試験当日の様子(2次口述試験)
2次口述試験の会場は「大阪経済大学 大隈キャンパス」でした。
試験時間は午前で、30分前には受付を済ませておく必要があります。
自宅から行ける距離ではあったものの土地勘がない場所だったため、念のため受付時間の1時間前に会場入りできるスケジュールで行きました。
大学の周りはあまり座ってゆっくりできるようなところがないようで、近くのコンビニで飲み物だけ買って、会場に向かいました。
校門のところに警備の方が立たれていて「中小企業関連の試験の方ですかね?あちらの建物です」と教えてくださって、その指示に従って建物に向かいました。
試験受付は3階のようでしたが、1階はフリースペースのようになっていて、すでに試験が終わった方とこれから受けられる方が自由に座っていらっしゃるようでした。
私も少しフリースペースで休んで、受付の30分程前になって3階に向かいました。
3階に上がると大講義室の前に受付があり、受験票を提示すると試験の注意事項が書かれた紙を渡されました。
大講義室では事前に振り分けられた1班から12班に分かれて席に座るよう指示されます。
なお、この講義室ではスマートフォン等のデジタル機器は使用不可で、スマートウォッチもNGのようでした。
そのため、事例等をギリギリまで確認されたい方は印刷されることをおすすめします。
1〜12班の振り分けは、受験番号順になっているようでした。例えば、受験番号100番の方は1班、101番の方は2班…といった感じです。
口述試験の順番自体も、受験番号がそのまま順番になっているようでした。
1班あたり7〜8名いましたので、単純計算で約80名以上の方が午前の部だったように思います。
ちなみに、私が見た中では女性は自分を含めて5名くらいでした。
大講義室の前の方(扉の前)には、ネクスト席と呼ばれる席があり、1〜12班の方がそれぞれ1名ずつ座れるようになっていました。
要するに、口述試験は12名同時に行われているようでした。
ネクスト席に座っている1班の方が口述試験の部屋に呼ばれて席が空いたら、待っていた次の1班の方がネクスト席に移動する…といった運用でした。
また、各班に案内の先生がついており、私の班は一次試験でも試験監督をされていた先生でした。
服装はほぼ皆さんスーツで、ブラックが多いものの、ネイビーやダークグレーの方もいらっしゃいました。
お見かけした中では2名、トレーナーであったり、ラフなシャツにジャケットという方がいらっしゃったと思います。
女性も基本スーツで、インナーは華やかなブラウスの方や、カチッとした白いシャツの方もいらっしゃいました。
私はブラックスーツを持ってはいたものの、ザ・就活という感じのデザインだったので憚られ、黒のシックなワンピースにグレーのジャケットを羽織っていきました。オフィスカジュアルな感じでしたが、ジャケットと華美でない色合いであればまぁ大丈夫かなと思います。
概ね時間通りに私もネクスト席に呼ばれました。
待ち時間が少し長かったせいか、この時には緊張のピークは過ぎていて、なんとかなるだろう…という気持ちで窓の外を見たりしていました。
前の方の口述試験が終わったのか、班の案内の方が私の隣までやってきて受験番号の確認をされました。
「荷物をお持ちになって、移動をお願いします」と指示があり、荷物を持って大講義室を後にしました。
廊下で名前の確認があり、階段で1つ上の階に向かいました。
口述試験は4階にある小会議室で行われているようで、ドアの横には椅子が置かれていました。
椅子に座って一旦待つのかな?と思いきや、「ノックをして入ってください」と言われ、「あ、もうやるんですね!?」という感じで、良くも悪くも心の準備が整わないまま試験が始まりました。
ノックをしても「どうぞ」と言った返事はなく、とりあえず間をおいて「失礼します」と言ってドアを開けました。
中にはロの字に並べられた机に2名の男性の試験官が並んで座っていて、対面に受験生が座る椅子と、その隣に荷物を置くための椅子がありました。
「そちらに荷物を置いて、おかけください」と指示があり、荷物を置いて「失礼します」と着席しました。
試験官はどちらも優しそうな感じで、質問と回答合わせて2分程度を目安にお答えくださいと説明がありました。
すぐに「◯社の〜」と質問が来るかと思いきや、「まず事例Ⅰの、蕎麦店のA社についてお聞きします」と少し説明を入れてくださったので、頭の中で整理する労力が少し省けたかなと思います。
1問だけどう答えたら良いかわからない内容があり戸惑いましたが、試験官の方が助け舟を出してくださって、なんとか乗り越えられました。
問われたこと、回答等のやりとりは以下のような感じでした。
試「A社がX社と経営統合するにあたり、事前にA社が認識しておくべきX社の経営組織上の課題は何でしょうか」
私「X社の組織は縦割りで、A社と違い従業員同士で助け合いの意識が薄いため、会社としてどのような方向に進むか目的意識を共有し、X社にも浸透させることが重要と考えます」
⇒うんうん、と試験官が頷いてくれたため、方向性としては良かったのかなと確信。
試「A社は当初売り上げが1億円(?)あり、その後、売り上げが下がりました。その要因は何だと考えられますか」
私「競合が増えるなどの外部環境の変化が要因と考えます」
試「A社の変化としては何が考えられますか」
⇒追加質問があり、思っていた回答と違った?と焦る。
私「まちの食堂として総花的な事業展開をしたため、オペレーション効率が悪くなり、費用の増加や従業員への負担に繋がったと考えられます」
⇒うんうん、と試験官が頷きホッとする。
試「C社は高級旅館やホテルなど特定の業種と取引をしていますが、その問題点は何だと思いますか」
私「新型コロナが例にあるように、取引先の業績が低下すると連動して売り上げが下がるため、経営リスクが高くなると考えられます」
試「C社の総菜製造課は販売先別に総菜班を作って製造していますが、そのメリットは何だと思いますか」
⇒すぐに思いつかず。
私「……すみません、少し考える時間をいただけますか」
試「大丈夫ですよ、どうぞどうぞ!」
⇒逆に試験官が焦ったように笑ってくれたため、少し安心しつつ、下を向いて10秒程考える。
私「販売先毎に製造するため、スピード感があがることでしょうか…」
試「お客様から見て、メリットはどうでしょうか?」
⇒思っていた回答と違ったようで、助け舟を出される。
私「お客様から見てですね、ありがとうございます。C社は口頭でお客様からの指示を受けている状況のため、販売先毎に製造班を作ることでお客様の要望が伝わりやすいと考えます」
⇒うんうん、と頷かれる。
4問(追加質問2問)終わったところで、以上で終了しますとお声がけがあり、椅子の横に立って「ありがとうございました」と御礼を告げ、退室しました。
廊下では案内してくださった先生が待っていてくださって、「お疲れ様でした。よくお話しされていましたね」と労いの言葉をかけてくださいました。
ホッとしたでしょう、今日のお昼は美味しく食べられそうですね、と私の緊張をほぐしてくれるように声をかけてくださって、ありがたかったです。
その後は大講義室に戻ることはなく、まっすぐ1階に降りて解散となりました。
口述試験はすごく緊張しましたが、試験官の方がとても優しかったので救われました。
「何を答えたらいいかわからなくても、無言になってはいけない」というのだけは意識していたので、途中で「少し考える時間をください」と言えたのかなと思います。それでも合格はできたので、コミュニケーションが取れていれば受かる試験なのかなとも思います。
感覚として、試験官も落とそうと思っている試験ではない、と感じました。助け舟を出したり、考える時間を与えてくれたりと、なんとか答えさせようという雰囲気がありました。
後からわかったことですが、口述試験では2名の不合格者がいましたが、大阪会場は全員受かっているようです。
それでも試験を終えるまでは、「もしかしたら不合格になるかも」という不安は拭えませんでした。