大駒は近づけて打て

昨日に引き続き格言が通用しない将棋シリーズ第二弾。今回は「取る一手将棋」である。

ルールはゲームの通り、取れる駒がある場合は必ず取らないと行けないというものだ。例えば先手が初手7六歩とし、後手が3四歩としなかった場合、先手は強制的に3三角成としなければならずいきなり角と歩の交換が始まる。

さてタイトルの意味だが、相手の駒が取れる場合は必ず取らないといけない制約があるため、大駒は合駒に対して無力なのだ。

画像1

上記のように飛車で王手をかけた場合、4一歩と合駒されると同飛車としなければならない。なので大駒で王手をするときはなるべく合駒されないように接近させて打たなければならない。

また取れる駒は必ず取らないといけないということは、その分指したい手を指せずにパスすることを意味する。そのため歩ですら不成にして不要な取る一手状態に陥らないことも重要である。

また通常では相手の駒頭に歩を打つことを「たたきの歩」と言うが、取る一手将棋では相手の駒の利きに打った歩すべてがたたきの意味をなす。仮に入玉されそうな状況でも、玉の後ろに歩を打ち続けることで強制的に下段に引きずり下ろすことができるのだ。

いかがだっただろうか?資本還元将棋に比べると対局時間は長引く傾向にあり、200手を超えることもある。実際にやってみたところ盤上からほとんどの駒がなくなって泥沼化することも多々あった。しかし実は開始数手で決着がつくハメ手も存在するので、ぜひ研究してもらいたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?