とある営業の商談ストーリー
営業フリーランスの古瀬貴大(@salesdesign2018)です。
今回、営業アドベントカレンダーという、12月1日~25日まで、ツイッターの営業界隈の皆様で営業についてのコンテンツを作って配信しようという企画に参加させていただき、本コンテンツを考えました。
私は22番目の為、すでに皆様がものすごい体系化された内容をまとめてくださっていて、普通にまとめてしまうと被りまくる故、趣旨を変えました。
・簡単な自己紹介
営業歴経験10年
2009年スターティアラボ株式会社入社
2016年ラクスル株式会社入社
2019年営業フリーランスで独立
⇒営業が好き過ぎて、色々な企業の営業を手伝う仕事を始めました。
詳しい自己紹介はこちら
そのほか営業に関係する活動を幅広く行っております。
・営業のコミュニティ「セールスギルド」の代表
・営業100名大交流会の主催
・営業の大会「S1グランプリ」の企画運営
・このnoteについて
小説(ラノベ)風に営業の商談ストーリーを書き上げてみました。
営業(主人公)の行動や発言と心の声、商談相手の行動や心の声の描写、
そこに使われる営業ノウハウをご堪能下さい。各プロセスの解説やポイントも記載しております。
※本コンテンツの作成にあたっては、自身の経験や営業に関する書籍、今までお会いした営業パーソンや会社など、多くの影響を受けて作成しています。直近ですと株式会社セレブリックスの顧客開拓メソッドに記された考え方も一部引用させていただいております。株式会社セレブリックスのセールスエバンジェリストである今井さんのTwitterはこちら。
・このnoteを読んでいただきたい方
・営業経験が浅く、自信がない方
・営業スランプに陥っている方
・営業ではないが営業について知りたい方
・このnoteで学べる事
・セールスプロセスの理解
・具体的な顧客との対話方法
(特にヒアリングとクロージングの具体的トーク)
・このnote(小説)の設定
・営業が社長との商談を通して成長をする物語です。
・ある条件にて時間が巻き戻ってしまう「タイムリープ」という事象に巻き込まれてしまいます。
果たして彼はそのループから抜け出し、商談を進めることができるのでしょうか。
・はじまり
私は「正流守 潤(せいるす うるお)」。
新卒で入社したとあるIT企業で営業を3年している。
営業している商材はオンライン商談をするためのビデオ会議システム。
近年はオンラインでの商談が流行りつつあるのだ。
最先端の営業をしているという誇りがある。
わが社では、
顕在化したニーズがある場合は問い合わせが来て、
インサイドセールスが対応し、オンライン商談をしているが、
私はアウトバウンドと呼ばれるプッシュ営業の新規開拓部隊に所属する。
お客様自身が気付いていないニーズに対して営業をしている。
ITが苦手なお客様も多いため、原点回帰でテレアポをして訪問営業をしている。今日もテレアポでアポイントをいただいた社長様とのアポだ。
・セールスプロセス①事前準備
まず訪問前に訪問先の会社情報をWEBで調べ、仮説を立てることにした。
残念ながらHP公開情報以外は有力な情報を得られなかった。
【HPから】
会社情報
会社名:SalesBuyLab株式会社
資本金:1,000万円
従業員数:20人
代表取締役:中々 河津(なかなか かわず)
事業 :企業の購買管理システムの開発販売、倉庫業、運送業
沿革:
1990年 運送業として事業開始
2000年 貸倉庫業を開始
2005年 人材紹介、人材派遣業開始
2018年 購買管理システム「KAUKAU」をリリース
商品情報
・購買管理システム「KAUKAU」
商品や資材の購買管理、在庫管理などを行うことができるSaaS。
・特徴やメリット
「発注コストの削減」「購買実績管理ができる」「ミスや不正が防げる」「資材や在庫の見える化ができる」
顧客の競合
・10社ほど競合がいて、金額や機能面での差別化ポイントがほとんど見当たらない。
顧客のターゲット
・製造業
・卸業
・小売り業
仕入れが発生する企業全般がターゲットのようだ。
自社サービスの競合
現在オンライン商談は取り入れておらず、
お客様も古い体質の会社が多いらしいので、
オンライン商談システムとしては競合なし。
仮説
・沿革から、労働集約型のモデルからの脱却を目指しているのでは?
・各サービスのみだと差別化ができないので、組み合わせたソリューションで仕入れ業務の最適化を提案しようとしている?
・購買管理システムとしては後発なので、苦戦していそう
⇒営業面に大きな課題があるに違いない
・ストーリー①仮説 競合に勝てないという課題がありそう
課題:問い合わせが来ても差別化がないので競合に勝てない。そのための勝ち筋が見えない。
⇒追客商談にオンライン商談を導入することで、見込み顧客1社への商談回数を増やして「相談役のポジション」を手に入れ、営業方法で差別化する。
・ストーリー②仮説 営業が忙しすぎるという課題がありそう
課題:営業人員が少なく既存顧客へのフォローなどに追われているため、
新規問い合わせへの対応が遅い。また、訪問して説明した後の追客はしていない可能性もありそう。
⇒営業が忙しいので、初回訪問をすべてオンラインで30分にするというプロセスに切り替えて即対応することで、「顧客の商品選考にいち早く入る」ように営業プロセスを組み替える。
など、いくつか仮説を用意した。
【セールスプロセス①事前準備】
顧客の課題が想像できるようになることが重要。
いくつか顧客課題を想定して、解決できそうな案や仮説を複数考えることで、顧客の信頼を得たり、顧客が真の課題にたどり着くための質問がしやすくなる。
<事前準備の項目>
・企業情報(会社概要、業績、ビジョン、ご挨拶、沿革など)
・製品/商品概要
・訪問先のターゲット想定、競合調査
・提案ストーリー、仮説構築
・セールスプロセス②アプローチ(商談の導入部分)
準備を終えて、お客様(にしたい)先に訪問する時間になった。
会社に到着し、2分前に受付から社長を呼び出し、部屋に通される。
緊張し、立ちながら待つこと5分、・・・コンコン。
ドアをノックする音。
潤「(ついに社長が来たか!!)」
女性「お茶をどうぞ」
潤「ありがとうございます(なんだ、びっくりした)」
女性「お座りになってお待ちください」
潤「はい、ありがとうございます(座らず)」
待つことさらに5分経過・・・コンコン。
潤「(!!?いよいよか?)」
社長「遅くなりました」
潤「いいえ、本日はお忙しい中お時間いただきまして誠にありがとうございます」
お互いに名刺を出す。社長が先に口を開く。
社長「初めまして。SalesBuyLab株式会社の中々河津(なかなか かわず)と申します。」
潤「初めまして、OnlineSales株式会社の正流守 潤(せいるす うるお)と申します。」
その瞬間、潤の目の前が真っ暗になった!
潤「えっ!?」
~終わらない営業の始まり~
気付くと潤は一人で会議室で立っていた。
潤「(えっ、社長は?消えた・・・。)」
・・・コンコン。
社長「遅くなりました」
潤「!?(あれ?)」
社長「ん?いかがなさいましたか?」
混乱する潤。
潤「あ・・・、いいえ、失礼しました。本日はお忙しい中お時間いただきまして誠にありがとうございます」
またお互いに名刺を出す。
今度は先に自己紹介ができた。
潤「初めまして、OnlineSales株式会社の正流守 潤(せいるす うるお)と申します。本日はお忙しい中お時間いただきまして誠にありがとうございました。」
社長「初めまして。SalesBuyLab株式会社の中々 河津(なかなかかわず)と申します。ご足労きありがとうございます。おかけください」
潤「ありがとうございます。」すっと潤はすぐに座った。
その時、潤の目の前が再度真っ暗になった。
そして、気付くと潤は一人で会議室で立っていた。
潤「(えっ、また!?)」
潤「(落ち着け、どうなっている?」
潤「(どう考えても繰り返している。まさか・・・タイムリープってやつ?いったいどうして?)」
※タイムリープとは、何かしらの条件をきっかけに時間がさかのぼり、
同じ時間を繰り返す、漫画や小説ではよくある事象。
潤「(確か、タイムリープって、アニメや漫画だと、死んだり、何かの条件をきっかけに時間がさかのぼるんだよな。)」
潤「(何をしたかな、名刺交換をして・・・あっ、最初は名刺を先に出せなかったな~、あと二回目は座ったタイミングで・・・。
あ、社長より先に座ったような・・・・)」
潤「(・・・そうか、営業的によくない手順や行動をするとタイムリープしてしまっているんだ!)」
そうです。潤は突然、営業としての作法や手順などを間違えると、
時間が戻ってしまうというようになってしまったのです。
潤は社長が座ったのを確認し、後から席に着き、会話を続けるのでした。
潤「本日はお忙しい中ありがとうございました」
社長「いいえこちらこそご足労いただきまして」
潤「本日は、営業効率を圧倒的に上げるご提案をさせていただければと思ってお伺いさせていただきました。もし、中々社長が、すご~くいいな!と思っていただいた場合は是非ご導入頂ければと思います。」
社長「まぁ、すご~くよかったら!ですね」
潤「ありがとうございます。最初に私が何者かということで、簡単に弊社についてと商品についてザックリご説明させていただき、そのあとに御社についてのお話をお伺いし、ご提案できそうな部分があればご提案させていただくという流れでよろしいでしょうか?」
社長「はい」
潤「では、まず弊社についてですが~、続いて、商品についてですが~
ここまでで何かご質問ございますでしょうか?」
社長「はい、大丈夫です」
潤「では、お時間も限りがありますので、御社に合ったご提案をするために御社について少しお伺いしたいのですがよろしいでしょうか?」
社長「どうぞ」
潤「ありがとうございます。」
なんとか無事にアプローチを済ませ、
ヒアリングへ入っていくことができそうです。
セールスプロセス②アプローチ(商談の導入部分)
基本的には第一印象は見た目でほぼ決まります。(メラビアンの法則)**
そのため、見た目に気を配る。また、お客様が不快感を感じない行動を心がける。できるだけ誠実に、丁寧に、礼儀正しく。相手がどんな方かわからないので、多くの人から好感が得られる営業って何かを考えてアプローチしましょう。
<ポイント>
・服装の清潔感、姿勢、目を見て挨拶をする
・できるだけ立って待つ
・名刺交換はできるだけ自分から名乗り両手で
・お客様より先に座らない
<アプローチのプロセス>
・挨拶、名刺交換、お礼を伝える
・前提条件の提示(何しに来たか)
・惹きつけ(興味を持って話を聞いて頂く体制を作る)
・言質をとる(良ければ導入してほしい→YESを頂いておく)
・セールスプロセス③ヒアリング(課題特定)
いよいよ一番大事なヒアリング(課題特定)の部分まで進むことができた潤。果たして社長の真の課題にたどり着くことはできるのか・・・。
潤「HPを見てきたのですが、事業内容のところに、運送業、倉庫業、購買システムと書いてありましたがそれぞれ何をやっているのでしょうか?」
社長「運送業はトラックで物を運ぶ事業、倉庫業は倉庫を貸して物を預かっておく事業、購買管理は、物を買うときの記録や管理がしやすくなるシステムですよ。」
潤「なるほど、ちなみに、何人くらいで営業しているんですか?営業の調子はどうですか?」
社長「営業は10人です、調子?うーん、まぁまぁです」
潤「なるほど、では、今営業面で困っていることってなにかあります?」
社長「・・・」
潤「???」
その時、潤の目の前が再度真っ暗になった。
潤「(おっと、やってしまった・・・。ちゃんと事業理解するために広く聞きながら、深堀しつつ進めないといけないんだった。浅かったな・・・。)」
気を取り直して潤はやり直しました。
潤「HPを見てきたのですが、事業内容のところに、運送業、倉庫業、購買システムと書いてありましたが、今一番力を入れている事業はどちらになるのでしょうか?(まずは答えやすい限定質問で聞いていこう)」
社長「そうですね、今は購買システムに一番力を入れております。」
潤「なるほど、今後どうやって購買システムを伸ばそうと思っているのでしょうか?(少し深掘するか)」
社長「そうですね、代理店を使って広げようかなと思っています。」
潤「今まで代理店を使った営業戦略で広げてきたのでしょうか?」
社長「いや、そういうわけではないんですが」
潤「では今代理店を使って広げたほうが良い理由は何だとお考えでしょうか?」
社長「営業が今までのお客様のフォローなどで忙しいので、できるだけ効率よく営業活動しなければと思っていて、代理店しかないかなと思っています。」
潤「そういうことですね、でも代理店を使っての営業ノウハウはお持ちではないですよね?そしたら結構構築するのは大変なんじゃないでしょうか?どうやって行おうとか具体的なイメージございますか?」
社長「顧客層が一緒のソフトメーカーなどに声かけようかなと思っています」
潤「なるほど!それはいいかもしれませんね!ちなみに、代理店が自社の商品以外を売るとなると、どういうものだったら売ってくれると思いますか?」
社長「売りやすいものとか、手数料が高いものですかね?」
潤「そうです、ちなみに、売りやすいですか?手数料高いですか?」
社長「・・・確かに、購買システムはどこも入っているので入れ替え提案しないといけないので、簡単ではないですね、そして、手数料も15%渡せるかくらいですので高くもないですね・・・」
潤「そうですか、そうなると代理店ができても動いてくれないというのは想像つきそうですよね。となると自社で売るしかないのですが、自社の営業さんは既存顧客対応でお忙しいとおっしゃっておりましたが、新規も同時に動くのは難しいのでしょうか?」
社長「そうですね、以前新規開拓を命じたとき、既存顧客の対応で結局新規の問い合わせの対応が3日放置されたりしてしまい、結局他社に流れてしまったんです。」
潤「そうですか、確かに既存顧客は大事ですよね。でも、新規営業も同じく大事だという認識で間違いないですよね?どうにか並行してできる仕組みが必要ですね。」
社長「そうですね。」
潤「話は少し変わりますが(もうちょい広げよう)、既存の顧客の対応って具体的に何をしているのでしょうか?」
社長「お伺いして再注文を頂いたり、納品時に世間話をして関係性維持をしています。」
潤「なるほど。ちなみに、再注文時はどのような流れで注文いただくのですか?」
社長「書類に希望のサービス、例えば、運送サービスなら、どこに何を送るかを依頼書として頂き、見積もりをお持ちし、注文書を書いていただく感じです。それを営業が行き来して進めます。また、具体的に決まっていないことも多いので、配送方法の相談などに乗ったりするので、それが営業の価値になります。」
潤「理解しました。かなり労力と時間がかかりそうですね、これって、対面じゃないと絶対にできないことなのでしょうか?」
社長「うーん対面でしかやってなかったので何とも言えませんが・・・」
潤「見積もりや注文書だと今は多くの会社はデジタルで対応しているケースが多いので、それで済むかもしれませんね。また、相談は電話等でもできなくはないわけですよね?」
社長「確かにそういう風にしたら時間は確保できるかもしれない。」
潤「では既存の対応時間を効率化させて、時間が空いたとして、営業が直接新規営業をするとして、その際に何か弊害になりそうなことってありそうですか?」
社長「お客様からの紹介がもらえなくなりそう」
潤「直接会わせくなるからですか?今まで直接会って、紹介をもらうことが新規営業のきっかけだったんですか?」
というように、広げては深掘りを続けて、
最終的には、下記の課題にたどり着くことができました。
・既存顧客を含めた営業の生産性が課題。
・新規のアプローチ件数も増やしたい。
セールスプロセス③ヒアリング(課題特定)
顧客が気づいていない課題を発見し、真の課題を認識していただくこと。
<ポイント>
・相手の事業に興味や関心を持ち、好奇心を持って聞く
<アプローチのプロセス>
・広く(広げながら全体像をとらえる)
・深く(回答の理由や背景なども明らかにしていく。基本は5W2Hで聞く)
・絞る(課題のうち、自社で対応できるものにフォーカスを当てていく)
・合意(真の課題を確認し、解決したいをいう思いを合意していただく)
・セールスプロセス④提案
潤「中々社長、おさらいですが、解決したい課題は、
・既存顧客を含めた営業の生産性を改善したい
・新規のアプローチ件数も増やしたい
ということでよろしかったでしょうか?」
社長「そうですね」
潤「結論、弊社の商品で解決できます。」
社長「ほう」
潤「弊社はオンラインで商談できるシステムを有しております。
そちらを導入することで、既存顧客への工数を圧縮し、新規営業にも効率化した営業が可能になります。」
社長「具体的には?」
潤「まず既存顧客への相談を訪問ではなく、オンラン商談に切り替えましょう。週に1回、用事があってもなくても訪問していたと思うのですが、そこを可能な顧客からオンラインでの定期MTGに切り替えましょう。
そこで出来た時間を新規営業に回しましょう。新規営業は顧客の紹介とWEBから定期的に来る問い合わせとのことだったので、顧客紹介の1回目とWEB問い合わせの1回目の商談をすべてオンライン商談に切り替えることで、
初回の対応を早く対応することができます。
また、そこで見込みのジャッジもできます。見込みがあれば提案書を作って訪問するというステップを踏めば効率的になります。」
社長「なるほど!確かにそれはありかもしれない」
潤「実際に近い事例でOO工業では、同様の取り組みをして月に3件の新規受注が生まれております。また、OO社では既存顧客への訪問を全くしなくてもよくなり、残業が50%なくなりました」
社長「それはすごい」
セールスプロセス④提案
自社商品で課題が解決する具体的なイメージをしていただく
<ポイント>
・顧客の課題のうち、自社で解決できる課題に対して、メリットと根拠と 示す
<提案のプロセス>
・課題の確認と自社サービスを使うメリット
・理由の説明
・事例や具体例(イメージさせる内容)
・セールスプロセス⑤クロージング
潤「ちなみに、実際にやるやらないは置いておいて、御社内で仮にやってみたらとしたら、少しは成果出そうなイメージございますか?」
社長「うん、少しは出るかもしれないね」
潤「そうですよね、仮に、こういった取り組みをするとした場合、中々社長様的には、一年後から始めるのと、今から始めるのだったら、どっちのほうが後々の成果につながると思いますか?」
社長「今からだよね」
潤「ですよね、ありがとうございます。では、是非やってみましょう!」
社長「・・・」
潤「・・・(1分経過)」
社長「・・・」
潤「・・・(2分経過)」
社長「・・・」
潤「・・・(3分経過)」
社長「うーん、既存のお客様に訪問しないとかって失礼に当たらないかな?」
潤「そうですね、そう感じるお客様もいるかもしれませんね、でしたら、問題ない会社から取り組みを進めればよいと思います。実際に、OO工業も同じように進めて最終的にはお客様も毎週来なくていいと言ってくれたんですよ。だから問題ないと思います。実際に社長も営業が毎週来たら対応大変じゃないですか?」
社長「まぁ、そうだよね。あとは紹介とか新規の営業で初回からオンラインってちょっと微妙なんじゃない?」
潤「どうしてそう思うんですか?」
社長「せっかく問い合わせがきたり、紹介いただいたのに、行かないってのがなんかひっかかるな」
潤「紹介や問い合わせの初回訪問時にお客様が知りたいことは、どんなサービスかってことが多くないですか?その説明や、そこから発展したヒアリングならオンラインでできそうじゃないですか?お客様も聞きたいことだけ聞ければ問題ないはずだと思いますよ?そして具体的に検討したければ訪問という形のほうがお互い効率的だと思います」
社長「確かにそうだね」
潤「ではチャレンジしてみましょう!」
社長「・・・そうだね、前向きに考えてみるよ」
潤「ありがとうございます。ちなみに、大変恐縮なのですが、中々社長、
こういうのって決めるのは社長ですよね?どうして今お決めにならないのですか?」
社長「・・・営業に聞いてみなきゃ、やるのは営業だし」
潤「中々社長、大変恐縮ですが、営業は今までこういう新しいことを自分たちで決めたりしてきましたか?先ほどのお話の流れでは、そういうケースはあまりないんじゃないでしょうか?今回の営業の課題を解決するためには、新しい施策が必要です。そして営業は新しいことを嫌ってずっと来て、現状があると思うのですが、きっと聞いたら嫌だといいますよね?ここはひとつ、社長のリーダーシップで導入を決定し、一緒に進めませんでしょうか?」
社長「・・・」
潤「・・・(1分経過)」
社長「・・・そうだね、やるよ。ちゃんとフォローしてくださいね!」
潤「ありがとうございます。では、こちらの書類に・・・」
社長「え、今?」
潤「はい、今でお願いします。後日ですと、再度お時間いただくことになってしまうので、こちらの書類に今お願いします」とペンを渡す。
良かったですね、無事にタイムリープから抜け出し、
契約まで進めることができたみたいです。
セールスプロセス⑤クロージング
意思決定していただくために背中を押す。
ネックや不安を解消する。
<ポイント>
・白黒つける
・決裁者の場合は、今判断できない理由を確認する
<クロージングのプロセス>
・導入する体での質問、仮設定をいくつも聞いて導入後を想像して頂く。
・ストレートにやりましょうと伝える。
・沈黙のクロージング(結論を迫った後は黙り、検討を邪魔しない)
・ネックや不満の確認と解消
・まとめ
【セールスプロセス①事前準備】
顧客の課題が想像できるようになることが重要。
顧客が真の課題にたどり着くための質問がしやすくなる。
<事前準備の項目>
・企業情報(会社概要、業績、ビジョン、沿革など)
・製品/商品概要
・訪問先のターゲット想定、競合調査
・提案ストーリー、仮説構築
セールスプロセス②アプローチ(商談の導入部分)
ヒアリングするための体制を作る。惹きつける。
<アプローチのプロセス>
・挨拶、名刺交換、お礼を伝える
・前提条件の提示(何しに来たか)
・惹きつけ(興味を持って話を聞いて頂く体制を作る)
・言質をとる(良ければ導入してほしい→YESを頂いておく)
セールスプロセス③ヒアリング(課題特定)
顧客が気づいていない課題を発見し、真の課題を認識していただくこと。
<ポイント>
・相手の事業に興味や関心を持ち、好奇心を持って聞く
<アプローチのプロセス>
・広く(広げながら全体像をとらえる)
・深く(回答の理由や背景なども明らかにしていく。基本は5W2Hで聞く)
・絞る(課題のうち、自社で対応できるものにフォーカスを当てていく)
・合意(真の課題を確認し、解決したいをいう思いを合意していただく)
セールスプロセス④提案
自社商品で課題が解決する具体的なイメージをしていただく
<ポイント>
・顧客の課題のうち、自社で解決できる課題に対して、メリットと根拠と 示す
<提案のプロセス>
・課題の確認と自社サービスを使うメリット
・理由の説明
・事例や具体例(イメージさせる内容)
セールスプロセス⑤クロージング
意思決定していただくために背中を押す。
ネックや不安を解消する。
<ポイント>
・白黒つける
・決裁者の場合は、今判断できない理由を確認する
<クロージングのプロセス>
・導入する体での質問、仮設定をいくつも聞いて導入後を想像して頂く。
・ストレートにやりましょうと伝える。
・沈黙のクロージング(結論を迫った後は黙り、検討を邪魔しない)
・ネックや不満の確認と解消
主人公は前半部分を疎かにしがちでしたね。
いかがでしたでしょうか。
皆様、思い当たる節はありませんでしたか?
また皆様でしたら、どのように進めますか?
商談は毎回違うストーリーで展開します。
ストーリーの分岐は営業次第。
お客様の真の課題に導き、
課題を解決できるのは営業だけです。
お客様のためにも、自社のためにも、
互いに良い結末の商談ストーリーにしたいですね。
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古瀬貴大@BtoB営業フリーランス×コミュニティ@salesdesign2018
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■5月30日、S1グランプリOnline開催決定!500名以上の申込達成!
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