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最速は誰だ?--急速に成長するSolanaエコシステム--

この記事は、3commasによって投稿された記事をSolana Japanコミュニティが日本語に翻訳したものです。
元記事:"Who is the fastest? The Solana ecosystem is growing rapidly"

多くの仮想通貨系メディアが、ブロックチェーンプラットフォームの急速な発展と成長について報じています。その中でも、我々が最もよく目にするのがEthereum基盤のプロダクトや、そのライバルであるPolkadotやCosmosです。一方、それらのような人気のあるネットワークの現在の速度、スケーラビリティ、トランザクション手数料に満足していない分散型プロジェクトが移行を検討するようになってきている、他のブロックチェーンに関する資料を見かけることはあまりありません。そのようなチェーンの多くはプロダクトに革新的な技術を提供するとともに市場に新たなトレンドをもたらし、間違いなく、近い将来にリーダーシップを取ることができるようになるでしょう。よくある言い回しとして「事前に知っていれば、それによりよい対応ができる(Forewarned means forearmed.)」というのもありますし、驚異的なスピードで成長しており、既存のブロックチェーンの中では帯域幅の面でリードしているSolanaのエコシステムに関するレビューを用意してみました。

Solanaとは何だ?

Solanaはハイスピードな単一レイヤーのブロックチェーンで、現在のところピーク時のスループットは59000TPS、400msのブロック生成間隔を実現しています。
Solanaは、ムーアの法則に基づいてトランザクションのスループットを拡張するよう設計されています。つまり、約2年毎にGPUコアは2倍になりますが、この帯域幅を実現するためにシャーディングは不要です。Solanaはしばしば「最初のWebスケールブロックチェーンネットワーク(Web-Scale blockchain network)である」という言い方をされることがありますが、これはSolanaが極めて高速、安全、そしてスケーラブルで、世界でもっとも生産性が高いからであると同時に、特に高頻度かつ大規模な処理が行われるアプリケーション向けに設計されたからです。これらの目的を達成するためには、いくつかの最適化と新たな技術が必要でした。結果として、私達はブロックチェーン技術の発展における新たなステージ、すなわちネットワーク容量の大幅な向上を目にすることになりました。

なぜSolanaが選ばれるのか?

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Solanaは、主要な技術的課題のいくつかを解決しました。それは、世界規模での使用に耐えるようブロックチェーンをスケールすると同時に、異なるエコシステム間を接続する機能を提供し、さらにはネットワークがスケールしても単一ネットワークであるという状態を維持することです。これらを達成したことにより、シャーディングやレイヤー2のような複雑な機能を追加する必要はなくなりました。SolanaのMempoolが空になる燃えるようなスピードと少額の手数料(100万トランザクションにかかる費用がおよそ10ドル)は、検閲体制やセキュリテイに関しての妥協をすることなく、エコシステムの成長とともにスケールしていきます。これによって、開発者はブロックチェーンインフラよりも、自らのビジネスにより集中できるようになります。もはや、スケーリング、セキュリティ、分散性のどれかを犠牲にどれかを選ぶ必要はありません。Solanaはこのトリレンマを解決してくれました。Solana Labs.の開発者たちは、世界で最も成功した企業--Apple, Qualcomm, Intel, Google, Microsoft...--での豊富な経験があります。実際のところ、SolanaはWeb2.0のスピードを維持しつつ、真のWeb3.0を実現しています。ブロックチェーン関連の著名な企業のチームは、長期的な連携のためにSolanaを選択しています

ところで、あなたはネットワークのストレステストを通して、Solanaのスピードを容易に評価できます。Break Solanaをお試しください。

Solanaエコシステムの基盤を利用しているプロジェクト

Serum

数ヶ月前、仮想通貨の代表的なデリバティブ取引所であるFTXAlameda Researchは、世界初となる完全に非中央集権的な現物・デリバティブ取引所としてSerum Projectを始動させました。Serumは他とは全く異なっており、そしてそれこそが競争力です。そのソフトウェアはDEXでの高速な取引を可能にします。Serumはクロスチェーンをサポートしており、ステーブルコインやWBTC(Wrapped BTC), WBCH, WBSV, WLTC, WZEC, WETCといった、ラップされたERC-20トークンも利用することができます。またオーダーブックも利用可能で、これらの機能がまったく新しい金融プロダクトを創造するために活用されています。

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現在存在する多くのDeFIプロダクトとは異なり、Serumは高速で、なおかつ安価です。アーキテクチャはSRMトークンのインフレーション、取引手数料、「Leaders」と呼ばれる委任・管理システムによって、ステーキングに参加するインセンティブのあるノードオペレーターを支援するよう調整されています。
先に述べたようなFTXやAlameda Researchに加え、Serumのパートナーには3CommasやAkg Ventures, Certus One, Genesis Blockといった、仮想通貨の領域において著名な企業が参画しています。これらの企業の多くはSerumのバリデータでもあります。

Wormhole

SolanaとEthereumをつなぐWormholeは、トラストレスなチェーン間ブリッジの最新かつ最も明確な例です。これは、多数計画されているSolana上でのクロスチェーンブリッジの最初の1つにすぎません。Wormholeは、ETHやERC-20トークンをSolanaブロックチェーン上のSPLトークンに変換します。これにより、既存のプロジェクトやプラットフォームがネットワーク間でアセットを確実に移動させながら、極めて高速で安全なWebスケールブロックチェーンを活用できるようになります。Solanaへの移行はネットワークの混雑や高騰した手数料から逃れることを意味し、また、必要ならばEthereumネットワークの恩恵を受けることも引き続き可能です。

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Akash

Akashは初の非中央集権型クラウドコンピューティングプラットフォームです。Akashプラットフォームは、840万のデータセンターで85%のコンピューティングリソースを活用することを目指しています。Akashは、誰もが使っていないリソースを売買できるようにします。このプラットフォームは現在クラウドを利用している顧客に独自のセットを提供します。AkashとSolanaはインターオペラビリティ(相互運用性)を実現しようとしており、各エコシステム上のサービスをAkash Token(AKT)もしくはSolana(SOL)を用いて計算可能にしようとしています。Solanaのスマートコントラクトと対話するフロントエンドのアプリケーションは現在、(Amazon Web ServiceやGoogle Cloud Platformのような中央集権的クラウド事業者に依存した現在のモデルの代わりに)非中央集権のクラウドで稼働可能で、そうすることは真の検閲体制をもたらすでしょう。

Stardust

Stardustはゲーム開発者が収入を増加させることを(NFTやトレーディングプラットフォームなどを通して)可能にし、またプレイヤーのゲーミング体験をも改善します。開発者はAPIとブロックチェーンインフラを介して、Stardustプラットフォームの二次収益分配市場とゲームエクスプローラーに接続することができます。現在のステータスとしては

・シードラウンドでBlockchain Capitalから資金調達
・50000~70000の月間平均アクティブユーザー
・12ヶ月で延べ750000万人のプレイヤーが参加

があります。

Terra

Terraは成長中のペイメントネットワークで、世界で最も巨大な通貨に裏付けられたステーブルコインのバスケットに補助されています。現在、これらのステーブルコインはほとんどがTerraのフラッグシップのアプリケーション、CHAIを通しており、ここには100万人以上のアクティブユーザーと300万ドル/日の取引量が存在します。Terraは優秀なチームと、いくつかの世界最高の投資家の援助を受けています。

Anchor

AnchorはPoSトークンのホルダーのための双方向のプラットフォームです。このシステムは口座と、貸付サービスを提供します。将来実装予定の機能として

・"Anchor"という独自トークン発行(5年以内に発行され、事前マイニングは行われない)
・CompoundやMakerDAOのように、PoSトークンをプラットフォームにデポジットできるようにする
・(Terraで発行された)ステーブルコインの担保として機能するようにする
があります。

などがあります。

Audius

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Audiusは非中央集権型の「音楽取引所」で、リスナーとクリエイター間でより直接取引を行えるよう、プロセスを簡素化するプロトコルを提供します。これは誰もが自由に楽曲をリリースしたり、収益化したり、あらゆる音楽コンテンツを配信できるようにします。需要の高まりに対応するため、Audiusの開発チームはレイヤー1とレイヤー2のスケーリングのため、20以上のソリューションを開発し、概念実証を行いました。この調査の後、Audiusはネットワークのスケールに対応するため、Solanaを選択しました。Audiusは来年、SolanaへのAudiusコンテンツ管理システム(CMS)の移行を計画しています。

RAMP DEFI

世界的な投資家に援助されているRAMP DEFIは、ワールドクラスの分散型金融ソリューションであり、ステークされたデジタル資産から流動性のある資産のロックを解除することにフォーカスしています。RAMPを利用することで、ステークした資産を持つユーザーは、ステーク報酬を受け取りつつ、その資産の資本成長の可能性を維持し、さらに同時に新たな収益機会に投資するための流動性のある資本を利用することができます。

・総額250億ドルを超えるステーク資産の市場で利用可能
・2021年の終わりまでに、10億ドルのステークされた資産をアンロックすること(Total Unlocked Value,TVU)を目標に設定している

Circle(USDC)

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CircleはSolanaブロックチェーンにもUSDCを統合しました。USDCは最も急速に成長している、完全予約型の米ドル連動型ステーブルコインの一つです。USDCはオープンスタンダードに基づいており、CoinbaseとCircleからなるコンソーシアムによって運営されています。現在までに28億ドルのUSDCが発行されており、数百のブロックチェーンプロジェクトがUSDCを高速かつ安全な支払手段として利用しています。USDCは分散型クレジットプラットフォーム、代替貯蓄口座、分散型取引所などで最も人気のある担保タイプの一つとして、DeFiで非常に重要な役割を果たしています。CircleとUSDC、及びSolana Foundationの協力により、DeFiプロダクトのさらなる発展への道が開かれました。

Tether

USDTは時価総額の観点では最大のステーブルコインであり、DeFiセクターで最も広く使われているステーブルコインの一つです。Tether及びUSDTは、あらゆる成功したブロックチェーンプロジェクトにとって非常に重要なインフラの構成要素であり、クロスプラットフォームでの計算処理においてもっとも重要な要素でもあります。この戦略的イニシアチブはSolanaにとって重要なステップであり、ネットワークの発展にも貢献するでしょう。スピードとコストは今日のDeFiにおいての2大障害です。この新たな取り組みにより、DeFiエコシステムにおけるステーブルコインのデザインや利用のための、全く新しい空間が開かれることになります。

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Arweave

Arweaveは、継続的かつ信頼性の高いデータサポートを提供するストレージの一つの形で、ユーザーや開発者がデータを永久に保管できるようにします。Arweaveは、利用者が貴重なアプリケーションや履歴情報を、無期限に保存することができる集合型ハードドライブです。

Torus

Torusは、Google, Facebook, Reddit, Discord, Twitch, E-mailなどのユーザーアカウントを通して、他の追加システムなしに、Dappsにワンクリックでログインできるシステムを提供します。Torus Networkは現在、Binance, Etherscan, ENS, Tendermintなどからなるバリデータグループによって支援されています。Torusのソリューションは全てのブロックチェーンと互換性を持ちます。

Pocket

Pocket Networkは、ほとんどのブロックチェーンに向けられたAPIリクエストを中継するための包括的ネットワークとして作られました。このプロジェクトはSolanaに統合される予定で、検閲耐性を持つ新たなWeb3.0技術セットで、暗号化のための構成要素を有効化します。

dFuse

dFuseはブロックチェーンAPIに特化した企業で、ステータスの更新をリアルタイムで配信したり、インスタント検索を実行したり、トランザクションが不可逆であることを保証したりといったことを、簡単なAPIコールで可能にします。dFuseはSolanaにそのAPIを実装し、開発者がプロトコル上に存在する、優れたアプリケーションの作成や保守を簡単に行えるようにします。

Fortmatic

Fortmaticは、ユーザーがブラウザの拡張機能を導入せずとも、電話番号かメールアドレスで分散型アプリケーションにアクセスできるようにする開発者キット(SDK)を作成しました。FortmaticはそのSDKをSolanaに統合し、エンドユーザーや開発者が(Metamaskのような)Web3.0ウォレットの代替品を簡単に利用できるようにしました。

Civic

Civicは、安全かつコストパフォーマンスの高い形で身元を認証できるようにする分散型エコシステムです。Civicは分散型の身元認証ソリューションを統合するべく、Solanaのチームと働いています。この共同作業は、身元認証を実現するインフラがない新興国において、低コストかつスケーラブルな身元認証を提供することを目指しています。

HummingBot

HummingBotはマーケットメイクやアービトラージ(裁定取引)のような高頻度取引の戦略を用いて仮想通貨を取引できるようにする、オープンソースのトレーディングソフトウェアです。HummingbotはSolanaと共同で、メンテナー/トレーダーが様々な取引所でSolanaの流動性を供給し、手数料を受け取ることができるようにするための流動性供給ソリューションを統合しようと働いています。

結論

Solanaエコシステムは非常に早いペースで成長しており、それはEthereumや他のチェーンと比較したとき、様々な面で優れているからです。DeFiプロジェクトが、Solanaのような高速かつ安価な取引が可能なエコシステムに移動し始めればそこで得られるポジティブな体験が暗号資産への関心の高まりをさらに強めることになるでしょう。
他の多くのプロジェクトとは異なり、Solanaは自らを「Ethereumキラー」だとは位置づけていません。お互いは共存、協同し、重要な「何か」を生み出すでしょう。これこそが、この相互作用のポイントです。

Written By Mikhail Goryunov 24.11.2020
Translated by @salmon_crypto  3.12.2020

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