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テイスティング3種盛り~Massive Attack/Inertia Creeps編

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(画像引用:タワーレコード オンライン)

藪から棒にとはまさにこのことですが、思い立ったが吉日とも申しますので。

去る2019年Massive Attackの記念碑的名盤である『Mezzanine』20周年リマスター盤が、満を持してリリースされました。豪華2枚組。本編の最新リマスター音源とそのリミックス集によって構成されており、初心者もヘビー層も改めてこのアルバムの持つ歴史的意味、重厚感を再発見することができます。

アーティスト意向なのか、はたまたレーベル事情なのか。おおよそ5年10年というスパンでベスト盤あるいはリマスター音源がリリースされるのが昨今の相場感でしょうか。Massive Attackも例に漏れず、レア音源あるいは最初期作品との抱き合わせという形で数枚、こうした形態で再販を行ってきました。

そのおかげもあってか、結果的に同一楽曲にも数パターンの音源が混在するという状況が生まれました。正確に記載すれば、オリジナル音源、2006年ベスト盤『Collected』におけるデジタルリマスター、そして今回リリースされた2019年の20周年リマスター。多いものではこの3形態に及びます。

『Mezzanine』20周年盤を経てこのケースに該当することとなった楽曲は、「Angel」「Teardrop」「Inertia Creeps」「Risingson」の4曲。まさしくMassive Attackの代名詞、今聞き返してもなお新鮮な驚きを放つ楽曲ばかり。特に解像度、音圧ともに過去イチの技術革新を遂げた2019リマスターに、主宰おもわず滂沱の涙。

御託はもう結構。実際どないやねん、聞き比べてみようや。本日の趣旨がこちらとなります。

主宰目線、特に大きな音場変化を感じた「Inertia Creeps」を取り上げてテイスティングしてみましょう。いかがですか。YouTubeは音源アップロードに際して特殊な圧縮をかけてしまうため、若干音質が損なわれるとの都市伝説もありますが。それを振り払うかのような三者三様の音場。実に面白い。

乱暴に要約すると、オリジナル音源のフラット感は90年代ならではですね。デジタルリマスターは無機質でかっちりした音色に変わり、打ち込みとの親和性も高い印象。しかし群を抜いて完成度が高いのは最新リマスターだと思います。前2作ではさほど明瞭に聞こえてこない、細かな音のパーツを一つ残らずすべて拾い上げてしまう。これが20年という歳月か。

さらに付け加えると。最近のリマスター音源のトレンドとして。より大音量、高音質で聞ける「ハコ空間」を意識したゲインコンプ処理が目立つ印象があり。つまり「クラブでプレイすることを想定した音作り」に大きく変わりつつあるのではないか、というのが主宰の持論です。だからこういうイベント立ち上げたんすよー。おわかりですかー。


2020年4月20日 『Mezzanine』リリースから22年目の節目に

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