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山越え川越え、通園道。

我が家は毎日、車で片道35分の保育園に通っている。 
よほど山深い里に住むのでもないかぎり、
神戸の都市部、人口15万人の区に住まう世帯の中ではレアなケースかもしれない。

といってもこれを敢行しているのは夫と娘だ。

一方の私は、
毎朝6時前に家を出て
いちばん早い時間に出る快速電車に乗り
神戸の港町から京都の職場まで
2時間かけて通勤している。


だからウィークデーの我が家は連携プレイ必須、時間との戦いが、繰り広げられている。

私の職場は別として。
娘の保育園はやむなしの選択肢、
なんとか最大限がんばれる、
ゴムをいっぱい伸ばした範囲にある
最大幅の選択肢を選びとった結果だ。


6月のおわり、
我が家は引っ越しをした。

豊かな水の流れる川のほとり、
散歩をすればカワセミや白鷺と会える山あいから
映画館や神戸タワーすぐそこ、の都市部へ。

通勤時、神戸特有の坂道を攻略するために購入した電動自転車はカバーをかけられ、
週末のおでかけですら車を出す機会が減るほど
生活環境が変わった。

…だけど、保育園は変わらなかった
(変えられなかった)。
そう、都市部の転園への道は険しい。

幸い、夫のアトリエが以前の保育園に近いから
文字通り山を越え、川を越えての通園を
毎日、夫に託すことになった。

2歳の娘に、毎朝夕この移動を課すのは酷ではないかと、夫と不安をおぼえたけれど
乳幼児の適応力たるや。

日によってはお疲れで、
帰りの車でたまらず泣き出すこともある。
だけど娘は、夫に導かれて
呼吸の整えかた、自分の機嫌のとりかたを
少しずつ体得し、取り乱すことも減り、
先に帰宅した私がバタバタと迎え入れる準備を整え、玄関を開けるその時には
にっこり笑って、「かーかん!!」
と大声してくれるようになった。

ありがたし。

…だけどこれは、家族全員が健康だからこそ。

たとえば夫が倒れたら、
このルーチンは脆くも崩れ去る。

そう思うと戦慄するけど、
対応できるパターンを増やしていかねば。

家の近くの園に、転園できる日まで。
(年を越して4月の入園すら叶わない…なんてことはないよね…?!ぞくっ。)



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