Soupless(スープレス)ってナーニ?
立体裁断を学んでいた頃から、当たり前のように使っていた言葉ですが、フランス語の単語であり、一般的には使われておりません。
しかし、専門学校在職中はパリが本校のファッション専門学校ということもあり当時はそのまま、スープレス!スープレス!と言っておりました。
今もお教室で使っています。
日本語では「ユトリ」のことです。
服創りの手法として立体裁断に対し、平面裁断があります。
立体裁断でのユトリは胸幅線、背幅線でスープレスを入れますが、平面裁断のゆとりは、原型の脇線でユトリを入れていきます。
しかし、洋服着用時にユトリは脇線にはありません。
スープレスとして胸幅、背幅に出ています。
出来上がりバスト寸法、アームホール(AH)幅寸法からヌード寸法各胸幅、背幅寸法の差寸分量が各々ユトリ分量として胸幅線、背幅線に出てきます。
一般的には脇線でゆとりを入れるので、ユトリは脇に存在すると思っている方が多いと思いますが脇にユトリは不要です。
平面原型でのゆとりの入れ方に手法が立体裁断と違うだけです。
フランス語でもユトリはl'aisance(レザンス)という言葉があります。
スープレスはユトリではあるのですが、ニュアンスが違うように思います。
また、私は区別しています。
フランス語の辞書で調べると服飾辞典でも「しなやかさ、柔軟さ」と出てきます。同じゆとりではありますがフランス人らしい捉え方だと感じています。このスープレスの捉え方が日本の服創りに欠けていると思っています。
立体裁断でスープレスという言葉を使ったとき、アイテムごと、あるいは表現のニュアンスも含めてゆとりの入れ方を「私はスープレス」と云っていると思います。
「洋服の作り方」手法は平面か立体か?しかありません。
どのように具体化するかは作り手の感覚の問題です。
ex)立体裁断でユトリを入れながら「地の目」を通すテクニックがあります。原則は上から下まで凹凸感のある身体に縦の地の目を通しますが、AHに入り込む地の目の扱い方でキリッとシャープな感じ、あるいは少しだけ地の目を調整することでソフトな女性らしさが表現できます。「私のスープレスへのこだわりの一つです」。また、スープレスからシルエットへの流れを考え表現する作業は、レディース独特の面白さであると思います。
*AHへの地の目は調整しすぎると、抱き落ちにつながりますので、ご注意ください。スープレスに関してはとてもファジーな捉え方ではありますが、「しなやか」な服創りも必要だと感じています。
立体裁断と平面裁断のゆとりの入れ方についてはこちら↓
https://note.com/salon_de_moulage/n/n8300c8947b35
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