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『大阪・美術館めぐり~お出かけ日記』#3

5月20日(土)大阪に行ってきました。阪急梅田駅近く、今日もcafé de cocorico に入りました。私はケーキセット。抹茶のケーキ、美味しかった!でもホットダージリンティーが微妙。。。私もアイスコーヒーにすればよかった。ところではるとさん、ケーキデビューは? 私の抹茶ケーキを一口食べるのは違うと思うよ。

まず大阪国立国際美術館を目指しました。歩いていける距離だし、歩こうということに。ところがいきなり道を間違えたようで、東梅田駅近くに出ました。西に行くつもりで東に行くなんて大阪は難しい街です。でもまぁ、せっかくここまで来たのだからと後で訪ねる予定だった露天神社に詣りました。

近松門左衛門の人形浄瑠璃『曾根崎心中』の舞台です。
物語は元禄16年(1703年)に実際に起きた心中事件を元にしています。
この神社の境内で男女が命を絶ちました。

お初と徳兵衛の物語
遊女お初と恋に落ちた徳兵衛。しかし叔父は姪との縁談を望み、徳兵衛の継母へ結納金を渡します。あくまで固辞する徳兵衛。怒った叔父は金を返した上で勘当と言い渡します。継母から金を取り戻した徳兵衛ですが、金に困っている友人に貸してしまいます。しかし返済期限を過ぎても戻ってこないどころか、借りた覚えはないと詐欺師呼ばわりされ、袋叩きに。身の潔白は死んで晴らすという徳兵衛。
「徳さまが死ぬのであれば」と自らも死を決意をするお初。心中が重罪だった江戸時代に死を決めた二人の、互いへの愛情は素敵だと思います。
今は縁結びの神様として無数の絵馬が奉納されており、社務所では縁結びグッズが売られています。

「私は悲恋はイヤ! 心中の決意もステキじゃない。生きてこそ!」
「身の潔白が証明できなければ死罪は免れないよ。今の価値観を歴史ものに持ち込まないでね」(10両盗めば死罪という時代です)
「死を選んだのに縁結びの神様なんて不思議」
「あの世で結ばれたんだよ。それほどの思いだもの。ご利益ありそう」

境内は人が多くて写真が撮りにくかったです。

露天神社は千三百年以上の歴史を持ち、祭神はスクナビコナ、オオナムチ(大国主)、アマテラスオオミカミ、トヨウケビメの四柱の神様と天神菅原道真、お初天神は通称です。

露天神社を後にして南へ歩き、堂島川に架かる大江橋を渡りました。この川と土佐堀川の中州である中之島を見ていると、大阪が水都と呼ばれる理由が分かる気がします。市役所を過ぎて右折、土佐堀川を左手に見ながら歩き、大阪国立国際美術館に着きました。

大江橋からの眺め。
う~む。やっぱり写真が下手。

『ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』
会期が明日までということで大勢の入館者でしたが、僕達もぎりぎり間に合い、見ることができました。

E.M.I.L.Y さま、美術館展を紹介して下さって、また私達の記事からのリンクを快くご承諾下さり、ありがとうございます。

本物の絵の迫力。私は興奮して写真を撮っていましたが、自動でフラッシュが出るようになってしまい、解除の方法が分からないので、写真は諦めてじっくり作品を見ました。すべてがほんとに良かったですが、私は特にクレーの絵が好きで、美しいと思いました。グッズと公式図録も買えてホクホクしました。

パウル・クレー『夢の都市』
作品の撮影は一部を除いて許可されていました。

りまのも書いてますが、僕も本物の、オリジナルの持つ迫力を感じました。作者が制作時に注ぎ込んだエネルギーが今も作品に残っているのではないかっていうようなオーラがありました。
芸術を解する感性を持っていないと何も分からないのでは? 入館前、僕はそんな心配をしていたのですが、杞憂でした。分かる、分からないより、すごい! そう感じられればいいんじゃないだろうか。芸術作品は特定の人だけのものではなく、誰にでも等しく開かれている。音楽だって知識があればより深く聴けるかもしれないけど、なくても心が震えることがある。きっと絵も同じ。そんな気がしました。見てよかった。行ってよかったです。

僕はニワトリが好きです。
なんて素敵な絵なんだろう。。。
私のお土産 1 
ピカソ、マティス、クレー、ジャコメッティのポストカード
拡大してご覧になって下さいね!
私のお土産 2
ピカソ『多色の帽子を被った女の頭部』と
マティス『植物的要素』のクリアファイル

※『ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』は終了しています。

古書まんが店 まんだらけ
私の希望で立ち寄った店です。私は70年代~90年代少女まんがが大好き。きっと同い年のはるとさんも懐かしかろうと思ったのですが、はるとさんは店に入らず、私のミュージアムグッズを持って外で待ってました。
私のお目当ては、森脇真末味さんの『おんなのこ物語(ストーリー)』早川書房。サッと見て、パッと出てくるつもりでしたが、入れば中はパラダイス。誘惑に負けました。
故三原順さんの『はみだしっ子』文庫全巻や、大島弓子さんの、私が持っていないお話が入った絵本や文庫を抱えて、店員さんに『おんなのこ物語』のストックを尋ねました。調べてくれている間に購入予定本を置いて外へ。
「はるとさん、財布!」
財布まで預けていたことを思い出したのです。
「ム! まだかかるの?!」
あ! はるとさんが怒ってる。早くせねば。店に戻ると、
「ストック、ありませんでした」
「ありがとござんす。これだけ買います」
ず~んと重くなった手荷物。でも心はうきうき……だったのですが、
「次の予定があるんだから!!」
「ごめんなさい♡ごめんなさい♡」
はるとさん、怖し。機嫌直して~♡

あのねぇ。待たされたことを怒ってたんちゃうねん。次の美術館に迷わず行けるか分からへんし、最終入館時間が迫って焦っとってんよ。
ちなみにりまのは国際美術館でも財布をロッカーに置いてきてしまい、慌てて取りに行ってました。

大阪メトロに中崎町駅から天神橋筋六丁目駅まで乗車。3番出口とつながる形で大阪市立住まい情報センターがあり、8階に大阪市立住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」があります。

まずは常設展へ
8階までエレベーターで上がり、そこから10階までエスカレーターで上ります。常設展を観ずに企画展だけ観ることもできますよ。

10階から見た9階、町屋風景。
時刻によって空の色が変わります。
音声ガイドもありますよ。

天保年間をイメージした大坂の町屋が再現されています。江戸後期に当たり、幕末に活躍する人物の多くが誕生した頃です。
現在は夏祭りのイメージで、山車もあります。表通りや路地、おたなや長屋があり、中を覗いても、歩いていても雰囲気を楽しめます。着物体験(9階のみ。1000円)もあり、僕達が見ている時も浴衣姿で歩いてる方達がいらっしゃいました。
「時間があれば私達も着物姿で、町屋を歩いてみたかったね~」
「時間、ねぇ……(苦笑)」
8階に下りると明治・大正・昭和の大阪の街並みや暮らしに関する展示があります。文明開化から1950年代までの大阪を6つの模型が再現されてますが、模型、ミニチュア好きの僕は、細部まで作り込まれた模型に見入ってしまいました。他にも地図や昔の家具など展示されてます。大げさな作りの(家具調といいますね)カラーテレビ、僕の家にもありましたよ。懐かしいですね。今はチャンネルは「変える」ものですが、回すとも言うのはダイヤルを回していた頃の名残りでしょうか。ノスタルジーに浸れる、素敵な展示でした。

企画展『五井金水とゆかりの画家たち』

大阪市住まいのミュージアムHPより
企画展ポスター

藤井靜子さま、素敵な展覧会情報を教えて下さり、また私達の記事からのリンクを快くご承諾下さり、ありがとうございます! 私達も観てきました。

『雨蛙図』
一番右、かわいいお化けに見えません?
『芽梅に鶯図』
『秋くさ』
『柳に蝙蝠図』
蝙蝠って意外な画題と思ったのですが、
調べてみると蝠が福と同音ということで、吉祥の動物とされていたのですね。
『伏見人形図』上
『干支と宝船』下 色紙
きれいなお花の色紙。色が素敵です。
ちょっと写真がブレてますが、素敵な絵だったので。
蛙がかわいいのです!
僕達が二人とも一目で気に入った絵です。
かわいくて、あったかいですよね。
この絵を一番楽しみにしていました。
この犬もかわいい!

人物、植物、動物など、フォルムが美しくてかわいいです。とても親しみを覚えました。眼福です。
ミュージアムグッズがほしかったのですが、はるとさんに言い出しにくく、(な、何でさ?)チラシをもらうのも忘れてしまいました。
私、りまのの記述はここまでです。みなさま、ありがとうございます!

※企画展『五井金水とゆかりの画家たち』は6月18日までです。

もう少し、はるとにお付き合い下さいませ。
さて、五時少し前に大阪くらしの今昔館を出て軽く食事をしました。この日も結構歩きましたが、僕はここまで午前のカフェで飲んだコーヒーと、りまのに一口もらったケーキだけしか口にしてませんでした。自分でも燃費がいいと思います。

この日最後の目的地、淀川河川公園を目指します。ここでもまた道に迷いました。すぐそこなのに行く道が見当たらないのです。相当遠回りしましたが、それだけの価値のある眺めでした。

淀川河川公園 長柄地区より夕日を見ました。
シロツメクサの咲き乱れる公園、
頭上をひっきりなしに飛行機が飛んでました。

楽しかった一日も暮れてゆきます。
この後梅田に戻り、先週のカレー屋さんに行こうとしたのですが、見つけることができませんでした。大阪の街は難しいですね。慣れる日が来るような気がしないです。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます。
次回のお出かけ日記も、どうぞお楽しみに!


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