雨の日は深くなる
金曜日の午後、事務所内は少ない人数で仕事をしていました。
上長・私・事務の方の3人。
それぞれPCに向かってカチカチ作業。
この組織の目標、ってなんだろう。
突然、上長が問いかけてきました。
人数も少ないし、ちょっと哲学的に考えたくてさぁ。
とのこと。
センターのパンフレットには「学生一人一人の人生を」とか書かれていますが、確かにきれいな言葉で言えばそうなんですけどね。
よく言う「数字」の話。内定率をみたときに毎年高い水準で推移しています。そこを保つという事なのか?
う~ん‥‥
この組織の大元からはもちろん求められているとは思います。
大学全入時代なので、少しでもそういう数が示されていれば
アピールにもなりますしね。
それは「運営側」の話。
じゃぁ学生からは何を求められているんだろうねぇ
とまたまた大きな問いがドーン。
う~ん…
またまた考え込みます。
どうやら上長は現在この組織でやっていること
例えば合同企業説明会、や就職関係のイベント
これって今の学生が求めていることなのかなぁ?と
役に立っていないのでは?と疑問に感じたそうです。
年々参加する学生は減っていき、なんなら学生さんが来ないんですけど!と企業さんからも言われることはありますし。
これは…数十年とやってきたことだし、今のように情報をとるのがなかなか難しい時代のものがそのまま来ちゃっている。という現実もあるのではないか?
え?じゃあなんでやるの?やる意味ないことやっているの?
意味のないことをやっているような無力感があったそうです。
本当は求められる組織にしたい、どうにかしたいけど
変えるためには様々な箇所やもっと上に掛け合わなければならない
また「現行で変えたくない」勢力がまぁまぁ強いわけで…。
なんだか根っこが深いものがちらりと見えた気がします。
利用する人数が少ないという事は問題視されますが
「ある意味、自分たちでできるから利用しないのではないか」
→それは「学生が自分で一人ひとりの人生を」考えられるようになったからだとしたらそれはむしろいいことなのでは?という見方もできます。
「最終的には、こういう組織がなくなってもいいのかも」なんて
大人数ではなかなかできない話に至ってしまいました。
確かに「役に立つこと」は大事なのですが、役立って
その人が自走できたら万々歳なわけです。
ここでそんな人が一人でも増えて、定着していけば
「私の属する組織」は必要なくなるわけで。
私個人の考えでは「確かに最終的にはなくなったほうがいい」と思います。
ただ残すこと、が目的ではなくパンフレットの「一人一人が自分の人生を」
が大事ですもの。みんなができるのならば、お役御免万歳です。
本当は俺がこんなこと言っちゃダメなんだけど。と上長がこそこそ
組織の存続が大事ではないと話していました。
ああ、「役立つとは」の深みにはまっていますねぇなんて
心の中でにやにやしてしまいました。
組織人としては、ちょっとはばかられるような話ですが
突き詰めて考えていくと、やはり深みにはまっていきます。
静かに、「役立つ」の深みにとられながら
この組織では目の前のことを粛々とやっている方たちもいることに嬉しくなる、そんな午後でした。
週明け、みっちり学生の「役立つ」を追求することがあるので
深みにはまりながら準備をしていきます。資料チェックしなきゃー
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