「不思議な薬箱を開く時」
こんにちは!
「不思議な薬箱を開く時」です。
薬害という言葉がありますが、
薬というものは、過ぎれば毒があたりまえです。
用量、用法を守って、正しく服用すれば、
なかなか、便利なものですよ。
では、お薬箱を開けてみましょう。
お薬番号・28
「呪いにかからなくなる薬」
誰しも、知らないうちに恨みを買っていることがあるのでは?
素知らぬ笑みを浮かべながら、
心の中では、あなたにふつふつと怒りを湧かせている。
こういう問題は、はるか昔からありました。
邪眼という、見つめるだけで相手を呪える力だったり、
禍々しい事が起こるように祈られてしまったりと、
ご近所づきあいも、なかなか油断ならないものです。
人は弱い生き物ですから、
すぐに感情に支配されて、
とことん、相手を憎んでしまうことがあるわけです。
そんな日常の中で、こういう薬が開発されても、
けっこう、当然とも言えるでしょう。
この薬の処方箋は、
ドイツのターレという地方にある、
とても古い教会に残されていた、
薬草師の小さな革の手記に記されていたものです。
言語は、ドイツ語とラテン語で書かれており、
今は使われていない表現も多く使われていました。
ターレに、キリスト教が入って来たばかりの頃に、
恐ろしい魔女が、その地方に住んでいたらしく、
その恐怖から逃れるためでもあったのでしょう。
では、調剤料をご紹介しましょう。
「呪いにかからなくなる薬」処方
モーリュ・・・・・・・・・・・・20g
樫の木の虫瘤・・・・・・・・・・10g
ヒカゲノカヅラの胞子・・・・・・15g
セイヨウボダイジュの葉・・・・・7枚
ユリの花部・・・・・・・・・・・3個
聖水・・・・・・・・・・・・・・40㏄
ジュニパーベリー・・・・・・・・5粒
羊の胎子の血・・・・・・・・・・10㏄
りんご酒・・・・・・・・・・・・20㏄
諸注意
今までになく、これは、揃えられそう!という、
身近な材料ばかりですね。
ただ、妊娠している羊を追いかけたり、
胎子の血液を抜き取るのは、
けっこうな修羅場だと言えます。
ましてや、誰かさんの牧場に忍び込むのは、
やはり、犯罪ですから、
そこは、十分にお気をつけて。
備考欄
呪いを受けたかどうかは、
日々、不幸になっていったりとか、
身体の具合が、原因不明なまま、悪化していく、
いきなり、禿げ始めた、
口が飛ぶ鳥を落とすほど臭くなった、
身体の中に、なぜか、針や釘があるなどで、
発覚することが多いようです。
自業自得で上記のようになっている場合とは、
かなり違いますから、お薬を服用しても、
改善は見込めません。
すべてが、呪いのせいならば、
たちどころに呪いは解け、
健康で幸せな毎日に戻れるでしょう。
まあ、世界各国に、さまざまな呪いがありますから、
どの呪いまでが有効かというのは、
まだ、未知の領域です。
とりあえず、服用してみて、
上記の諸症状を改善してくれるようでしたら、
それは、成功例と言えるでしょう。