林檎の妖精 #15
(・・・ダメだ。何も思いつかない。)
夕方にぼーっと歩いていて、気が付いたら見慣れない広場に居て。急に列車が来て、乗ったらあの世界に居た。
どこに行けば良いのか、何をすれば良いのかサッパリ分からない。たった一度のチャンスを逃してしまったのかもしれない。
たった一度。
「イシキュアマナム」に会えるたった一度のチャンスを。
翌朝。
起きて、身支度を整えていつも通りに会社に向かう。帰りは、おもちゃ屋に寄って、琴の誕生日プレゼントを買うのを忘れないようにしないと。
仕事をしていると、メールが来た。
ー 休日出勤、お願い出来ますか? -
(・・・マジか。)
正直なところ予想は出来ていた。いや、むしろ狙い通りだった。
ー 了解しました。振休は前もって、7日に消化します。 ー
よし、琴の誕生日にお休みを入れることが出来た。プレゼントを買いに行くのも、当日で良いだろう。何ならプレゼントは後日で、当日は少し遠出をしようか。選択肢が色々と広がる。
(・・・いっそ、温泉行っちゃうか?)
最速で短冊の願いを叶えることが出来る。これもアリだ。
(・・・帰りに、本屋でガイドでも見るか。)
目的が少々変わったが、帰りに寄り道をすることが確定した。
Created by Ryohei Osawa
こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。