2次筆記試験答案を分析(事例Ⅰ)
未だに合格した理由がわからない二次試験について、事例毎に答案分析をしてみようと思います。
与件・問題文については、中小企業診断協会のHPよりご参照ください。
実際の解き方
まず初めに、設問を確認し、黒ボールペンでチェックしていきます。
人物には四角で、時制には<>で囲みを入れてメモします。
文字数や何を問われているか(課題、問題点、等)も合わせて確認し、どのような解答骨子を作るかの「型」をこの時点で作っていました。
例えば、第2問には「Sを生かし、Wをなくす、効果」とメモし、第3問には「留意点は、①~、②~、③~により~(効果)をする」とメモしています。
このように、問われ方によって何を押さえて答えるべきか過去問で方向性が見えていたので、与件文を確認する前からメモするようにしていました。
また、事例Ⅰでは最初に強み・弱みを聞かれることが多いです。それが最後の第4問まで一貫しているかということも意識していました。
(設問の最後に「全体のつながり、ストーリー意識)とメモしています)
与件文の確認の仕方
設問を確認後、与件文をチェックします。
与件文では、4つのペンを使用していて、基本どの事例でも同様の使い方をしていました。
強みや機会などのプラス要因はピンクで、SやOとメモ。
弱みや脅威などのマイナス要因は青で、WやTとメモ。
問題文と同じく、人物には四角、時制には<>でチェックします。
また、会社の方向性や社長の想い等、チェックしておきたいところには水色でマーカーを引きました。
上記の流れで与件文を確認した後は、また設問に戻り、与件文のどこにヒントや答えが隠されているかをチェックします。
解答に使えそうな部分のメモは、青ボールペンを使用しました。
例えば第1問の「強み」で書けそうな部分は、与件文に「四角囲み1、S」とメモします。第2問で使えそうなところは「四角囲み2」とメモします。
与件文は、基本的にはどこかにヒントや答えが集中しているということはなく、全面的に散りばめられているように思います。どの文章・段落をどの設問に使ったかをメモすることによって、「この段落、ノータッチだけど大丈夫かな?」と漏れを防ぐことができました。
解答骨子の作り方
白い余ったページに、解答骨子を作っていきます。
前述した通り、この文章からこの設問の解答を取ってくると目星をつけた後、箇条書きで書いていきます。
この時は青ボールペンを使っています。
とりあえず思いつくだけ書いて、文字数が足りなさそう・多くなりそう、と思えば後から修正していきました。
ピンクのマーカーは、最終的に解答で使った文章・キーワードです。
実際の解答
実際の解答と、どうしてそう考えたのかを記載していきます。
なお、解答は再現答案になりますので、本試験では少し表現などが違っていたり、解答を思い出せなかったところもあります。予めご了承ください。
また、正答が発表されない試験のため、結局どれが点数に繋がったのかはわかりません。参考までに留めていただけたらと思います。
第1問
(1)強み(30字)
①高品質な商品とサービス②定着率の高さ③組織風土(24字)
(2)弱み(30字)
①開発力の弱さ②原材料の仕入れが不安定③新規顧客の取り込み不足(30字)
《振り返り》
まず、統合前という時制の制約があったので、必ずチェックをしました。
あとは、それぞれ30文字の字数があったため、設問確認の段階で「2~3つ」は盛り込もうと決めていました。
強み・弱みの書き方は、私のように「①~②~」と書くタイプや、「①~、②~、」と書くタイプ、「~や~、~である」と文章で書くタイプを色々あるようですが、私は1文字でもキーワードに盛り込みたかったので、前述の書き方にしました。
強みの部分では、「高品質」という言葉が入ったら必ず強みに入れるようにしていました。
弱みの部分は与件文を読んでいくと「ここも、ここも…」と多くなりがちなので、なるべく厳選して2~3つに収めるようにしていました。
「新規顧客の取り込み不足」となっている原因は「常連である地元の顧客の高齢化」により客足が鈍くなっていったことも書いてあったので、言い方を変えて「常連客への依存」という表現でも良かったのかなと思います。
第2問
(100字以内)
①総花的なメニューを見直し蕎麦に資源集中②正社員を増やして専業リーダーを配置し業務負担を軽減③メイン層を地元ファミリー層に絞った。以上により、従業員の定着率・生産効率を高め売上向上を狙った。(95字)
《振り返り》
第1問とも共通しますが、こういった文章で答える設問でも「①~②~」という書き方にしていました。一番字数が少なく済むのと、論点が明確になって採点側にも読みやすいかなと思ったからです。
文章で100文字となると冗長になりやすかったり、表現が揺れたりするので、もし文章をまとめるのが苦手という方はこういう書き方が合っているかもしれません。
また、「狙い」や「効果」を聞かれるときは、「(前段)~、狙いは~ことである」という書き方にすると「~ことである」に文章を締めるにはどう書いたらいいか…と意識してしまい、文章がごちゃごちゃしてしまうことがあったので、私は「以上により~を狙った」というような感じで型を決めていました。
第2問では戦略上の差別化、その狙いを問われました。第1問では当初の強み・弱みを聞かれていたので、強みを生かして弱みを減らす→効果、という形で第1問の回答も意識するようにしていました。
今回は「差別化」を問われていたので、SWOTにおけるO(機会)、T(脅威)に必ずかかってくると思い、チェックしていました。
第3問
(100字)
留意点は①X社経営者と個人的な繋がりがある仕入先との関係構築②会社として目指す方向性や目的意識の共有③組織風土の違いによる離職防止。以上により円滑な経営統合を図る。(82字)
《振り返り》
こちらも書き方の型は第2問と同じです。
私は「留意点」という問われ方が苦手で、「問題点」「課題」とごちゃごちゃしてしまいがちでした。「留意点」を聞かれることは過去問を見ていても多かったので「~やるべきこと」と自分に落とし込みやすい言い方に変えて設問解釈の段階でメモするようにしていました。
また、「助言せよ」と問われているときは必ず「効果」も書きます。これは設問だけ見てもわからないですよね。ふぞろい等で過去の再現答案を見て、助言せよ=効果を書く、と学びました。
ただ、第3問に関しては「経営統合に先立って」と書いてあるので、何のための留意点(やるべきこと)なのかはわかりやすいです。なので、経営統合をすることは目的であることは明確なので「円滑な~」という言葉をつけました。
私は上記のやり方で一貫して解いていましたが、予備校の回答を見ると、留意点と問われて「課題」を書いていたりするので、結局何が正解なのかはわからないです…。
第4問
設問1(80字)
①接客リーダーをX社に入れ、会社として目指す方向性や目的意識を段階的に浸透させる②従業員同士の研修の実施。以上により、組織活性化と従業員の士気向上を図る。(77字)
※うろ覚え
《振り返り》
前述しましたが、回答は第1問から一貫しているかを意識しています。
第4問では「どのように組織統合を進めるか」を聞かれました。第3問で「経営統合に何を留意すべきか」と聞かれていたので、第3問の留意点をどうやって解消して統合していくか、が問われているのがわかります。
また、「助言せよ」と書いてあるので、効果も必ず書くようにします。
第3問では仕入先のことを書いていましたが、第4問では「組織」のことを聞かれていたので、組織文化や人のことを書くべきなのかなと思い、目的意識の共有や接客リーダーを橋渡しとすることを書きました。
設問2(100字)
高品質な地元産原材料を使用し、X社は立地を生かして電車を利用して来訪した外国人観光客や若者を、A社はファミリー層をターゲットに新メニューを開発する。以上により売上拡大、差別化、新規顧客の獲得を図る。(99字)
《振り返り》
ここはおそらく、予備校の回答と比べてもちょっとズレていたので、あまり点数が入っていないのではないかなと思います。
「競争戦略」「成長戦略」とあったので、第1問の強みを生かすことを意識しつつ、どうO(機会)を生かしてT(脅威)に対抗するかを考えて書きました。
以上により~以降に文章を割いているのは、前段であまり思いつかなかったからだと思います(笑)少しでも点数に繋がればと思い、効果を羅列するようにしていました。
当時の振り返り
結果的に、事例Ⅰが一番点数が高かったです(71点)。
与件文がA4で3枚以上と非常に長かったので、時間的な面で焦ったのをとても覚えています。ただ、振り返ってみると設問は一貫して流れができていたので、解きやすい方ではあったのかなと思います。
解いてすぐの感覚としては「思ったよりできたかも」でした。足切りはないかなと思いつつ、与件文が長いということは散りばめられているキーワードも多いはずなので、何か外していないかなと心配でもありました。