お産について知らないと、痛みを強く感じることに!
お産で入院された方は、
必ず内診をさせて頂いて、
子宮口がどれだけ、
開いているのか、
破水はしていないか、
おりものや性出血などの分泌物や、
膣などの産道の状態などを確認して、
分娩の進行状況を
把握させていただきます。
私は、
内診をさせていただくと、
必ずその状態を、
産婦さんやそのご家族に
説明させていただきます。
子宮口の開き方だけでなく、
子宮口の柔らかさや厚さ、
赤ちゃんの頭の高さ(膣口からの距離)や、
赤ちゃんの頭の向きなど、
お産の進行状態を
わかっていただくために。
お産に向けて、
今、
どのような状態にあるのか、
今、
どのくらい進んでいるのか、
産む産婦さんご自身が
理解していないといけないからです。
お産は
よく山登りに例えますが、
山の頂上に向かって、
今、
何合目あたりかを、
理解していないと、
あとどれくらいかの
予想が立たないのと同じです。
今、
どこにいるかを
ご自身が知ることは、
とても大切だと思っています。
そして、
初めての診察の時に、
必ずお聞きすることがあります。
それは、
お産の時に、
子宮口が何cmまで開くかを
知っておられるかです。
要するに、
子宮口の全開大を
知っておられるかです。
お産の経過の中で、
子宮口の全開大は基本の基本です。
両親学級や母親学級でも
お産の本や雑誌などでも、
必ず入る内容の
基礎的な知識です。
子宮口の全開大、
つまり、
子宮口の開ききった大きさが、
わかっていないと、
今、
何cm開いているかを
説明しても
ご自分の
お産の経過を理解することが
できないからです。
そして、
子宮口の全開大を知らない方は、
大抵、
お産の経過についても、
理解していません。
ですから、
子宮口の全開大を聞くことは、
その産婦さんが、
お産の事について理解しているかの、
一つの目安にもなるんです。
驚くことに、
この私の質問に対して、
「えっ!何cmかなぁ~!
知りません。」
「・・・・・・覚えてません!」
と、
全く答えが出ないことも多いんです。
別に、
テストではないので、
答えられないから、
お産ができないということではありません。
お産は、
体が動物の本能として、
勝手に産む力を持っています。
ですが、
ですが・・・・・・。
お産は、
ご自身と赤ちゃんの命をかけた
大業です。
人は、
知らないことに対しては、
不安を抱いたり緊張したりします。
不安は緊張を招き、
緊張は痛みを増強させ、
痛みは不安を強めます。
そうして、
不安→緊張→痛み→不安→・・・・・・
と負のスパイラルに陥ります。
陣痛が始まって、
いざお産になる時に、
何も理解していなかった事、
何も準備していなかった事を、
後悔しても遅いんです。
「備えあれば憂いなし」
これからお産する方は、
最低限の基礎的な知識はもって、
できれば、
しっかりとした知識をもって、
そして、
万全の準備をして
大事な大事な、
お産に臨んで頂きたいです