14.魂のカタルシス〜佳子編〜②
私は鳥肌が立った。
なぜなら現れたのは、COTOMIだったからだ。
「私!?」
生き霊(男性) VS 生き霊(守護COTOMI)。
【まず、彼女は勘違いをしてる!
彼は佳子の事を意識してるんじゃなくて、
うざがってる!
だから、あなたの勘違いで余計な念を飛ばすのはやめなさい。
気になるならちゃんと彼に聞いて確かめる事。
彼と向き合って話せないようじゃ、この先もずっと不安なことばかりで、うまくいかないよ。】
浄霊っていうより、喝をいれている。
私だったら絶対やらないやり方だ。
女性は目を小さくしてシュンとなった。
【そして、君。佳子とお母さんを投影させてる。
お母さんが口うるさくてうざいんでしょ。
その自分を認めて、それが嫌なんだって
気づかないと
これからも、ずっとそうゆうおばさんに
遭遇するよ。
職場を変えても
会社の上司、先輩、もしかしたら、
結婚して奥さんに対してそう思うかもしれないし、
義理のお母さんがそんな人かもしれない。
嫌だと意識していることは
何度も現れるよ。】
環境や人が変わっても、同じような事が起こる現象は、
自分の経験が投影して
心が嫌だと反応している。
根本の原因がわかって気づくだけでも
状況は改善される。
【佳子はお母さんじゃない。そう思って
指導されてる事を聞いてみて。】
男性は意味を理解したようで、うなずいて消えた。
【先生、すみません。私、勘違いをしていて。
彼も何も言ってくれなかったけど、
私も聞くのが怖くて。彼は結構すぐ
イライラしてるタイプだから。
最近とくに、佳子先生のことを
あえて避けるようにしていると感じて、
でも逆にそれって意識してるんじゃないかと思ってしまったんです。
考えすぎですね。
しかも、生き霊までとばしてしまって。
スッキリしました。ありがとうございます】
女性も頭を下げて消える。
私と私だけになった。
「ちょっと見てて面白かった」
【佳子はそろそろ、本格的に一緒に活動してくれるんじゃない?】
「え?佳子は仕事を辞める気はないよ。何?」
私は心がザワザワした。
【もっと一緒に真剣に活動してくれたら、
2人で色々できるし、事務所構えたりさ、
発信やSNSももっとバンバンやれるのにね。
佳子は素質と才能があるから、真剣にこっちのことを取り組んでほしいのよね。
一緒に活動したいって言いながら、こっちは片手間みたいな感じでしょ。】
「ちょっと待って、あなた、守護じゃないね。
誰?何?」
【COTOMIよ。わかってるでしょ。】
私はハッとした。
佳子に期待して、もっと一緒に色々やれたらと
どこか執着している。
これは、私の生き霊だ!!
守護に見せかけて、コントロールしようとしてる。
一緒に活動してほしいって期待してる。
その気持ちは確かにあった。
でもそれは、佳子の人生で本人が決める事だからと
ハッキリ言うことはなかった私の気持ち。
まさか、自分の生き霊も浄霊することになるとは。
つづく
#創作大賞2024 #ホラー小説部門
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