離した手で
離した手がさみしくて
何度も感触を思い出している
時がたつほどにぬくみが鮮明になる
痺れた手のひらを見つめる
離した手でパソコンを打ち
離した手で料理をする
自分のための料理
手ぶらのまま立ち止まり
気ままにバスに乗って墓地へゆく
梅の香りとしゃぼんだま
離した手でケイタイを繰り
遠き島国にいる友人たちに
再来月のアポイントを取る
誰と会うことも何をすることも
制限なくゆるされている
空っぽの手がなにかをつかもうとしている
さみしいけれど
わたしはもう戻らない
離した手がさみしくて
何度も感触を思い出している
時がたつほどにぬくみが鮮明になる
痺れた手のひらを見つめる
離した手でパソコンを打ち
離した手で料理をする
自分のための料理
手ぶらのまま立ち止まり
気ままにバスに乗って墓地へゆく
梅の香りとしゃぼんだま
離した手でケイタイを繰り
遠き島国にいる友人たちに
再来月のアポイントを取る
誰と会うことも何をすることも
制限なくゆるされている
空っぽの手がなにかをつかもうとしている
さみしいけれど
わたしはもう戻らない