
Vol.42 小型月着陸実証機SLIM
日本のモノづくりの強火サポーター、愛社精神育成コンサルタント 中小企業診断士の足立早恵子です。
読んで頂いてありがとうございます。
昨日、JAXAから小型月着陸実証機SLIMの運用終了が発表されました。
SLIMは昨年9月7日に打ち上げられた無人月面探査機・着陸機で、今年1月20日に世界初で月面でのピンポイント着陸に成功した着陸機です。
着陸地点は目標から55m離れたところだったということですが、障害物を自律的に回避したことや片側のエンジンが停止し横方向の推力が発生したことの影響によるもので、最終的な精度は3~4m程度のズレだったそうです。
改めて、日本の航空宇宙技術の高さを実感できます。
当初は太陽電池のソーラーパネルの方向が想定と違う状態だったため電力が供給されない状態でしたが、その後太陽の向きが変わったことで電力が回復し、着陸時のデータ取得や月面での鉱物観測といったミッションを成功させました。
しかし、SLIMは月の夜の低温に耐える設計ではなかったらしく、約1カ月に及ぶ夜が明けても稼働する可能性は低かったそうです。
しかし、2月25日にSLIMとの通信が再開され、月面の画像を撮影するなどのミッションを成功させました。
そして、3月1日に再び日没を迎え休止、3月27日に通信が再開し主要な機能は維持されていることが確認されました。
それからはSLIMが付きの環境にどこまで耐えられるかを検証する運用に入った結果、4月23日に再び通信が再開し、3度の越夜に成功しました。
しかし、その後は5月、6月、7月、8月と機体周辺への日照が回復する時期に通信を試みたところ応答はなく、8月23日停波運用が行われたそうです。
JAXAがXで運用している型月着陸実証機SLIMのアカウントによると、数日でデータ取得や観測を実施し運用終了の見込みだったとのこと。また、「想定をはるかに超える長期間にわたってSLIM自身の状態や周囲の環境の情報を送信し続けてくれました.打ち上げた当時はまさかここまで運用が続くとは誰も想像していませんでした」と書かれており、プロジェクトチームのSLIMへの想いが感じられとても感動しました。
日本の宇宙開発は愛情と熱意を持った人たちによって進められているから、さまざまな困難を乗り越えて大きな成果につながっているように感じます。
プロジェクトチームの皆様、まだプロジェクトは続くとのことですので、ご活躍を祈念しております。
そして、SLIMくん、過酷な環境での活動、本当にお疲れ様でした。