歩のある将棋は負け将棋

将棋界には棋士に対する戒めや、指し手の指針となる格言がいくつかある。しかし通常の将棋にて作られた格言は変則将棋においては真逆になる可能性がある。

今回紹介する変則将棋は「資本還元将棋」だ。ルールは単純で、持ち駒が5枚になった瞬間負けとなる。つまり持ち駒が4枚の状態ではタダの頭金すら同玉できなくなってしまうのだ。

駒は留保するのではなく、積極的に市場(盤上)に流出させなければならない。それこそが資本還元将棋の本質である。逆に相手に駒を「押し売り」する行為が有効となる。

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例えばこの局面で5八歩と王手をかけてみる。もし同玉ならさらに5七歩とし、後手は自分の持ち駒を減らしつつ相手の持ち駒を増やすことができる。

では玉を逃げる手はどうだろう?その場合は5九歩成とし、と金攻めが間に合う。と金を取ったとしても後手は5筋から歩を押し売りし続けることができ、先手の持ち駒が4枚になったところで6六角と銀をチャージして勝勢だ。先手はこの角を同歩や同角と取れない。(持ち駒が5枚になってしまう)

いかがだっただろうか?資本還元将棋は比較的短時間で決着がつくことと、派手な捌き合いが繰り広げられるダイナミックな将棋と言えるだろう。腕力に自信がある人はぜひ楽しんでもらいたい。

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