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澤穂希さんのあの全力の一言をマンガに描くならどうしたらいい?〜オタク母への質問〜
ウチの娘は、マンガ家を目指して勉強中です。
3年制の専門学校2年ですが、高校も普通科ではなくマンガ・イラスト科に行ったので、筋金入りのマンガ家志望者です。
さて。先日、娘は「新プロジェクトX」の、なでしこジャパンの回を偶然見たそうです。
女の子がサッカーをするなんて、と批判されていた時代から、なでしこジャパンが大活躍するまでの道のりを描いた回。
その中でゲストの本田さん(?)のエピソードが心に残ったそうです。
どれくらい正確か分かりませんが、娘の談を再構成するとこんな感じかと思われます。
海外での、アウェーの試合。日本が負けていて、試合の残り時間もあとわずか。
観衆も完全に全員相手国を応援していて、日本側のムードはどん底。
もうダメなのかな…となでしこの選手たちがあきらめかけていたとき、フィールドの遠くにいたキャプテンの澤穂希さんが、何かを叫んだ。
観客からのヤジが大きすぎて、澤さんの声はほとんど聞こえない。でも、彼女が何を叫んでいるのかは分かった。
「まだ終わってないよ!」
本田さんは、その一言で我に返り、時間いっぱいまで戦い抜くことができた。
娘は、
「もう胸熱で!『澤さん…!』って感じ。
さすがキャプテン!なんだよ。
で、それをちゃんと受け取った本田さんもすごいんだよ。
で、この場面をマンガで描くとしたら、どう描けばいいかなって考えちゃってさー」と言っていました。
娘が言うには、遠くで叫んでいる澤さんを小さく描くこと、何を言っているかよくわからない状況を描くとして、
それなのに、何を言っているかがわかったということをどう描くかが問題なのだそうです。確かにね。
あー、マンガ描く人って、そういう風にものごとを見てるんだなあと感心しました。
が、私もオタクの端くれ。
オタクに人権がない平成初期からアニメージュを愛読し、数々のアニメを見てきた私です。
ついでに言えば、国語の教師として小説の構成や表現の効果についてあれこれ考えているわたしです(ついででいいのか?)。
この場面をどうマンガで表現するか、私が考えてみようじゃないの!
記事を読んでくださっているあなたなら、どう表現しますか?
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私が出した回答はこうです。
この試合の場面の前に、過去の練習中のシーンを入れておく。
筋トレメニューのカウントを間違えて終わりにしようとした澤さんに、本田さんが「ちょっと澤さーん、まだ終わりじゃないですよ😁」と、何かしらのポーズ(頭の上で✖️を作るとか、人差し指を高く掲げるとか)とともに澤さんをからかう。
澤さんは「あっ!マジか!」と笑って筋トレ再開。
試合の場面では、本田さんの「澤さんが何か言ってる…。でも聞こえない!」を描いたあとに、澤さんが例の「何かしらのポーズ」をしながら叫んでいる絵。
本田さんはそれを見て澤さんの「まだ終わってないよ!」を理解するとともに、これまで練習してきた道のりと、「あのときのこと、覚えていてくれたんだ」ということで澤さんとの絆を再確認する。
…どうでしょうか?
どこかで見たシーンのような気もしますが、試合のシーンの終盤としてはなかなか胸熱な演出になりそうじゃないですか?
過去の何気無いシーンが伏線だったと気づく瞬間って、読者にとってカタルシスですよね。
娘に説明してみたところ、
「お母さん…!さすが、オタクに年季が入ってるね。それ採用』とお褒めの言葉をいただきました。
ウフフ。もし将来、娘が「なでしこジャパンの軌跡」というマンガを描くことになったら、制作協力としてちょっといただこうと思います。
…まあ私が思いつくまでもなく、きっと娘は娘でいい演出を考えるだろうし、編集さんも豊富な知識を活かしてアドバイスをくださるのでしょうけど。
でも最近のアニメとかマンガって、戦いの最中に回想シーンや登場人物のバックボーンを描くのが結構ありますよね。
「鬼滅の刃」は特にそうだし、私が観ていた中では「弱虫ペダル」なんかもそう。
確かにそれも面白いんだけど、後出しで「実はこんなことあったんですよー」を多用するのは、伏線回収のカタルシスがなくてちょっとね…なんて思ってしまいます。
娘よ、オタクの母を満足させるマンガを描いて、そして売れてください!
(コレが今回のオチ)
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