「不思議な薬箱が開く時」
さてさて、皆様方。
薬箱を開ける心の準備はよいですか?
どんな薬が見つかりますやら。
お薬番号 ①
「空を飛べる軟膏」
みなさん。
魔女は、箒に乗って空を飛ぶとお思いですか?
たしかに。
魔女は、箒に乗ります。
しかし、箒だけでは、空を飛べません。
ホームセンターに行って、わざわざレトロな箒を探し出したとしても、
それにまたがるだけでは、箒は一ミリだって浮き上がりません。
この軟膏がなくてはね。
そう、この軟膏さえ、体中に塗れば、
ヘア・ブラシ、スリッパ、バターを作る桶。
何に乗っても、空を飛べるのです!
実は、この軟膏。
処方箋は、幾つかございます。
国ごとの魔女によって、調剤が違ってくることもある、ということですね。
もちろん、不明な材料の軟膏もございますが。
では、わかっている調剤料だけでも、
ご紹介いたしましょうか。
英国式空を飛べる軟膏
アナムソール・・・・・3g
キンマ・・・・・・・・30g
アヘンエキス・・・・・50g
キジムシロ・・・・・・6g
ヒヨス・・・・・・・・15g
ハシリドコロ・・・・・15g
ドクニンジン・・・・・15g
大麻・・・・・・・・・250g
カンスレインディン・・5g
油脂・・・・これは、魔女によってさまざまです。
例:嬰児の脂肪、ワセリン、紅花油、バターなどです。
新大陸式空を飛べる軟膏
ハンドクリーム・・・・・1瓶
植物性硬化油・・・・・・茶匙1
ハシリドコロ・・・・・・茶匙に半分
液体洗剤・・・・・・・・3滴
トリカブトの搾り汁・・・茶匙に半分
日頃使用している香水・・適量
フランス式空飛ぶ軟膏
処方箋:1
パセリ、トリカブトエキス、ポプラ葉、樫の樹を燃やした煤
処方箋:2
ボウフウ、ショウブの根汁、キジムシロ、蝙蝠の血、ハシリドコロ、バター
処方箋:3
嬰児の脂肪、ボウフウ、トリカブト、キジムシロ、ハシリドコロ、柳の樹を燃やした煤
東欧風空を飛べる軟膏
山羊の乳・・・・1カップ
シダ葉・・・・・5枚
大麻・・・・・・300g
ドクニンジン・・20g
処女の径血・・・茶匙1
蓖麻子油・・・・15g
バター・・・・・適量
植物は、しっかりと影干しをして、
細かく粉砕します。
油脂と混ぜて、よく煮込み、丁寧に練り合わせましょう。
用法
まず、乗って飛びたい物をあらかじめ用意します。
ゆっくりと入浴して、全身を温めます。
冷めないうちに、軟膏をくまなく塗りましょう。
あとは、選んだ物に乗って、窓から飛び立てばOK!
備考欄
かなり、手に入りづらい材料がありますね。
さすがは、魔女の薬箱ですね。
肌に合うかどうかはもちろん、
材料入手で、人間性の崩壊を招いたり、
法に触れてしまう場合があります。
調剤の際は、十分にお気をつけて。
服用の際には容量、用法をお守りください。
万が一にも服用します場合は一切の責任を取ることはできませんので、
ご自身の賢明な判断と自己責任の上、夜空の飛行をお楽しみください。