小資本でも始められるデジタルマーケティング企業の強さ~代理店ビジネスって美味しいのでは…
おはようございます。プロコンです。
今回は、デジタルマーケティング&広告代理店である「Flying V Group」についての紹介です。代理店事業などBtoB事業はスモールビジネスの中でも「難しそう…スキルが無い…」と思う方が多い業種だと思います。しかし、誤解を恐れずに言うと「代理店事業にスキルなんて必要ない」というのが実態です。
冷静に考えてもらえば分かりますが、代理店事業は良くも悪くも「働いてる感を出す」事業です。シビアな経営者であれば成果が見えなければ契約を打ち切るでしょうが、そこそこ儲かっている企業で一生懸命働いている風な担当者の方が居れば満足するのが現実です。中小企業向けコンサルティング企業である某F総研などはまさにそれで稼いでいるという話を耳にします。
とはいえ、長期的な成功を目指すならばクライアント様の成功確率を高めることが最も近道であることには変わません。今回はそんなデジタルマーケティング&広告代理のスモールビジネスからBtoB事業の成功事例を学んでいきましょう。
デジタルマーケティング&広告代理事業を行うFlying V Group
創業者はRobb Fahrion(以後ロブ)とTyler Fahrion(以後タイラー)。Flying V Groupは世界中のクライアントにデジタルマーケティングと広告代理事業を展開している企業です。
検索エンジン最適化(SEO)とコンテンツマーケティングを中心としたものが主力サービス。クライアントに対し一気通貫でデジタルマーケティングと広告のソリューションを提供しています。
現在、Flying V Groupは12名の従業員を擁し、300社以上のクライアントと取引し、国際的に事業を展開しており、2年連続で収益を倍増させるペースで成長しています。創業時には、弟(タイラー)と私(ロブ)が会社員を辞めて、プロジェクトを始めるために5,000ドルずつを出資して始まった企業です。現在の年商は300万ドル。
事業アイデアを思い付いたきっかけ
Flying V Groupの創業時、ビジネスプランや一般的な計画といったおよそ普通の企業が持ち合わせているものがありませんでした。ある偶然によって市場に存在するニッチを見つけ出し、幸運にもそれを提供できることによって設立された企業なのです。
当時、ロブはマーケティングの経験を活かして金融コンサルタントとして働いており、タイラーはデロイトで監査役をしていました。特にどの業態で起業するかを決めてはいなかったものの、ビジネスチャンスを探していました。
ある日、法律事務所を経営しているロブのメンターに当たる人物から電話がかかってきました。ウェブサイトがハッキングされてしまい、困っているからどうにか出来ないかと。メンターにとって「Webに詳しそうな人」はロブしかいなかったのです。
Webサイトを復旧し、同時に起こっていた諸々の問題を解決したロブは「請求書を送ってほしい」と言われました。当時、何を請求したらよいかも分からなかったロブは、適当な値段をつけて請求しました。メンターから、なんの質問もなく支払いがあったときこそがロブが起業アイデアを思いつくきっかけになった瞬間です。
その時のことをロブはこう語っています。
起業において重要なのはきっかけに気づけるかどうか
当時、ロブとタイラーは起業することになるデジタルマーケティングと広告代理事業とは全く異なる仕事をしていました。ロブは金融コンサルタント、タイラーは監査法人でサラリーマンなので、「デジタルマーケティングの知識があります!」という人材ではないことは明白ですよね。
そんなロブが起業するに至ったのは本当に偶然の出来事です。メンターの法律事務所のWebサイトがハッキングされて助けて欲しいと。ロブはセキュリティの専門家でもなんでもありません。ここで、面倒くさいからと言って別の専門家を調べて紹介していた場合、年商300万ドルのFlying V Groupは存在していないでしょう。
起業できたのは、ロブがメンターが困っていることを解決し、「他にも困っている人が存在しそうだな」と気づいたからです。多くの人はこれを運が良かったと言いますが、違います。常日頃から起業のアイデアを探していたからこそ「誰かの課題=起業アイデア」ということに気付けたのです。
そして、気付いたアイデアを放置しておかず、すぐに行動したからこそ起業に至ったのです。あなたの周りにもそこら中に起業アイデアというのは転がっていますし、行動さえすればそこそこ優秀なスモールビジネスはいくらでも作れます。
起業したいと嘆いている人の多くは
突拍子もない起業アイデアを考えたがる
アイデアに気付く心構えができていない
アイデアから行動に移さない言い訳が上手い
という問題を抱えています。こればっかりは何を読んでも改善できないでしょう。
あなたがスモールビジネスで成功したいのならば「既に成功しているスモールビジネスをネタにして」、「行動できる(させられる)環境を作る」、この2点にだけ気を付ければいいのです。
クライアントはプロフェショナルサービス業界
創業時のきっかけもあり、「困っていることに気付いていない」グループとして挙げられるのがプロフェショナルサービス業界のようです。法律事務所、金融サービス会社、会計事務所などのデジタルに慣れていない業界に対してサポートを提供することで報酬を得ています。
法律事務所と言えば、アトム法律事務所などWebマーケティングが強い企業などがありますね。それでも考えてみると法律事務所や会計事務所、税理士事務所の数と比較してデジタルマーケティングに特化した事務所は圧倒的に少ない印象ですね。
法律事務所や税理士事務所などのプロフェショナルサービス業界は、法人や個人事業主をお客様とすることが多いです。そのため、プロフェショナルサービス業界とコネクションを持つことでBtoB事業を展開するときにより優位性を確保することもできます。
事業を設計するうえで意識したこと
BtoB企業の事業設計は「利益を伸ばす(売上, コスト)、労働を減らす」という鉄板の目的設定があります。Flying V Groupも例にもれず、クライアントの利益を伸ばすことを目的に設計されました。
クライアントの知識や経験を活かしリードジェネレーションを行う
ロブは自社の事をリードジェネレーション(見込み客獲得)の会社だと考えています。クライアントのビジネスに新たな興味を持ってもらうことで、より多くのリードを生み出し、さらに収益を上げることができると考えたのです。
プロフェショナルサービス業界は専門知識が必要で複雑な業界なので、クライアントの専門知識や経験を活用することで見込み客を獲得できると考えました。そのため、SEO対策やコンテンツライティング(ブログ、ホワイトペーパー、リードマグネットなど)に重点を置くように設計を行いました。
クライアントをネット上の業界エキスパートにすることで、露出不足を他のサービスで補うことができると考えたからです。そこでFlying V Groupは、コンテンツや情報を使って、クライアントが最高の仕事をしていることを発信します。そして、そのコンテンツを適切な層に向けて宣伝するために、有料広告(リスティングやFB広告)を利用しています。
キャッシュポイントは早い方がいいし、出るのは遅い方がいい
目的は「収益を伸ばす」ことですがFlying V Groupのキャッシュポイントはそれより手前に発生しています。SEO対策やコンテンツ作成、広告出稿と分析など、一般的なデジタルマーケティング企業が行うサービスを提供しその対価として報酬を得ています。
本来は成果報酬制度を組み込んだ方がFlying V Groupと顧客のインセンティブが一致するので好ましいのですが、BtoB事業においては成果よりも労働自体(SEO対策、コンテンツ作成など)に料金が発生するのが当然です。もしあなたがBtoB事業でスモールビジネス起業をするなら成果報酬型100%にすると即失敗すると思うので、相場平均よりも安めの固定報酬+成果報酬型のようにすることをお勧めします。
事業において、キャッシュインのタイミングは早ければ早いほどいいです。そして、支払いは遅ければ遅いほどいいです。これはどんな事業においても重要な考え方なので絶対に覚えておいてください。
成果報酬型の体系というのはキャッシュインのタイミングが遅くなるという点では悪い施策です。その分のリスクを報酬額の増額などでバランスをとる必要があり、起業初心者には非常に難しい報酬体系です。
天下のAmazonもAppleもあり得ないほどキャッシュフローサイクルが良いのです。「金をもらって支払いはめちゃくちゃ遅い」という殿様の商売ができるからこそ事業投資に使える資金がふんだんにあり、成長していけるのです。
もしあなたが、十分な知識を持たずに起業をする場合は安易に成果報酬型の事業体系は選択しないように忠告しておきます。最低限、成果報酬型のデメリットを考えまくって、それを上回るメリットがあると論理的に説明できるまではやめたほうがいいです。
自社のリソースを増やすか、労働コストを減らすかを常に意識すること
Flying V Groupはデジタルマーケティングに必要なツールや人的資源を持たないが、複雑な事業を行っている顧客をターゲットにしています。マーケティング部門としての役割を果たし、デジタルの観点からすべてを処理するように設計されています。これにより、クライアントは自分の得意分野に集中し、Flying V Groupはデジタルマーケティングに対応することができます。
Flying V Groupのように、専門部署が無いクライアントを対象とするのは良いのですがあなたが起業する場合は自社のリソースが足りるか?という観点も忘れないようにしてください。
仮にあなたの一人企業だと、複数顧客のマーケティング部門を完全委託されると事業拡大のための時間をとることができません。やっていることは高めの給料での労働に過ぎないのです。
マーケティング部門が無い企業に入って完全に巻き取ることで1クライアント辺りの単価は高くなりますが、事業の成長が止まる危険性があります。それよりも、マーケティング担当者を一人付けてもらい労働コストを減らす、自社のリソースを増やすといった事業拡大に必要な行動を意識しながら経営するのがBtoB事業では必須です。
代理店事業の立ち上げのプロセスについて
事業立ち上げプロセスについてロブが語っている内容が素晴らしかったので、紹介します。
アイデア探しや計画に何年もかけて計画倒れする起業家が多い中、成功する起業家はすぐに行動します。顧客を決めて、顧客からどう見られたいか?を考えた後は粛々と行動に移せばいいのです。
コンテンツマーケティングの結果が出るまで3年間
サイトを作ったロブでしたが、確たる実績もなく営業には苦労しました。そのため、アウトバウンドの営業ではなくコンテンツマーケティングなどによるインバウンドの施策を重視しました。
それでも、コンテンツマーケティングへの投資が功を奏してオーガニック検索からの流入が増えるまで3年間かかりました。創業初期はロブとタイラーの二人がそれぞれ出した5,000ドルでやりくりしていたため広告の出稿はしなかったのです。
起業初期に実績が無い問題は頻発する
ランディングページを作りたいけど、お客様の声がない。つまり実績が無い場合どのようにお客さんを惹きつければよいか?という相談を幾度となく受けてきました。
実績が無い(口コミがない)問題はどの事業においても超絶あるあるな悩みなんです。
是非あなたも、起業前の事業オーナーになったつもりで“実績が無い状態で起業したいがどうすればよいか?“について考えてください。
服を買いに行く服がない。みたいな悩みに近い気もしますが、それとは少し異なります。実績が無い状態だと営業ができない。これはおかしな話です。「クライアントの悩みを解決できる」という自信があれば胸を張って実績がなくても営業はできます。
売りたいという気持ちがあるのならば以前紹介した「キャンドルビジネス」の創業者の手法も「AmazonFBAセラー向け代理店」の手法も実行できるはずです。
あなたが起業するにあたって、ほぼ確実に通過するであろう道です。自分事として考えることで事業オーナーへの道は開けます。
知りたい方が多ければ、「実績が無い初期のセールス」について教材を作りたいと思います。興味がある方はスキやTwitterでのシェア時など、どんな形でもいいのでお伝えいただければと思います。
ここから有料
ここからは、マガジンの購読者限定になっていきますが、有料部分では
Flying V Groupで効果的だった集客施策
2019年と2020年のトラフィック比較
集客において意識すべきこと
デジタルマーケティング事業の将来の展望
代理店ビジネスのメリット
代理店ビジネスのデメリット
代理店ビジネスのデメリットを避けて経営する方法
事業を始めてから学んだ重要なこと、アド(優位性)になること
事業に利用しているプラットフォームやツール
影響を受けた情報リソース
これから起業する人に伝えたいこと
について話していこうと思います。世の中に代理店事業が数多く存在している理由について話した章は絶対に読んでもらいたいです。特に、代理店事業が抱えるデメリットを避けて経営するための具体的な方法はあなたが起業するときに確実に役に立ちます。
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