
ほっぺが赤い=りんご病?正しい検査方法と見分け方
ほっぺが赤いだけじゃない?りんご病の正体
子どものほっぺが赤くなっていると、「風邪かな?」「ただの肌荒れ?」と軽く考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、それが「りんご病」だった場合、単なる赤ら顔ではなく、発疹や発熱、倦怠感を伴うことがあります。
正式には「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」と呼ばれ、ヒトパルボウイルスB19が原因で発症する感染症です。
一度かかれば免疫ができて二度とかからないと思われがちですが、「何度もかかる」という話を耳にしたことがある人もいるでしょう。
今回は、りんご病の検査方法と、本当に何度もかかるのかについて詳しく解説します。
りんご病の検査方法とは?
結論から言うと、りんご病の診断には「症状の確認」と「血液検査」があります。
なぜなら、りんご病は他の発疹を伴う病気(風疹や麻疹など)と症状が似ており、見た目だけでは確定しづらいことがあるからです。
では、具体的にどのような検査が行われるのかを説明します。
1. 医師による症状の確認
りんご病は、発症のタイミングによって症状が変わります。
診察では、以下のような流れで症状をチェックされることが多いです。
初期症状(風邪のような症状):発熱、鼻水、喉の痛み、軽い咳などが数日間続く
発疹の出現:ほっぺが赤くなり、腕や足にもレース状の発疹が広がる
発疹後の経過:発疹は1~2週間ほどで消えるが、日光や運動で再び現れることもある
これらの症状が典型的であれば、医師の診察だけでりんご病と判断されることもあります。
2. 血液検査
症状が典型的でない場合、血液検査が行われることがあります。
血液検査では、ヒトパルボウイルスB19に対する抗体を調べることで、感染しているかどうかを確認できます。
IgM抗体:現在感染している可能性が高い場合に検出される
IgG抗体:過去に感染したことがある場合に検出される(免疫ができている)
特に、妊婦や免疫力が低下している人が感染した可能性がある場合は、正確な診断が求められるため、血液検査が行われることが多いです。
りんご病は何度もかかる?
「一度かかったら二度とかからない」と思われがちですが、実際には「何度もかかった」という声を聞くことがあります。
結論としては、基本的にりんご病は一度かかると免疫がつくため、再感染の可能性は低いです。
しかし、「何度もかかる」と感じる理由はいくつか考えられます。
1. そもそもりんご病ではなかった
ほっぺが赤くなる病気は他にもあります。
例えば、風疹、麻疹、溶連菌感染症、アレルギー反応などは、りんご病と似た症状を引き起こすことがあります。
そのため、「以前もりんご病だった」と思っていたのに、実は別の病気だった可能性もあります。
2. 免疫ができにくいケース
通常、ヒトパルボウイルスB19に感染すると、IgG抗体ができて終生免疫を獲得します。
しかし、免疫不全の人や特定の疾患を持つ人は、十分な免疫ができず、再感染することがあると言われています。
3. 別の種類のパルボウイルスに感染した
りんご病の原因となるウイルスは「ヒトパルボウイルスB19」ですが、実は他にもパルボウイルスの種類があります。
犬や猫のパルボウイルスとは異なりますが、別のウイルスに感染して、りんご病に似た症状が出ることも考えられます。
りんご病を疑ったらどうする?
もし、ほっぺが赤くなり、風邪のような症状がある場合は、まず病院を受診することをおすすめします。
特に、妊娠中の人、基礎疾患がある人、小さな子どもが感染した場合は、注意が必要です。
病院では、症状の確認や必要に応じて血液検査を行い、診断が下されます。
また、りんご病は発疹が出る頃にはすでに感染力がほとんどなくなっているため、無理に隔離する必要はありません。
ただし、発疹が出る前の潜伏期間(約1~2週間)はウイルスを広げやすいため、学校や職場での感染対策を心がけることが大切です。
まとめ
りんご病は、ほっぺが赤くなる特徴的な症状を持つ感染症ですが、症状が風邪や他の病気と似ているため、診断には症状の確認や血液検査が必要になることがあります。
基本的に一度かかると免疫がつき、再感染することは少ないですが、間違った診断や免疫の問題で「何度もかかったように感じる」ケースもあります。
りんご病を疑ったときは、適切な検査を受け、落ち着いて対応することが大切です。