食べるスープ Vellutata di fagioli うずら豆のヴェッルタータ
vellutata di fagioli ヴェッルタータ ディ ファジョーリ
スープが好きじゃない女の子っているんだろうか、と言うくらい、東京でもローマでも女友達は美味しいスープでかなり盛り上がる。ところが男の人だと、スープ好き東京男子は結構いるのに、ローマでは実はあんまりウケた事がない。刻んだ野菜がたくさん入ったミネストローネや、セモリナ小麦粉を溶いたスープにパスタを浮かべたのなんかはOKなのに、ポタージュ系は全然だめ。
一年中なんでもありの東京に比べて、食に関して彼らはとても保守的なのかもしれない。自分たちの地方の食べ慣れたものが一番好きで、好奇心はものすごく旺盛だけれども、結局いつもの習慣がいちばん心地良くて、そこから逸脱するのは苦痛なのだ。
でも、女の子の方がいくらか大胆というか、好き嫌いで身軽に習慣を変えられたりするので、今までの生活になかった食べ物でも、いいじゃない、美味しいんだもん、となるのだと思う。そうやって女ばかりで集まっては、まったく男って融通が利かないし、とか、終わりの無いおしゃべりに花が咲く。その手の女子会に私を引っ張り込んだくせに、でもね、とパオラが言った。
ほんとに男って、私たちにとって大切な事が彼らにとってはちっともそうじゃないし、弱いくせにプライドばかり高くてめんどくさい。なのに、私たちが考えつかない繊細なやり方で私たちを魅了して、想像もしなかった幸せな気持ちにさせてくれる不思議な生き物よ。だから彼らを愛おしく思ってあげないとね。
私が勝手に料理の師匠と仰ぐパオラは、時に私の人生の師匠でもある。
vellutata di fagioli
材料 2人分
うずら豆の水煮缶 2缶
( fagioli borlottiという表記で売っています。赤みを帯びた品種です。)
玉ねぎ 1 / 4
人参 1 / 4
セロリ 15cmくらい
唐辛子 小さめのもの 1 / 2
濃縮トマトペースト 大さじ 1
裏ごしトマト 1カップ
水
ローズマリー 1枝
ローリエ 2枚
エクストラバージンオリーブオイル、塩コショウ適量
うずら豆は缶から出して水ですすぎ、よく水気を切っておく。
玉ねぎ、人参、セロリ、唐辛子をみじん切りにする。
鍋にオリーブオイルを入れて、刻んだ野菜とローリエを加え、しんなりして良い香りがするまで弱火で炒める。
うずら豆を加え、材料がたっぷり被さるくらいに水を加える。
濃縮トマトペースト、裏ごしトマトを加え、軽く塩コショウする。
ローズマリーを加えて、弱火で20 ~ 30分煮込む。
水分が足りなそうなら途中で水を加える。
ローズマリーを取り出したら、 1 / 3くらいの量のうずら豆を取り出しておき、残りを全部ハンドミキサーで滑らかなペースト状にする。
取り分けて置いた豆を鍋に戻して、ひと煮立ちさせる。
味を見て足りなければ塩コショウで味を整える。
皿に盛り付けて、食べる直前にオリーブオイルをかける。お好みで擦り下ろしたチーズや胡椒を加えても。