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3D神谷幸広制作記録

はじめに

前回何もわからない状態からホロライブの白銀ノエルというキャラクターをイラストから3Dモデルへと起こした。
Blenderから外部へ持ち出し、踊らせることができるようになるまで170時間弱をかけて、だ。

今回は前回の反省を踏まえ、目標とワークフローを定めて無駄を減らしていこうと努力しながら制作をした。

できたもの


アイドルマスターSideM LIVE ON ST@GE!から神谷幸広

このモデルは踊らせたとき、前回の白銀ノエルのように崩壊し角度を変えると恐ろしいことになったりはしなかった。
輪郭などがぼやっとしてしまっているが、今回使ったMtoonでoutlineを設定しているためVRM Live Viewerなどで動かせば良い感じに強調してくれる。

今回は見えない部分のメッシュを削ぎまくって体で残っている部分は肘から先と鎖骨辺りから頭部までのみ。
衣装も内側のシャツやベストは全面の見える部分だけ作って虚空エプロンスタイル。
ボトムも足用に作ったメッシュを変形させてそれぞれ上下を上体側の衣装と靴にぶっ刺す突貫工事。

結果体と顔、そのパーツを含めて△3498。
衣装が△2816、髪が△1504の計△7818。
ボーンは基本的なボーンに5つ揺れものボーンを追加。
テクスチャは体、衣装、髪それぞれ1Kのものが1枚ずつ。
スマホなんかで動かせる技術が無いから検証しようがないんだけど、かなり負荷の少ないモデルができたんじゃないかなと思った。

制作にかかった時間はおよそ43時間。
前回の四分の一でとりあえず完成とした。

各工程の時間内訳

体:4時間
頭:8時間
顔パーツ:2時間
衣装:6時間
髪:4時間
顔テクスチャ:6時間
服テクスチャ:8時間
リギング、スキニング:3時間
シェイプキー:2時間
計43時間

実際には行き詰まって解法を求めてさまよう時間も含まれていたり休憩もしたりで、それぞれの工程で2~30分ずれているけどまあだいたいこんな感じという記録を残しておきたいだけなのでよし。

ふりかえり

今回の作業は先程の各工程にかかった時間であげた順にすすめていった。
前回は衣装を作ってから素体を再調整、合わせて衣装を再調整などを何度も繰り返し、ハチャメチャに時間をかけた割にはクオリティ低すぎる結果だった。
なので概ね一方通行である程度のクオリティで納得しつつ進められた今回はそこそこ良かったのではないかと思う。

しかし反省点はたくさんあって、UV展開、テクスチャー作成後にまた顔の調整を繰り返した。
その結果顔の左右で頂点がずれてしまい、修正しようと半分消してミラーを適用しようにもUV展開からやり直さないとテクスチャがおかしいことになってしまったりして。
なのでミラーを諦め手動で左右の調整を続けていった。
そうするとどうなるかというとシェイプキー作成のとき左右対称に頂点を選択できないので表情の制作がめちゃくちゃに大変だった。

前回得た僅かな経験値を活かし作業自体は素早く進んだが作業量が無駄に多くてどうしようもなかった。
あまつさえシェイプキー作成後に瞳の大きさを変えたいとなってしまってそれまでに作ったシェイプキーすべてに大きさの変更を適用するなど。

今回はローポリで作成ということでサブディビジョンサーフェスを使わなかったこともあって調整自体は楽だった。
顔も近くに寄ればカクカクしてるし腕や足もほぼただの筒だけど遠目から踊っているのを見る分にはさほど気にならない。
やはり前回変なタイミングでサブディビジョンサーフェスを適用して、そこから調整したり頂点数削ったりしてたあれがめちゃくちゃ無意味だったのだ……。

リギングとスキニングは前回より揺れものが少なかったり構造が単純だったりしたのでそこまで苦戦しなかった。ウェイトを乗せる頂点数も少なかったし。
自動ウェイトで微調整してあげれば問題はなかった。
これについては自動ウェイトで当ててから調整が面倒だったりしたので手動で割り当てていくやり方を次回は試していこうと思う。
それでどっちが楽かなとくらべて今後の制作に活かせればいいなと思う。

他の反省点としては髪のモデリングはもう少し上手にできただろうと思う。
特徴的な前髪や頭頂部に向かって跳ねる髪束などはともかく、横や襟足などは労力の割に見た目が良くならず三角面数も増えてしまっている。
現状カーブからメッシュに変換する方法でしか髪を作ってないが、次は平面から立体に起こして上手いことできないか試してみたいと思う。
厚み付や板ポリにテクスチャなど。テクスチャは絵をかけない人間だからまともに見えるものを作るのは時間がかかりそう。

それとUV展開時に模様が続いているメッシュを無駄に分割して、更に拡縮まで変えてしまっていたことが失敗だった。
同じPixel数でラインをひいていても接続部で太さが変わってしまったのは面倒だった。

今回得られた知見の中で一番役立ちそうなものはやっぱりVRMをBlenderに読み込ませるアドオンの使い方だった。
今回はMtoonシェーダーを使って出力したけどこれが非常に楽。
外部ソフトに出力すると色合いが変わってしまうのに悩んでいたけどシンプルにMtoonシェーダーを使っていなかったから、で終わりだった。
陰影をほとんど書き込まない見たまんまの色ベタ塗りテクスチャを読み込ませてあげるだけで外部ソフトでもそのまんまの色で陰影までつけてくれたので感動した。
Blenderのモディファイアを使ったoutlineを設定していたけどこれはそもそも確認用だったりBlender内でアニメーションとか画像までレンダリングするときのものだったらしいので、どうしたものかと悩んでMtoonの使い方を知って解決、みたいな。
テクスチャで合計14時間かかってるのもこのあたりで試行錯誤が入ったからなので次回からはもっと早く進められそう。

Mtoonにテクスチャぺたーで設定できるので大雑把な配色にシェーディングからマテリアルを使ってたけどそれも要らなくなるのでそれも無駄だったなと。
マテリアルで配色してベイクしてテクスチャ作成、そこにディティールを書き込むみたいな流れだったけど色味変わるしベースカラーのベタ塗りなら手動でやったほうが楽だった説まであるので今後は改善できる。

次の課題はUV展開を上手にする。
これに尽きる気がする。
もっと顔などの造形をキレイに、カッコよく、可愛くしていきたいのはやまやまだけどそれは数こなしていくしかなさそうだし。
技術的な問題で大きく改善の余地ありなのはUV展開なのかなと。
ここでテクスチャが描きやすいよう展開できるようになればテクスチャの作成時間が短縮できて、より造形にこだわっていても時間をかけすぎずに制作できるんじゃないかなと。
外部ツールだったり、展開のし易い制作方法だったり。

というところで次のモデリングを始めよう。

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