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リハビリの話

 急性期にいる間もリハビリはあった。
が、私にリハビリしている認識はなかった。
この人よく私を連れ出してお散歩してくれるなぁ位の認識。
このお散歩に連れて行ってくれる人が2人。色々都合の悪いとことかお散歩とかをしてくれる人が1人。話し相手に来てくれる人が1人。
今から考えればPTさん、 OTさん、STさんなのだがその時の私には遊んでくれる人という認識だった。

PTさんは男女2人セットできて、私をベッドから車椅子へ移動させてエレベーターでリハビリ室のあるフロアまで移動すると天井についたレールから伸びるベルトに私を固定すると歩く練習をさせる。
ぶら下げられているから倒れることはない。
3mも進むと休憩になるのだけどそれが私の体力的限界だった。
椅子に座ってPTさんとお話しタイムになる。
何か話した記憶はあるがなんの話をしたか全然覚えていない。
それを3回ほど繰り返すと車椅子に座り病室に戻る。
私はこれをお散歩だと思っていた。

OTさんはとにかく話をよく聞いてくれた。
動かない右側になんか困ってることがないか。
こんな事したいとかないか。
今日の調子はどうか。
私的には何も困ってはなかった。
右手は動かないものと認識していたから使わなければ良いだけと思っていたし、ご飯を食べるのも左手でスプーンを使えば問題なかった。
まぁ、食べてないんだけど。
私はこの OTさんがお気に入りだった。
多分急性期のスタッフの中で1番好きなスタッフだった。
彼にはいろんな話をした。
何回も泣いた。
その度にじっくりと話を聞いてくれた。
彼が来てくれるのを心待ちにしてた。

STさんは毎日午後から私のベッドサイドに来てくれていろんな話をした。
最初は好きな事は何かとか、ドラマとか見るのかとか私の好きなものを把握するための会話だった気がする。
ネトフリとかHuluでドラマとかアニメ見てるって話になった時にどんなのを見るの?と聞かれてワンピースとか見てると答えた事から彼女との会話の内容がアニメの話に傾いた。

ワンピースなら誰が好きなの?

ゾロ。
一番くじのゾロフィギュアがお家にあるよ

ゾロかっこいいもんねー

なんて会話が病室で繰り広げられてた。
私はこれもリハビリだとは思ってなかった。
なんで私はこの人とアニメ談義を繰り広げているんだろうと思っていたけど、アニメ好きなんかなぁくらいの認識だった。
もちろんリハビリだとは思ってない。

とにかくどのリハビリもリハビリとは考えてなくて遊んでもらっている認識だった。

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