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資産を築くためのニッチ戦略~動画制作のスキマを攻めたアニメーション制作会社の事例

「これからは動画の時代だ!動画編集者になろう!」

5Gと呼ばれる新しい通信規格はバズワードとなり、低遅延・大容量・多数同時接続で通信ができるようになる時代が来る。その時、消費者によりリッチな体験を与えることができる”動画”の需要はますます増加していくのでしょう。

実際、TikTokから始まったショート動画の波はすさまじく、他のSNSにまで大きな影響を及ぼした。YoutubeにはShortsが、Instagramにはリールが登場し確かに動画の需要は更に増えていきそうな気配がプンプンしている。

2021年の小学生がなりたい職業ランキングの上位にはYoutuberがランクインするなど、理論上だけでなく実生活を考えてみても”動画”の需要を押し下げることはイーロン・マスクにすらできないでしょう。

小学生がなりたい職業ランキング2021年総合


「これからは動画の時代だ!動画編集者になろう!」

確かにこれからも動画の時代は続くだろうし、編集者の需要がそれに比例して増えていくのも間違いない。でも、本当に何十万円(下手したら百万円以上)も課金して動画編集者としてのスキルを身に付けるのが資産を築くために必要なのでしょうか?

今回の記事はアニメーションの説明ビデオ制作に特化したデジタルスタジオBreadnbeyondの事例をもとに「資産を築くためのニッチ戦略」について解説していこうと思います。

どんなスキルを所持しようが集客できないと詰む

動画編集スキルが抜群であろうが案件をとってきてくれる営業を探すか、インバウンドで問い合わせがくる仕組を作っていないと詰みます。

会社は集客ができないスキル所持者を雇って得た利益の大半をポッケナイナイしています。

刃牙より

でもこれに憤りを感じるのはお門違い。動画編集のようなスキル保持者は集客ができず、営業はスキルがなくデリバリーができない。だからこそ「会社が報酬(給料)を払って」両者をマッチングしてあげているのです。

会社のやり方が嫌なら、「あなたが報酬を払って」営業を探してくるか、自分で集客できる仕組みを作ればいいんです。これを実行したのが俗に言うフリーランスですね。

「スモールビジネスの教科書」では、これまでにも多くのフリーランスの独立に役立つケーススタディを紹介してきました(以下一部抜粋)。

上で挙げた中に、いつまでも雇われフリーランスのままやっている事例は一つもありません。

雇われフリーランス:
独立したものの集客を他者に依存し、実質会社による雇用保証がなくなった分のプレミアムで額面が増えただけのフリーランスのこと。

それは、大なり小なり創業者が「集客」をしていたからにほかなりません。

現実という神ゲーの攻略のコツ

そしてここからが現実という神ゲー攻略のコツです。

「集客」に楽して必ずうまく行く最強の手法はありません。そのため、独立前からただひたすらに「手札(事例)」を収集しておく。独立時に自分の状況ならどの手札が切れるか?切るべきか?を考えてプレイングしていけばくいっぱぐれる可能性は限りなくゼロに近づきます。

手札を抽象化(汎化)し、転用先をパパっと思いつくことができれば上級者です。何をやらしてもうまく行く可能性が高いです。

アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない

ジェームス・W・ヤング「アイデアのつくり方」

この言葉の通り、たとえ上級者であっても手札がゼロなら厳しい戦いになることは否めません。逆に言うと手札が多ければ多いほど組み合わせ数が増えていきプレイングの自由度は増していきます。

今回のケーススタディだけでなく「スモールビジネスの教科書」をあなたの手札を増やすための攻略本としてお使いください。

アニメーションの説明動画制作に特化したデジタルスタジオ「Breadnbeyond」

こんな感じの動画で会社説明だったり、サービス内容だったりを説明する短い動画を作っているのが「Breadnbeyond」です。インドネシアに拠点を置きながらクライアントのほぼ100%はアメリカの企業です。

年商は200万 USD(約2億4千万円)とそれほど大きいようには感じませんが、インドネシアの一人当たりGDPは2020年時点で3,869 USD、日本の約十分の一です(日本は約4万 USD)。

インドネシアという国で考えると成功しているスモールビジネスと言って差し支えないでしょう(ないよね?)。

創業者はグラフィックデザイン領域でフリーランスとして独立し、当初はロゴ、ブランディング、バナー、ポスターなど、ブランドのアイデンティティを確立のために必要なデザインが主な受託内容でした。

ある日、クライアントから採用のための企業説明動画を作ってほしいと言われたところから現在のアニメーション動画制作がスタートしました。

正直、デジタルスタジオ(制作会社)は無数にあるし競争は激しい。

現在は説明アニメーションを専門として手掛けるBreadnbeyondですが、独立当初のグラフィックデザイン領域だけをやっていた場合、年商200万USD規模には成長していなかったと思います。

というのも、ロゴやバナー制作などの業務を遂行するためのスキルホルダーは市場に十分供給されています。つまり、よほど個人の名前が売れて「○○さんに頼みたい」という指名検索が生じない限り買いたたかれる運命ということです。

現に、ランサーズ・クラウドワークス・ココナラでクラウドワーカーを調べてみると数千円からロゴの制作を請け負ってくれるフリーランスが沢山います。

競合が無数に存在しており、スキルに付く価格が安くなっている市場で頑張っても高利益を目指すことは極めて困難です。

「なんでもできます」と言ったとたん仕事はなくなると思いましょう

たとえば会社勤めが嫌すぎたり、向いてないと感じて衝動的に退職してしまったがゆえに貯金がない…という場合は「なんでもやって」食っていこうとする気持ちは分かります。

しかし、「何でもできます」という人に依頼したい発注者は居ません

あなたが所持しているスキルでできる仕事の中でなるべく単価が高いものをリサーチし、「○○に特化してます。」と言い切りましょう。

説明の中で他の業務もできることを書いていれば依頼されることは十二分にあります。世の中リテラシーが高い人だけじゃないので「デザイナーは、どんなデザイン系の事もできる」くらいに思っている発注者は多いです。

ニッチであればあるほど○○特化を名乗ることで深く刺さるようになります。

それを実際に行ったのがBreadnbeyondです。当初はよくあるグラフィックデザインのフリーランスでしたが、「採用のための企業説明アニメーション制作」の案件を受けてからは徐々にそちらにシフトしていき、ポートフォリオが充実したタイミングで説明アニメーション専門の制作会社になりました。

以前、ニッチ戦略の教科書で説明した「ニッチ戦略が満たすべき3条件」をきっちり満たしています。

Breadnbeyondから学ぶピボットまでの道のり

Breadnbeyondのピボットまでの道のり

  1. 友人から最初の案件を受ける

  2. 口コミ・評価・実績を貯める

  3. 人を雇って、時間を増やす

  4. 新しいジャンルの案件を受ける

  5. ポートフォリオが充実したところで完全特化型に

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