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「不思議な薬箱を開く時」

こんにちは!
「不思議な薬箱を開く時」です。
今まで、皆さんが、ぜひ、服用したい!という、
お薬はありましたか?
おや、まだ、思案中ですか?
それなら、こういうお薬はいかがでしょう。
では、お薬箱を開けてみましょう。

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お薬番号・⑭

「怪力になれる薬」

このお薬の効果の持続は、約1時間です。
服用すれば、かなりの怪力を発揮することが可能です。
自分の体重の50倍もの重さを
軽々と動かせるでしょう。
フランス産のお薬ですが、
イギリスとの長い戦争の時代に、
特に、夜間の戦闘時に使用されたということです。
フジェール城の城主であった、ラウール2世が、
イギリス軍を撃退できた理由は、
この薬による功績であるとも。
錬金術師であった、レフロン・モデリウスが、
王に頼まれて、完成させました。
イギリス軍に勝利したものの、
悪魔の技と糾弾されては、王の沽券にかかわりますから、
このお薬の関係者は、
ひそかに逃れた、レフロン以外は、皆殺しにされました。
レフロンは、アペニン山脈の奥地に、
このお薬の調剤法と共に、隠れ住んだのです。
レフロンの死後、彼の世話をしていた、
弟子の、ミュルデロンが、製法を受け継ぎ、
2度と、戦役に利用されないようにと、スイスへ逃亡。
当時、スイスに隠居の城を構えていた、
オーストリアの伯爵に匿われました。
その城に残されていたのが、
この怪力を操れるお薬なのです。
では、調剤料をご紹介しましょう。

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「怪力になれる薬」処方

ベトニー・・・・・・・・・・50g
ペリウィンクル・・・・・・・50g
オーダンジェ・・・・・・・・30㏄
妊婦の母乳・・・・・・・・・20㏄
真珠・・・・・・・・・・・・1個
酢・・・・・・・・・・・・・30㏄
雄牛の脳石・・・・・・・・・1個
水銀・・・・・・・・・・・・・1g

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備考欄
栄養ドリンクを飲んだ後に、
怒涛のように働いたはいいが、
ドリンクの効き目が切れると、
死んだように、ぐったり。
このお薬も、同じような副作用があります。
それも、かなり、顕著に。
たとえば、死亡するとかです。
全身の筋肉は、ぼろぼろになり、
心臓は、爆発寸前、
血圧は上がりっ放しで、
血流は、大爆走。
実際、このお薬を服用させられて、
戦った兵士は、ほぼ、全員死亡しています。
お薬の効果に、身体がついていかなかったのでしょう。
ちょっと、待ってください。
ほぼ?
そうです。
1名だけ、命を取り留めた男性がいました。
ガスコーニュ出身の兵士で、
生きて故郷に帰ったとか。
理由はわかりませんが、
彼のおかげで、このお薬の信頼性が、
1%、上がりましたね。

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