雨、時雨、雫 ①

ここ数日、生き霊に憑かれたクライアントが
続いたせいか、自分の車が突然壊れたり、
Instagramの投稿が何故か出来なかったり
して影響が出ている事を感じた私は、
守護の龍様に、お願いをした。
「私に憑いてるモノをとってください!」

龍様は顔を近づけて言った。
「その左肩のやつの話を聞いた方がいいぞ。」

左!?

茶色いレインコートのような
フードをかぶって顔はハッキリ見えないが
斎藤工に似ている!!

小さい声で耳元で話し始める。

「私の話を書きませんか。私がこれからお話しする内容です。ついてきてください。」

歩き出した男は黒い傘を持って俯いたまま
前を進んでいく。

先日まで見ていたドラマの役となんとなく
被るけど、
展開がわからなすぎて
逆に楽しみな私がいた。

「龍様、一緒にお願いします」

暗闇の雨のトンネルを歩く彼の後ろを
ついていくことにした。

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