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番外編:腹腔鏡下子宮筋腫核出術(手術を決意するまで)

『子宮筋腫がある』
と知ったのは、7年前CIN3(子宮頚部高度異形成)の円錐切除術を受ける術前検査の時。当時は3センチくらいのが1個。小さなのが2~3個。
円錐切除術の経過観察も兼ねて、半年に1回定期健診を受けていた。

2024年2月現在の状態

筋腫というのは、子宮の周りもしくは中にできる両性の腫瘍で、それ自体は命を脅かすような悪性のものではない。
女性ホルモン(エストロゲン)で大きくなるので、基本的には閉経まで可逆的に大きくなり続ける。
できる場所によって名前が違って、漿膜化筋腫、粘膜化筋腫、筋層内筋腫がある。私の筋腫ちゃんは筋層内筋腫。一番ポピュラーなタイプ。

筋腫がある事で問題になること

・妊娠したいとき、出産をしたいときは障害になることがある
・筋腫ができる位置や大きさで周りの臓器を圧迫する
→子宮を圧迫すると月経量が増える(貧血の原因になる)
→膀胱を圧迫すると頻尿になる
・性交痛がでるときがある
→筋腫そのものではなく腹腔内の臓器への圧迫(が原因な気がする)
・お腹が張る(人による)
・腰痛がある(人による)

かかりつけの医師にとにかくしつこく言われていたのが「避妊」。

〇〇にはリスクが高すぎる

『円錐切除術を受けているので人より子宮頚部の強度が低い可能性がある。
このまま妊娠したら妊娠中に出るホルモンで筋腫はさらに大きくなって炎症を起こるリスクと流産のリスクが高い。』

医学的には納得できるが、女としては色々悩ましい問題だ。

筋腫自体は閉経まで放置することもできる(かもしれない)。
大きくなるスピード、日常生活に支障がでるかどうかで決まる。
筋腫を小さくする方法にホルモン療法があるが、『予兆を伴う片頭痛』の既往があるので私の場合は不適応。
今は子供を産む予定はないけど、出会いがあってお付き合いするとしたら、年齢的には出産ができるかどうかの瀬戸際の年齢。
パートナーと子供を望むとしたら安全のために術後6か月は妊娠を待つ必要がある。

かかりつけのドクターからは7年間聞かれ続けた。
「パートナーはできた?」
「妊娠の予定はある?」

今も将来も妊娠の可能性はありません・・・たぶん

と言い続けていたけど、元来保育士になろうか迷ったほど子供が好き。
鍼灸師になったのも
「場所さえ確保できたら自宅にいながら仕事ができるな。
子供にお帰り~って言ってあげられる仕事だな。」
と思ったからだ。
子供を望んでなかったわけではない。
(勇気と、人を信用することができなかっただけ。私の問題。笑)
閉経までにいつか支障が出て摘出するんだろうなぁとは思っていた。
仕事との兼ね合いもあるしタイミングを見計らっていたのもあって
『一度詳しく検査を受けてみようと思う』とかかりつけ医に相談したのが今回のことの始まり。

「なんでもっとはやく来なかったの?」

内診後、大きな病院で主治医になってくれた先生から開口一番に言われた。
かかりつけのドクターは
「必要のない手術はやらないで済むならやらない方がいい」
という見解だった。私もそう思う。

ただ手術を担当してくれる外科の先生は見解が違った。
「大きくなる速さと年齢からして、閉経までに摘出が必要になる可能性は高い。ただとってもまたできる可能性もある。」
「45歳を過ぎたら、組織の硬さや出血量を加味して子宮ごと全摘する方が安全。いまなら子宮を残すメリットの方が大きい。」
「摘出するには、お腹を開くか、穴をあけるか。」
「筋腫の大きさ的には穴をあける手術ではぎりぎりのサイズ。機械を入れる余白がない。これ以上大きくなったらできない。」
「MRIでは悪性な腫瘍の所見はない。ただ読影した医師曰く密度が高いので完全に否定もできない。正直なところお腹を開いた方が安全。その分傷は大きいし回復まで長くかかる。」
「もう少し早く来てほしかったな。」

かかりつけ医がもし外科的な処置をしないのであれば、セカンドオピニオンも兼ねて「将来外科手術を受ける想定」で動くことをおススメする。
外科的処置をするドクターとしないドクター、どちらも間違いないけど視点が変わると見解も変わる。
かかりつけ医は手術をしなくて済むならしない方が良い。
主治医は手術をするなら早い方が良い。
どちらをとるのかは自分で決めないといけないけど、情報が出そろわないと判断も決断もできない。できるかぎりの情報収集を早くする方が良い。
身をもって体験したので共有したい。

さぁ、どうする?

検査と問診でいろんな情報を集めた。
医師の見解も聞いた。
ここで最終的に決断するのは私だ。
私が決めないといけない事は
・手術を受けるか受けないか。
・受けるならどの方法を選ぶか。
・やるならいつやるか。

手術をうけるか、受けないか。

受けると決めたのは「今なら腹腔鏡(穴4つ)。もう待てない。」と言われたからだ。婦人科腹腔鏡手術症例数が全国2位の病院でもう待てないと言われたら、本気でもう待てないんだと思う。
肉体的には待てたと思うが、フロー型ビジネスなので、復帰までの期間が短い方を選んだ。

受けるならどの方法を選ぶか。

前述のとおり
「腹腔鏡下子宮筋腫核出術(LM)」だ。
お臍と下腹部に合計4つの穴をあけてカメラや摘出するための機械を入れる。
子宮の裏の「ダグラス窩」というところに穴をあけて、出産と同じ経路を使って筋腫だけを出す。

やるならいつやるか

今スグ。待てない。とのことだったので、2023年12月21日に診察を受けて2024年2月7日に摘出というスピード対応になった。

不思議なもので、7年ずっと抱えていて頭の片隅にちっちゃくあった問題が、決まるときはバタバタっと勢いよく決まっていく。
「きっと今がそのタイミングだったんだ」

今の心境(とっても個人的なこと)

実は今これを書いているのは「手術前日」。
今の率直な思いを書き記しておこうと思ってnoteを開きました。
7年前にCIN3を経験したときは彼氏がいていい男でした。
優しくて器用で頭の回転も速かったけど、思いやりがほしかった。

オペ日決まったよ!って連絡したときに帰ってきたLINEは一言だけ。
「俺その日仕事」

病気や手術への不安よりも
突き放されたような孤独感や寂しさの方が上回っていて泣きながら帰ったことを覚えています。

人間いろんな経験をすると強くなるもので、今回のオペが決まった日も今もなんだかスンとしています。
もちろん痛いのは嫌だし、傷ができるのも嫌だし、お客様に会えない2週間は寂しいし、不自由を感じてはいるし、術後のことなんか想像つかないからそわそわはしているけど、悲しいとか孤独感はない。

私的で幼い子供のようなわがままをいえば、
何も言わないけど手をにぎってくれる人が欲しいなぁとは思うけど
私の好きな人は尊敬できて、頭が良くて、人から求められるから忙しくて、行動力がある人なので、とても矛盾します。

ただ、それも明日の今頃にはもうおわっていて、
痛みでブチギレしてるかもしれないし
ひたすら寝てるかもしれない。
今は術前絶食前の最後の晩餐を待っています。
易消化食なので、味、におい、食感はほぼありません。
ただ、いろいろ研ぎ澄まされて健康になっていく感じがします。
一番欲しいのは「爆笑」でしょうか?
サロンワーク中は8割笑っているので、誰とも会わないこの2日で頬がたるんだ気がします笑
早く帰って爆笑したい。頬が痛くなるまで笑いたい。
忘れないように備忘録として記しておきます。

とにかく今回の入院中の私の目標は
「世界一お利口さんな患者さん」でいることです。
先生や看護師さんの言うことをよく聞いてお利口にすごします。


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