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モロッコ人旦那が自然とやっていた「なるようになる」で未来を創る考え方
「القضاء والقدر في الاسلام」
つい先日、モロッコ人の旦那が教えてくれた言葉。
直訳すれば「イスラム教における運命と宿命」といったところなのだけど、ようするに、What happens happens=「なるようになる」「なるようにしかならない」というベースの考えなのだそう。
モロッコ出身の旦那と会ったのはもう7年前ほど、結婚してもうすぐ3年が経ちます。旦那に限らずこれまでモロッコの人たちとの交流の中で、自分の固定観念が崩れていった体験はたくさんしてきました。
けど、その中でも私が1番カルチャーショックだったことは、たとえば身内に不幸があったり、誰かに大きく傷つけられたりした時に、なんとも冷静にいられることでした。
もちろん、人間なので感情がないわけでない。それこそ旦那の大切な従兄弟が突然亡くなってしまった時、彼は鼻水を垂れ流しながら家族と電話し、大泣きしていたのを覚えています。普段から泣くことなんてない旦那の大泣きする姿を見たのは、過去から今でも1度しかありません。
でも不思議だったのはその後の旦那の様子なんです。
その日の夕食の時間。
「従兄弟は兄弟も同然なんだ。取り乱してちゃんと説明もせずにごめんね」と、とても彼は冷静ではありませんか。(私は少し拍子抜け。)
もちろん悲しみが無くなったわけではないに違いない。でも、それからは、いっさい泣くこともなくいつもの日常と変わらない様子で過ごしていたのです。
実はつい先日も、彼の兄弟がアクシデントにあったと聞きました。あまり詳しくは説明しませんが、もし自分が同じ立場だったら、おそらく怒りとやるせない思いで、きっと冷静ではいられなかっただろう・・という内容でした。
にも関わらず、旦那はいたって冷静にそのことを話してくれました。あまりに冷静だったので、「そうか、そんなことがあったんだ」と、こちらも冷静に聞いてしまったほど・・・!
後からよく考えてみたら、「あれ?結構な大ごとじゃない!?」と色んな意味で我に返りました。笑 これは旦那の性格が冷静だからではなく、モロッコで生活している家族皆んなの雰囲気がそうであることもわかりました。
それで、素直に旦那にこう聞いてみたのです。
「特に、大切な誰かに何かあったり、傷つけられたりした時、なぜそんなに冷静でいられるのか?」って。
それで教えてくれたのが、冒頭の言葉。
「القضاء والقدر في الاسلام」
=「なるようになる」「なるようにしかならない」
基本的にイスラムではこういった考えが土台にあるのは大きいかもね。と。
起こった事実、現実に対して、もちろん心は反応する。感情だって湧いてくる。でも、「なるようになる」「なるようにしかならない」。それに対して自分がどうしたって、起こった事実は変えられません。
それならば、自分の意識を起こった事実に対して向けて、あーだこーだと思考を巡らせるのではなく、そこから先の良い未来に向けて意識を持っていく方がずっと心が軽くなります。
実際に旦那も、兄弟のアクシデントを聞いたときは初めは怒りの感情が湧いたそう。もちろん家族も怒っていたのだとか。でも、それに対して怒りのエネルギーを持って何か行動しても、良い結果が生まれるばかりか、もっと悪くなってしまう可能性が大きくなってしまう。簡単に言えば、そういう考えなのだそうです。
その結果として私から見た旦那はとても冷静に見えたのかもしれません。でも、この考え方を聞いた時、私は妙に納得しました。
なぜかと言えば、世界や現実の捉え方によって、自分の行動が決定され、結果的に自分の現実が変わるという考えを知っていたからです。
この世界は陰と陽、プラスとマイナスで出来ていますよね。たとえばどんな出来事だって、どんな人間だって、必ずプラスの面とマイナスの面があります。それならば、あなたは普段
どんな部分をとらえていますか?どの部分に意識を向けていますか?
その意識の向け方が、人生を楽しく幸せに生きられるのかに関わってくるといっても過言ではありません。
とは言え、この考え方は自己啓発系の本などには必ずと言っていいほど書かれていますよね。笑
私もこの考え方を知って、自分の日常に取り入れていますが、意識を意図的にコントロールすることは簡単ではない・・。そう、実際にやっている人ならわかるかもしれませんが、とっても難しい!!!!!
特に、感情が大きく揺さぶられる出来事なんかは、すぐに現実に飲み込まれ、感情と思考に支配されてしまいます。自動的にマイナスの側面にフォーカスしてしまい、さらには思考を使って増幅させていく。そんな経験はよくあることかもしれません・・!
「なるようになる」「なるようにしかならない」という考え方が自然とできる旦那と過ごしていると、特に私たち日本人は、小さいころから減点方式で生きてきてしまう傾向にあるのではないか思ったり考えたりしたものです。
教育がそもそも「できていない部分を伸ばしていく」「苦手な分野を克服する」という中で育ってきているので、まずダメな部分にフォーカスしてしまうのは、無意識で癖になっているかもしれません。
だからこそ実は、日々の日常で起こる小さな出来事に対して、自分の意識がどこに向いているか、まずは客観的に見る癖をつけることがとても大切です。そして、慣れてきたら意識を意図的にコントロールする訓練を私は愚直に日々やってみています。
最初は気づく癖をつけるだけでも、現実の捉え方が変わってきたのを実感できました。そして、この考え方を取り入れてから、私の人生には大きな変化がありました。
以前の私は…
目の前の出来事に一喜一憂していた
予想外のマイナスな出来事があると「わぁ最悪だ…」と気分が悪くなる
「なんでこんなことが起こるの?もうやだ!」と現実に振り回されていた
でも、自分の意識がどこに向いているか、まず客観的に見る癖をつけたら…
物事を冷静に受け止められるようになった
失敗やトラブルがあっても、「この経験がどう活きるかな?」と前向きに考えられるようになった
「今起こっていることは、自分にとって必ず得られる何かがある」と信じられるようになり、焦りがなくなった
要するに、自分が目の前の出来事のどの部分を捉えているのか?どの部分に意識を向けけているのか?を客観的な視点で見ようとするだけで、現実は変わらなくても、自然と気持ちの切り替えが早くなり、自動的に思考を使って余計なことを考えることが無くなったのです。さらには、ネガティヴな感情が湧いても、そんな自分をも冷静に観察できるようになりました。
それだけでも常に機嫌良くいられることが圧倒的に多くなりました。もともとポジティブなこともあいまって、超上機嫌です。笑
ポイントは、別にポジティブに考えようとか、ポジティブな面を見ようなどとも意識しないこと。ただ、観察しようとする意識に集中することです。そうすることで自分では意識していなくても、行動も変わってきます。単にポジティブシンキングに切り替えようとして感情を置き去りにしては余計こじれてしまいます。
どんな出来事も、それをどう捉えるかで未来が変わるなんて、もしかしたら信じられないかもしれません。でも、その捉え方によってその後の自分の行動が決定され、結果的に自分の現実が変わるというのは間違いないと、私は人生で実感しています。
試しに、日々の日常で起こる小さな出来事に対して、自分の意識がどこに向いているか、まず客観的に見てみよう!と意識してみてください。そこに、新しい可能性が隠れているかもしれません。