見出し画像

「感動」するお産になるように!

以前に、

元リッツ・カールトンホテルの

接客をされていた方の、


おもてなしの講座を

受けた時のお話です。


リッツ・カールトンホテルの

サービスでは、


お客様を、

満足させるだけではダメで、


感動を与える、

サービスをしなければならないと。


お客様の満足のレベルでは、

当たり前で、


感動を与えてこそ、

真のサービスだと聞きました。


なるほど、

と思える内容でした。



それは、

ホテルのサービスに

限ることではありません。


どんなことにでも、

言えることで、


もちろん私たちの、


「お産」


にも言えることです。



「お産」


は言うまでもなく、


「命の誕生」


です。


大切な我が子が、

元気に生まれ、


「おぎゃ~~~!」


と産声をあげた時、


ほとんどの方が、

感動されて、


泣かれることも、

多いです。




命が元気に生まれ出ることは、

決して当たり前のことではないです。



ですが、

「お産」をサービスで考えると、


この「感動」は、

ある意味、

当たり前のレベルではないでしょうか。


リッツで言う、

「満足」のレベルではないかと、

思います。









先日の当直での、

3人目のA様のお産のお話です。


陣痛で入院され、

順調な経過でお産を迎えられました。


2人目の時に、

破水をして急激にお産が進み、


破水後3分で生まれたので、

バタバタとして、


あっという間のお産で、

立ち会いもできなかったと。


そのため、

今回も立ち会い出産希望で、


落ち着いてお産がしたいと

ご希望でした。


ですが、

さすがに3人目さまで、


陣痛は5分間隔と、

あいており、


それほど強くはないのですが、

どんどんお産が進んでいます。


入院後2時間ほどで、

子宮口が3cmから8cmまで開き、


陣痛が弱いといえど、

2人目の時と同様に、


破水したら、

一気にお産が進む恐れは大です。


A様の、

落ち着いてお産をしたい

という希望を優先して、


ちょっと早めに、

分娩の準備を始めました。


そうして、

赤ちゃんが生まれてきても、

いい状態に整えてから、


人工的に破水をさせ、

分娩を進めました。


破水させたことで、

A様にきばりたい感じが

出てきたので、


自然に、

きばりたい分だけ、


きばりたい様に

きばってもらいました。


息は出来るだけ止めずに、

ゆっくりとジワ~と。


そうすると、

陣痛の度に、


みるみる、

赤ちゃんの頭が下がってきます。


最初は、

膣の奥の方に見えていた頭が、


お股のところまで、

降りてきて、


次には、

鶏の卵くらいの大きさの頭が、


その次には、

ダチョウの卵くらいの大きさの頭が、

お股から出始めています。


いよいよ、

次かその次の陣痛で、

赤ちゃんの頭が出そうです。










その事をA様に、

実況しながらお産を進めていきます。


A様に、

赤ちゃんの頭を

触ってみたいかを尋ねると、


「はい!」


ということで、

ご自分の手を、

お股のところまで伸ばしていただき、


お股に挟まれている、

赤ちゃんの頭を触っていただきます。


「うわ~!すごい~!」


「赤ちゃんの頭が出てきてる!」


「後、もうちょっとやね!」


と興奮気味です。



そうして、

そのお股の方を

注目してもらいながら、


次の陣痛では、

赤ちゃんの頭が飛び出ない様に、


もういきまずに、


「はっ!はっ!はっ!・・・」


と息を吐いていただきます。


そうして、

程なく赤ちゃんの頭が出ました。


次は体です。


体が半分くらい出たところで、

A様に、


赤ちゃんの手を、

それぞれ握手をする様に、

両手で握っていただき、


あたかも、

A様が赤ちゃんを取り上げる様に、

優しく引っ張ってもらいます。


それと同時に、

赤ちゃんの体が、


ぬるっと出てくるのを

感じてもらいます。


「うわーーーーーー!

すごいーーーーー!!」


「なんか気持ちいい〜〜!」









そして、

A様のご希望通り、


ご主人様に、

赤ちゃんのお臍を切ってもらって、


赤ちゃんをA様のお腹の上に

乗せてカンガルーケアーをします。


次に胎盤です。


胎盤がでてくるのも、

A様に感じてもらいます。


「うわっ!

ぬるっと出た!!!」




無事お産が終了し、

会陰のお傷はなく、

出血もほとんどありません。


A様は、


「こんなお産は初めてです!」


と終始、

笑顔で喜ばれ、


「本当に感動しました!」


「感激です!!」


と仰っていました。




お産の場は、

医療で言うと救急の場です。



ですから、

いつもこの様に

いくわけではありません。



ですが、

許される範囲で、

お産の場でも、


「満足」以上の

「感動」を与えられる

「お産」を経験してもらいたいです。


そのためには、

私たち助産師の、

ハートと技術はもちろん必要ですが、


産む主体者である、

あなたの準備も必要です。


あなたも、

今から準備をして、


こんな、

ワクワクするお産を

体験してくださいね





 



いいなと思ったら応援しよう!