この空はあの子に繋がっている
noteを知ったのはあの子から。
あの子は小説を書くことが好きだった。
言葉を紡いでいくことが好きな子だった。
私はあの子が書いた小説を読み、添削をし、推敲を重ね、時として資料を一緒に探した。
あの子はいつも私からの返事を楽しみに待っていた。
あの子は模索していた、正直書いている小説は読み手を選ぶ。
評価に納得せず、あちこちのサイトに投稿していた。
そして少し息切れを起こした。
こういう時のあの子の行動力はたくましいものがあって、聞いたその日には全てのサイトから作品とアカウントが削除されていた。
「ちょっとリハビリ」
あの子から連絡が来た。
リンクはここに繋がっていた。
長編小説には向かないけどエッセイを書いてみたくてここにした。
あの子は思い込むタイプだったので消えるより散文で気持ちが落ち着くならと、noteの小さなつぶやきを読んではLINEで連絡を取り合った。
そしてまた創作意欲が湧き新たなサイトを見つけていた。
また以前のような日常が続くと思っていた。続いてほしかった。
あの子は熱を抱え流れに逆らうような子だった。
また自らの足跡を消した。
今度は私の前からも消えた。
LINEのアカウントもnoteのページも何も告げずに全てを消していった。
あれからどれくらいたっただろう。わかる由もないがいま何をしているだろうか。小説を書いているだろうか。それとも筆をおいたのだろうか。
見上げた空は何も答えない。
今はあの子の笑顔が曇っていなければそれでいい。
やっと紹介文を書く気分になった気がする。
私は言葉が好きで音楽が好きで人と出会うことが好き。
その時の気持ちをその時の感情で飾らないまま書いていきたい。