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自主映画を、撮る。その31


授賞式翌日(6月28日執筆)

Wrap Partyが終わりました! 54チームの映画制作に携わった全ての皆さま、お疲れ様でした。 今年も素敵な映画を作っていただきありがとうございました! 作品賞は『RainLily』 by...

Posted by Tokyo 48 Hour Film Project on Wednesday, June 28, 2023

関西在住者がほとんどを占める新進気鋭の映像団体Orange Candy Houseにとりましては、東京大会授賞式に一体誰が参加できるのか。そもそも試写会に行く人間はいるのか。等々議論が紛糾しまして、結局誰一人として本作のクランクアップ後は当コンペに深く関与する者がいませんでした。サクッと必要経費の支払いだけ済ませ、ああそういえば今日授賞式だったなの構え。

悪くないです、別に嫌いじゃないですよそういう感じ。自主制作映画なんで楽しく撮ったモン勝ちなんですよね本来は。あとは観てくれる方々に判断を委ねるのみ。とはいえプロット案作成から脚本班、撮影組そして編集の段に至るまで数知れぬ様々な皆様の支えがあった。そのおかげで今回久々となる「受賞」経験を得ることとなりました。小道具賞。誇るべきタイトルです。

元来、大喜利的側面の強い48時間映画祭において出題されたテーマをキチンと消化できていたかどうか。という点がその作品の評価を大きく左右する。でいて「紙の地図」という指定の小道具をストーリーの主軸に据えて、かつオリジナリティをもって描き出すことに成功したことが今回の受賞に大きく繋がったのだと思います。ひとえに、後輩達の総力の賜物。本当に嬉しい。

撮影中、脚本と出演を務めたとある後輩から聞かされたエピソード。例えば今作と同様クライアントさんに「家までの地図」を描いてもらった場合にはその多くが自宅を端っこに描くケースが多い、帰り道がわからないんです。ですから住み慣れた我が家を白紙の中央に描いてもらえるよう諭す、そんな治療法も実在しているそうです。「医療/ドクター」映画を正面切って撮る。

自分のことを医師だと錯覚していた主人公が、実はカウンセリングされる側の人間だった。ぶっきらぼうにタバコを寄越せと、「もうやめてもいいか」と言い出した金髪の看護師さんが心の中に秘めていた思いとは。冒頭唐突に東京タワーの思い出を語り始めた男性は、一体誰だったのか。最後まで観ていただければ全てがわかります。お待たせしました、完成版をどうぞ。

作品名は『Dr.Switch -find a way home-』。前述の通り主宰は今回、演者に音楽、細々とした撮影補佐と編集への口出しあるいはふとした瞬間に後輩ちゃんと話すようわからん年増のおっちゃんとして、共に戦い抜きました。改めて彼らの努力と苦悩に、最大級の賛辞を。シリアスなテーマを取り扱いつつ最後までコメディタッチに打ち出す決断を曲げなかった前監督に感謝。

アイツやっぱ只者じゃないですわ、15年来の腐れ縁だからこそ生み出せた。賞をいただけるという経験は、やっぱり何度味わっても嬉しいものですね。美味しいところだけいつも持っていく先輩、みたいにはなりたくないもの。程良い代謝を促しつつ、後輩世代達にバトンを受け渡していく。図らずも、今回そんなタイミングがやって来たような実感も一方ではありました。

今後の活動方針について(7月2日執筆)

華々しい受賞とは裏腹に、日々仕事に忙殺されている監督。次期監督に堂々名乗りを上げながらも、社会の厳しさに直面している愛すべき後輩。月末を目処に10月の大阪大会参加の是非を決定する、という漠然とした方針だけが定まっています。走り続けるためには時に立ち止まるという判断も重要で。「闇雲に続けること」が目的化してはいけない、クールにやりましょう。

根底には常に「作る喜び」や「楽しさ」があって欲しいと切に願ってます。どう頑張ったって寝不足になりますし、週明け月曜日の出勤が仕事どころの騒ぎでなくなることくらい容易に想像がつく。それなのに、代休申請をしてみたり遠方から新幹線で駆けつけてくれる仲間達の存在がある。リターンの保証がない48時間の苦行に付き合ってやろうという気概を感じられる。

素敵な出会いに恵まれました。だからこそ今一度、考え直す時期なのだと。主宰だってそう若くはありません。映像制作を生業とされているプロ集団の方々とは、明らかに戦力面でも技術面でも劣ってしまう部分がある。時々の事情に左右されてしまう側面も大きい。いずれ、終わりが来る。なればこそ続けてみようじゃないか、といった開き直りも含めてしばしの塾考時間。

神のみぞ知る、シーズン4の存否(7月17日執筆)

10月の大阪大会へ向けた事前ミーティングの日取り、その最有力候補日は7/23にFixされましたが正直参加可能メンバーが乏しく正直どうなることか。当シーズン同様にあるいは勢いを増して、「暗雲が立ち込める」シーズン4。主宰の居ないOrange Candy Houseが提示する新たな活動指針、静かに穏やかに起こる全てを見守ることとします。自称ファンボーイ筆頭として。


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