「神様になった日」感想
神様になった日とは
原作・脚本:麻枝 准×制作:P.A.WORKSによる
完全新作オリジナルアニメーション企画、待望の3作目が遂に始動!ゲームブランド「Key」の立役者として
『AIR』『CLANNAD』『リトルバスターズ!』など数々の傑作を生み出し、
アニメ・音楽とマルチな領域でファンを熱狂させてきたシナリオライター・麻枝 准が原作・脚本を担当!『Charlotte』制作後、長らく現場から離れていた麻枝 准の中に、
再び創作へと駆り立てるある想いが浮かんだ。
”原点回帰”2020年10月、麻枝 准×P.A.WORKSの贈る、切なくも愛しい物語が新たに誕生する。
面白くなりそうだったのだ・・・
評価指数6
このアニメは中盤少し過ぎくらいまではコメディ主体として話が進んでいきます。そこはけっこう楽しめました。主人公のひなと陽太のテンポのいい掛け合いは面白いし、ひなも可愛いし魅力がありました。ひなの言う世界の終わりとは何なのか?、不穏に感じながらも楽しく見ていました。
ただ、そこから物語がシリアスモードに入ってくると、これがまあひどい。
何がひどい?
ひなはとある施設に入るのですが、わけあって以前陽太と過ごしたときのひなではなくなっています。ロゴス症候群という病気に罹っていて遊ぶことはおろか、まともな会話すらままなりません。
にもかかわらず、陽太は必死にひなを取り戻そうとするわけですが、必死なあまり自分の都合で考えて行動してしまうんですね。
このロゴス症候群という病気は神様になった日のオリジナルの病気のようです。ただ、ひなの様子を見ていれば相当な難病であることは伝わります。ですが陽太は無理矢理遊ぼうとしたり、話させようとしているんですね。いや、やめたれよと。
ひなを連れ帰りたい陽太の気持ちはわかりますが、今のひなにはどう考えても酷です。ひなは怯え切っているのに何度も声を荒げる陽太には見ていてきついものがありました。施設の人も陽太には不信感を抱き始めます。
陽太に許された時間はわずか2週間。こりゃ無理ですなあと半ば諦めながら見ていたのですが・・・。
陽太が帰ろうとしたとき、ひなが陽太に呼びかけます!
いやなんで?今さっきまで拒否ってましたやろ?って思うんですがしょうがない。そして陽太に向かって歩き始めたのです。
いや待て歩けないんちゃうんかいと突っ込む間もなく、ひなを抱きしめる陽太。照らす陽光。流れるピアノ。
・・・この一連のシーンは何となく良いシーンに見えなくもないです。でもそれは音楽と映像による効果でしかない。今まで視聴者はひなの強い拒絶を見ています。今ひなが陽太と一緒に行っても幸せになるビジョンが見えない。だからいかにガワで盛り上げようとしても感動できないんです。
その後は戻ってきたひなに何故かバスケットのシュートをやらせます。確認ですがひなは病気です。動くことすらままならな・・・シュートが入ります。ロゴス症候群は一体どこえへ・・・。
奇跡によってロゴス症候群は消えた、というわけでもなく、陽太は将来医者になり、ひなの病気を治すんだとひなに誓います。ここら辺になってくると、陽太のセリフはほとんど説明口調です。ひながしゃべれない分、その気持ちを全部陽太が代弁です。まあ脚本の都合上しょうがないのでしょう。ただ、これは言い換えれば陽太の思い込みと捉えることもできてしまいます。そして、ひなの乗った車椅子を陽太が押しながらこのアニメは終わっていきました。
総論的な何か
枝葉であるコメディ要素は良かった。なのに本筋である世界が終わること、ひなの病気に関しては大変お粗末な仕上げだったなと感じました。これは練り上げ不足でしょう。あと陽太というキャラクターは悪く言えば普通すぎるので、もっと深く掘り下げていれば少しは違ってきたのかもしれません。
映像の綺麗さや音楽の良さはあるんですが、絵や音楽は物語を面白くするための装置です。結果的に物語が面白くなっていないなら部分部分が良くても意味が薄いんです。
それと「尺が足りていない」という感想も見かけますが、2クール続けても冗長な話が繰り返されるだけだと思います。それくらいこのアニメは12話の構成が上手くいってませんでした。おそらく構想の段階でけっこう無理のある話だったんだろうなあと。正直、考察勢たちの2週目ルート説の方が面白くなりそうだと思います。
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