競合よりあなたを選んでもらう。差別化戦略USPとは?
USPは、1960年代にテレビ広告のパイオニアとして知られるロッサー・リーブスによって提唱された理論です。
現代の事業家たちにこの概念を広めたのは、マーケティングの巨匠ジェイ・エイブラハムだと言われています。リーブスは著書の中で、USPの3つの定義について言及しており、これらの要素が揃ったものを「独自な売りの提案」、つまりUSPと呼んでいます。
競争が激しい現代のビジネス環境において、独自性の重要性は日々高まっています。市場で優位に立つためには、競合を上回るユニークで特徴的な強みやメリットを顧客に提供する必要があります。
例えば、「種類の多さ」をUSPとして打ち出そうと決めても、競合がより多くの種類を提供していれば、そのUSPは効果を失います。そのため、常に顧客目線に立ち、自社の商品が他社と比較されているという事実を認識することが重要です。
USPを決定する際には、自社の強みを理解するだけでなく、競合他社の特徴やメリットも十分に分析する必要があります。これにより、市場での自社の位置づけを明確にし、より効果的なUSPを構築することができます。
USPとスローガンの違い
USPとスローガンは異なるものです。USPは「独自の売りの提案」であり、具体的な利益や価値を顧客に提示するものです。一方、スローガンやタグラインは、ブランドイメージを強化するための短い文句です。
例えば、Nikeの「JUST DO IT」やAppleの「Think Different」は有名なスローガンですが、これらはUSPではありません。USPは、商品を購入することで顧客が得られる具体的なベネフィットに焦点を当てる必要があります。
USPの種類はこの中から選べ
USPには様々な形態があります。
「最高の品揃え」
「最多の選択肢」
「低価格」
「低いマージン」
「最高品質」
「独占性」
「優れたサービス」
「充実したサポート」
重要なのは、自社の強みと市場のニーズに合致したUSPを選択することです。
USPがないとどうなる?
現代のデジタル環境において、USPの重要性はさらに高まっています。インターネット上では無数の競合が存在し、顧客は簡単に商品やサービスを比較できます。
また、Microsoft社の研究によると、インターネットユーザーの注意力は約8秒間しか持続しないと言われています。そのため、短時間で顧客の心をつかむ魅力的なUSPを打ち出して目立たせる必要があります。
さらに、USPがない商品やサービスは、価格競争に陥りやすいという問題があります。特に中小企業にとって、この種の競争は非常に厳しいものになります。したがって、価格以外の価値を提供するUSPを確立することが、持続可能なビジネスモデルの構築に繋がります。
成功するUSPの3つの重要ポイント
成功するUSPには3つの重要なポイントがあります。
まず、「市場のスキマを埋める」ことです。
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