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『鎌倉殿の13人』がクズすぎる件(あるいは、ウクライナのこと)

題名のとおりだ。

源平サーガが好きだから、今年はめずらしく大河ドラマを見ている。
だが、ひどい。
とにかくひどい。
ひとことで言うと、頼朝の人物造形がクズすぎる。

親の仇を討つ?
平家を滅ぼして世を正す?
お子ちゃま戦隊もののメンタリティーだ。

歪曲されたまましれっと話が進んでいるが、
頼朝の父、義朝は、清盛に殺されたわけではない。
両者は平治の乱で敵味方に分かれて戦っただけだ。
そのあたりは2012年の『平清盛』のほうがよほどきちんと描いていた。

平家のどこが悪いのか、ほとんど何の説明もない。
雰囲気だけで盛り上げている。
たしか下っ端の下っ端でナスを踏んづけたやつがいたが、
ナス踏んだってんで討ち取られちゃうのには仰天した。

頼朝がこんなバカだったとは、どうしても信じられない。

(ついでに言うと、文覚の造形もほぼ百パー捏造だ。
 仏教をナメるにもほどがある。)

とくに今夜(4月17日)放送分の第15回、
誠実な戦功者の上総介広常を、見せしめとして成敗する段は酷かった。
あまりの胸糞悪さに吐きそうになった。
いまも頭痛がおさまらない。

NHKは、三谷幸喜は、何を描きたいのか。
軍事政権の非情さ?
そんなもの、いくらでも学べるではないか。
ウクライナのニュースを見れば。

いま、このタイミングで、公共放送が、
こんな幼稚な殺し合いごっこドラマをオンエアする神経がわからない。
自粛したってバチは当たらないはずだ。
恥ずかしい。
世界に対して恥ずかしいぞ、NHK。

私はこんなもののために受信料を払っているのではない。
『岩合光昭の世界ネコ歩き』のために払っているのだ。


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実村 文 (theatre unit sala)
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