません。
しかし現状をゴミ山がある以上はまずはそこで働く人々やその近くに住む人々の健康・安全が守られる制度を作る方が良いのではないかと思います。
いかがだったでしょうか?
パヤタスというゴミ山のある地域に関わって10年になる私がフィリピンのゴミ山について5日間に渡って解説をさせていただきました!また今後も1つのテーマを深掘りしてお伝える企画はしていきたいと思います。
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