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「ブリムストーン」
ストーリー ★★★★★
鬱 ☆★★★★
グロ ☆★★★★
世界観 ★★★★★
総評 ★★★★★
第73回ベネチア国際映画祭にもノミネートされ、上映された映画館では途中退出する人も多数いたと噂のカルトホラーです。
舞台は西部開拓時代のアメリカ。物語は全4章に分かれており、1章から時系列が遡っていく形でヒロインの人生を描いています。各章にそれぞれサブタイトルもついてます。上映時間は148分とわりと長編。
まずこの作品は宗教色がとても強いです。ヒロインの父親は聖職者であり、聖書の教えに忠実であると同時に「男性は女性よりも神に近い存在である」と非常に偏った信仰心を持っています。その信仰心が過激になっていき、周囲の女性を虐げ始めます。その標的となったのが妻と娘(ヒロイン)です。
私は宗教的思想には疎いのでそこら辺の詳しい感想は述べられませんが、暴力、侮辱、レイプなど目を逸らしたくなるような女性差別のシーンが多く、途中退出した人がいるのも頷けます。
私はジャケット写真に一目惚れして軽い気持ちでこの映画を観ました。写真通りヒロインはとにかく美しいんです。美しくて厳かで儚くて、でも他人の思想には染まらない強い自我を持った魅力的な女性です。どんな逆境にも立ち向かう彼女だからこそ、虐げられ続けてきた人生すらも美しく見えました。
前述したように内容は非常に酷で、牧師の異様なまでの執着心とサディズムは観る人の嫌悪感を過剰に煽ります。そんな血生臭さと偏った思想が蔓延る時代を、強く生きる美しい女性の物語。もし心とお時間に余裕がある方は是非。