「不思議な薬箱を開く時」
こんにちは!
「不思議な薬箱を開く時」です。
はい、前回、申しました通り。
今回は、性転換出来る薬の西洋編です。
調剤料も、かなり変わってきますので、
よく、読んで処方してくださいね。
では、お薬箱を開けてみましょう。
お薬番号・27
「性転換出来る薬・西洋編」
どこのお国であれ、
男から女へ、女から男へと、
本当に変わることができたら、
というような願いはあったようですね。
衣装を替えたり、お化粧をしたり、
言葉や態度を変えるだけでは、
性転換とは言えません。
現代のように、手術を施す場合は、
また別のお話ですが。
時代的に、認識や社会的承認がされていないだけで、
性同一性障害といいますのは、
昔からあったのでしょうね。
この調剤法が発見されたのは、
スペインのサラマンカです。
もっとも古い大学と言われている、
サラマンカ大学の図書館で、
希少な古書籍と共に保管されている、
本草学、自然科学の書に、
記されていました。
この書は、アラビア語、ヘブライ語、ラテン語の、
三種の言語で、書かれてあったということです。
装丁の革の細工や、
製本は、スペイン製なのですが、
言語は、当時、学者や研究者を目指す者としては、
必須の言語で書かれていたわけです。
では、調剤料をご紹介しましょう。
「性転換が出来る薬・西洋編」処方
マンドラゴラの実・・・・・・・・3個
ズルカマラの花・・・・・・・・・10g
ハーブパリスの葉・・・・・・・・12枚
ブラックブリオニーの実・・・・・5個
ヘベンの実・・・・・・・・・・・5個
フールズパセリの実・・・・・・・6g
ウォータードロップワート・・・・10g
黒い牝山羊の初乳・・・・・・・・10㏄
白い雄鶏の精嚢・・・・・・・・・1個
チューリン・・・・・・・・・・・7g
諸注意
すべての調剤料をしっかりと潰して、
滑らかになるまで練りましょう。
ダマや欠片が残っていてはいけません。
丁寧に磨り潰し、練り込んだ後、
さらに、甑にかけて、クリームのようになるまで、
がんばってください。
皮や種も残さずです。
備考欄
男が飲めば、女に変わり、
女が飲めば、男に変わる。
東洋編のように、男性用、女性用の区別はありません。
大ざっぱに見えますが、
効果のほどは、書物に残されていた例で、
さる富豪と結婚するために、
女性に変わった男性や、
意に沿わない結婚から逃れるために、
男性に変わった女性がいたそうで。
まあ、この場合は、一生、
変わった性別のままでいたというわけですが。
ここで、ちょっとした副作用の情報を一つ。
ご存知の方もおいででしょうが、
この調剤料のほとんどが、
かなりの猛毒です。
調剤にはご注意を。
塩梅を間違えれば、
生まれ変わって性転換というはめになりかねません。