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6.魂のカタルシス〜美沙編〜①

※登場する人物や団体は架空のものであり、実際の個人や集団を指すものではありません。


白いドレスを着た霊が結婚式場にいた。


体型や顔立ちもスッとしていて

とても綺麗な幽霊さんだ。

フフフフ

脳裏に彼女の笑い声が入ってくる。

その日、伺ったその式場の責任者の方は、この会館の支店長さんで

実は前からこの式場では、
女性の霊の姿が現れるとか
声がするとか従業員から聞いていたことを話し始めた。

「だけど、必ず、女性スタッフだけなんです。
男性スタッフは、何も見たことも聞いたこともなくて、もちろん僕もそうですが。」

支店長は気になってはいたが、本社には報告していなかったので
自腹でいいからと、私に依頼をしてくれた。

「もう一つ、気になる事があるのですが、いいですか?」

「はい、なんならついでに気になる事、
全部言っておいて下さい。」

「うちの式場、実はココで結婚式をあげた2人は
離婚するってウワサがあるそうで。

高校生の娘の友達が、父親の職場とも知らずに
その話をしてきたらしくて。」

支店長の娘が高校に入って仲良くなった友人の
お姉さんが結婚することになり、

式場選びをしていた時にその話になり
その情報が娘を伝って支店長の耳に入った。

「ここ数年、続けてこの式場で式を挙げたご夫婦が離婚になったらしく、それがいわゆる、
いわくつき、の様になってしまって。

それも、もしかしたら、この件と関係あるのかな、とか思ってしまって。

信用と売り上げにも関わる事ですので、
どうかよろしくお願いします。」

何度も頭を下げる、腰の低い方だった。

「その件と一緒かどうかはわかりませんが、
私のやれることだけ、やらせて頂きます。
終わりましたら、お伝えしますので、
しばらく、1人にさせてください。」

支店長が会場を出る。

来賓用の椅子にも綺麗に花が飾られていた。

いわく付きにするのは勿体無い、とても素敵な会場だ。

全体的に木で作られている内装で

天井は高く、緑と白を基調にした花が飾られていて

新郎新婦とアットホームな自然の中の暖かみのある雰囲気を演出していた。

新郎新婦が立つ神父様の前の場所にその霊が立っていた。

フフフフ

彼女は笑っていた。




続く


#創作大賞2024 #ホラー小説部門

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