てんやわんやの新年初のボランティア~救急搬送とサプライズバースデーとボヤ騒ぎ~
新年1回目のボランティアはてんやわんわの開幕
毎月1度、好きぴとコミュニティカフェでボランティアをしています。
コミュニティカフェというのは、というかあえてそういう表現をしているのは、NPO法人がとある場所をテナントとして借りているのです。
そこでは、基本的に「昼間の誰でもOKなごはん」と、夕方の「子ども食堂」をやっています。子ども食堂の時間でも大人でも利用は可能なのですが、子どもの方が多ければ、子どもを優先します。
昼間のご飯は大人は1人500円で、作るのもお店番をするのも無償ボランティアのみです。裏口の開け方を知っているので、自分がやると言った日に行き、一番なら裏口を開け、電気をつけて、掃除をして、表を開けて、フリマもやっているのでそれらを陳列して用意していき、12時になったら提供を始めるので、それまでに調理を済ませます。
他にも、近くの病院の管理栄養士さんがやってくれる料理教室があったり、過去にはヨガ講師がヨガ教室を開いてくれたり、体操の先生が体操教室を開いてくれたり、物づくりが好きな人が自分の作ったものをそこに並べて販売をしたりもしています。
コロナになるずーっと前には、近くの企業から野菜やお菓子などの寄付もあり、表で販売をしているフリマもすべて寄付で頂いた衣類です。
そんな感じで「誰もがリラックスできる居場所」的な感じでやっているのが、ここのやり方なので「コミュニティカフェ」と呼んでいます。
私は以前はメインでやっていたので、自分で「○日 ○○というメニュー」をやりますと予定表を前月に出し、当月にその日に行って料理をし、お店番のボランティアさんに調理補助をしてもらいながら、提供を行っていました。
いったん、起業のために離れましたが、ぶっ倒れて病気があることがわかり、借りてた田舎の戸建てをたたんで、また戻ってきました。その時に実家の衣類を大量に寄付したのですが、「またやりたいなぁ」と言ったら、その時にはもうコロナで。
圧倒的に日付が減った代わりに、新しいボランティアさんがいて、その人が後の「好きぴ」となりました。彼女は私と同世代なので、普段は仕事をしているため、休日の日曜日にボランティアをしているという立派な人です。
私は法人の代表者とは折り合いが悪いので伝えていませんが、好きぴには迷惑をかけるかもしれないので、以前はメインをやっていたけど、今はいつ倒れて来なくなるか分からないからサブのお店番しかやれないと伝えてあります。
彼女も日曜日にやっているため、お店番で入ってくれる人がいなかったようで、歓迎してくれて、以来、二人で4年以上やってきました。
他に入ってくれる人はいなかったのですが、途中から長くやっている母くらいの年齢の方がたまに手伝ってくれるようになり、全員がいる時は3人で楽しくやれるようになりました。
ところが、この方(仮にAさんとしておきますが)は、普段はハイキングクラブに入り、ほぼ「登山クラブ」という方が正しいハードな趣味を楽しまれているのですが、年齢的なものか、追いつけなかったり、痛みが出るようになって出られる回数が減っていました。
そんな時は、こちらの手伝いに来てくれています。
【優しいAさんが倒れて帰宅】
新年一発目の先日は、事前に来れるという連絡が無かったので来ないのかな?と思っていたら、時間の1時間前に行って掃除をはじめている私しかいない時間に、裏口がガチャっと開いて、Aさんが久しぶりに来てくれました。
Aさんは子育ても終わっており、お一人で現在は暮らしていますが、お料理も上手で手際もよく、本当にお優しい方なのです。
ところが、一昨年の夏ごろだったと思いますが、一度ふらふらっと倒れこんだことがあり、「数カ月に一回あるから大丈夫。少し横になるね」と言って寝込んだことがありました。
暑さもあるかな?と、ホッカイロの叩いて冷やす版みたいなものを持っていたので、それで体を冷やすように伝えて様子を見たことがありましたが…。
先日も朝から元気だったのに、突然座り込み「ちょっと休むね」と言ってから、トイレにこもりました。
だいぶ戻したようで出てきたころには顔が真っ青。あまり具合を悪くさせてはいけないので「真っ青ですね」とは言わないものの、「できることがあったら言ってくださいね」と伝えて休んでもらっていたのですが、なかなか体調は戻らず、自転車で帰る(近くに住んでいる)だけの力だけ残して、1時間ほどで早退されました。
【常連のSさんから不穏な電話→ヒーロー】
心配しながらも、好きぴと二人っきりになり、調理を頑張っていました。
12時になって、もう1人視覚障害が進行し、針の孔くらしか見えないものの、長年ボランティアをしているので、食べに来る人を全員の名前を知っている子(仮にMさん)が手伝いに来てくれて、何とか提供時間が始まりました。
すると、13時ごろに電話が。予約かな?と思っていたらMさんが電話に出てくれましたが「え?救急車を呼んだんですか?はい。はい。気をつけてね」と言って電話を切りました。
不安になりMさんに電話の内容を尋ねると「常連のSさんがここでいつも見かける人が道で倒れているのに遭遇をして、救急車を呼んで一緒に乗り込み、病院まで付き添うから本当はそっちで食べる予定だったけど、持ち帰りにしておいて欲しい。」とのこと。
そこから「誰が倒れてたんだろう?」と、私たちボランティアと食べに来ている常連さんとで推理大会というか、心配大会が始まりました。
それでも、平静を装い、いつも通り提供をしていると、本来はお昼ご飯の提供は12時~13時半に入ってもらい、14時には出てもらうのが他のボランティアさんの通常営業のところ。
好きぴだけが「カフェタイム」と称して14時半~16時まで、ものづくりをしたり、ヨガ教室を開いたり(好きぴはヨガも習っていたことがある)、サイコロトークをしたりしているので、開けており。
14時過ぎにいったん来られたものの、「すぐ来るから待ってて」と言ってまたどこかへ行ってしまいました。その時に、後ろに三角巾で腕をつっている方がおられ、経験の長いMさんが「あぁ〇〇さんだったんだぁ」と一同一安心したものでした。
結局、その30分後くらい(つまりカフェタイムに突入している時間)にSさんが来られ、「ごめん!お腹空いたからやっぱり包んでもらったの食べてもいい?」と言ってきて、私も体調を崩してからカフェタイムまで居られなくなって、お昼ご飯で帰宅していたものの、この日だけは良いことをしたSさんをねぎらいたいと「sakuちゃんのスペシャルコーヒーも良い?」と言われたので、片付けていた器具をもう一度出して提供をしました。
私自身も何度も倒れている人の介抱をしたことがありますが、いざという時に人は動けないことをよく知っているので、ご自身も高齢者なのに、ほとんど関りが無かった方(Sさんは食べにくる常連さんで、倒れていた方はボランティアを昔やっていた方)なのに、
よく気づいたな
すぐに対応してあげたな
一日仕事(朝から結局15時くらいまでかかった)
という点で、心から凄いなと思い「素晴らしいことをしましたね。Sさんはヒーローですね」と褒めると、照れているのが可愛らしかったです。
普段は割と口調が強めで、悪い人ではないんだけど、思ったことをズバズバ言うタイプ姉御肌のタイプの方だったので、こういうリアクションは意外でした(笑)
さてさて、そんなこんなでバタバタで開幕した新年最初のメニューをご紹介していきましょう!!!
今月の好きぴのメニューは中華粥と参鶏湯風スープ
毎度のことながら、少ない予算で見事に約30人前を、その国らしく作り上げる好きぴの手料理は見事です。
好きぴは私と同世代なのですが、お父様が私の父と同じ年の数カ月前に亡くなり、好きぴ自身はお母さまと一緒に暮らしています。お母さまは長年うつを患っているそうで、体調の良い時が少ないようですが、年齢も私の母と同じくらい(後期高齢者くらい)のため、ボランティアの日は朝から仕込みを一緒にやってもらっているそうです(好きぴ的にはリハビリという感じで)
そのため、私の「うつ」にもある程度理解があり、お母さまと比べるのか、「本当に凄いね。うつに見えないほど何でもできるね。でも、逆にそういわれると負担になったらあれだけど、心から尊敬しているし、辛い時は教えてね」と言ってくれています。
それなのに、帰国子女の好きぴは、日本人はあまりやらない調理方法をするため、いつも「これをこんなイメージでやって欲しい」と初めてやるようなことを割り振られます。でも、嫌じゃない。いや、むしろそれがいい!
うつで固まっている脳みそが、好きぴの指示を受けると、PCがふんふん言うように、頭が動き出します。
【主食は中華粥にライスペーパー揚げ】
今回の主食は「年末年始で食べ過ぎた人も多いだろうから、あっさりとして消化に良いものを」という好きぴのコンセプトで「中華粥」となりました。
私は実は「お粥が苦手」なのですが、以前も中華粥を出してもらったことがあり、色んな具材を混ぜたり乗せたりしながら食べる好きぴのお粥は大好きになりました。
今回もお粥はシンプルに青ネギの頭と少しの中華だし、お酒で炊き上げて、ほとんど味がしません。
後で出てくるライスペーパーが余ったのですが、それを揚げて砕き、お粥に乗せています。
【わかめときゅうりの胡麻和えと赤カブの漬物】
私は今、自然食のお店が近くに出来たので、毎日のように通っているのですが、そこで買ったものの中から美味しいものを好きぴにも分けてあげたり、量があるものはボランティアの一品として皆さんにも振舞ったりしています。
前回の時に、好きぴに「おいしい酢」を1本丸ごとあげ、その日は即興でサラダを作って提供してもらったのですが、そのお酢で漬けた赤かぶと、わかめときゅうりの胡麻和え(少しお酢も使って)を小皿で。
多くの方が途中で気づいたようで、お粥にこれを乗せたりして食べていました。本当に美味しい♪
【チリトマトソース炒め】
昔は宅配サービス系の会社から寄付が毎週のようにどっさりとあり、いつも冷蔵庫を開けると沢山の野菜があったのですが、コロナ禍、フードロス対策、物価の高騰などの影響により、その企業からの寄付は激減しました。
以来、ほとんど冷蔵庫には何もないものとして、好きぴはいつも食材のほとんどを購入してきます。
今回も何もなかったのですが、唯一「おばけみたいなトマト」がなぜか冷蔵庫にゴロゴロ転がっていたため、「これはいい!」と卵と炒めて、辛すぎないチリソース炒めにしていました。
【えび焼売のライスペーパー仕立て】
さて、先ほど「ライスペーパー」の件に触れましたが、今回私が「苦戦したもの」が、こちら。
好きぴは「海老焼売」と呼んでいましたが、海老のすり身だけは好きぴが家で作ってきて、それを乾いたライスペーパーと一緒に渡され「良い感じにくるんでください」と指示されました(笑)
ご存じのようにライスペーパーは、生春巻きによく使われる食材で乾燥状態で売られています。本来は布巾と霧吹きなどがあるといい感じになるのですが…。
うーんと悩んだ私は、まな板にラップを引き、ボウルにライスペーパーを1枚浸して救出し、ラップに置いたら、また上にラップを引き…を繰り返すこと34回(ライスペーパーが34枚あったため)
ラップでくっつかない状態のまま柔らかくなったライスペーパーはもっちもちになって包みやすくなり、そこにどのくらいにすればいいのか分からないすり身を目分量でこのくらいかなと中央において引っ張るように巻き上げると、なんとまぁ可愛らしい感じ💕
あまりにぷりっぷりに出来たので、蒸す前に撮影してしまいました。自画自賛(笑)
これを油を塗ったホイルの上に↑のように置いて行ったら、好きぴに渡し、蒸して完成というわけです。
【手羽元の参鶏湯風スープ】
さて、メニューに名前が入っている「参鶏湯風スープ」がこちらです。温かいものばかりで、好きぴのご飯は季節ごとの身体に染みわたります。
本来の参鶏湯は鶏を一羽丸ごと使いますし、高麗人参をはじめ薬膳もかなり入るので、苦手な人は苦手なのですが、そこは味付けを日本人でも美味しいと感じるように、出汁で薄口に仕上げ、手羽元のうまみがしっかりと出ている美味しいスープに、韓国風にカットした太めの大根がしっかり煮込まれていてとても美味しいです。
ところで、これ。何で作ったかというと、二十合炊きできる炊飯器で炊いてつくっていました。年に何度か好きぴはやらかすのですが、今回は小さい炊飯器でお粥を、大きい炊飯器で参鶏湯をそれぞれ「溢れさせ」てくれました(笑)
お掃除させて頂きますよ、もちろん。
【豆腐と湯葉の豆乳スープ】
好きぴには珍しく、「お腹たぷたぷ」になるくらい水気の多いメニューばかりになっていましたが、こちらも美味しかったです。
私は「ラー油」もあまり好きではなく、基本的に入っているものではなくて、個人の自由でかけるものなので私はかけないのですが、好きぴは問答無用でかけてくれたので食べました。
豆腐・湯葉・豆乳と薄味なので、ラー油が良いアクセントになり、全体の調和が素晴らしかったです。
【デザート:柚子カードとチョコレートの二層のムース 金箔乗せ】
ここのボランティアのルールでは、ご飯担当は主食・おかず・スープを作ればいいということになっているのですが、好きぴは料金の範囲内で必ずデザートも作ります。
さらに、好きぴ自身はパン作りも好きなのですが、季節の果物などを使って「カード」というものを作るそうで、今回は「柚子カード」を作ってあったのを使って、柚子カードのムースとチョコムースの二層ムースに、金箔を持ってきて、「これ乗せて欲しいのですが…」と言ってきたので、( ゚Д゚)ビックリ
金箔自体は何だったか忘れましたが、折り紙くらいの一枚ずつのを触ったことはあるのと、スパークリングワインに入っているのを飲み干したことがあるのと、小瓶に入っているのを見たことはありますが、名刺サイズくらいのケースの中に木製のピンセットと一緒に入っているのを渡されて、私が動いた風で吹き飛びそうになるのを拾い、結構大変な思いをしながら乗せました。
まぁ、おめでたいですね。
ちなみに、私は無類の「柚子好き❤」。基本的に二層のような混ぜ物は好きじゃないのですが、これが最高でした。
今月のsakuya's specialコーヒー
これは私が勝手にやっていることですが、大体私が「コーヒースペシャリスト」の知識で選んだコーヒー豆を挽き、ハンドドリップで丁寧に淹れて、低額でコーヒーを提供するということもしています。
基本的に私が行っているボランティア先では、運営予算で揃えている
スティックコーヒー
ティーバッグ
日本茶
ココア
などが常備されており、「コミュニティカフェ」なので、静かに飲み物を飲みながら読書をしたいという人が来てもOKのため、100円でこのようなドリンクも用意しています。
ランチタイムや子ども食堂の時間帯にご飯を食べに来た人には、無料で(お料理の料金以外は頂かずに)、麦茶を用意してあるので、飲み物の注文は必須ではありません。
ただ、
私自身がせっかく資格を取得した
好きぴもデザートは作らなくていいのに必ず作る
美味しいコーヒーは飲みたいけど淹れ方が分からない
という方が多いため、初めて見たら徐々に飲まれている方が他の方にも勧めて頂き、今では食事をしに来られた大人の方の約8割が私のスペシャルコーヒーを注文してくれます。
ちなみに、先ほども触れた通り、スティックコーヒーが100円のため、私のスペシャルコーヒーは200円を頂戴しています。
今では大体何杯くらい出るかわかるため、予算内でトントンになるか、少し利益が出る程度の金額を上限にコーヒーを選び、毎月提供しています。
【間に合わなかった福袋】
ところで、1月と言えば「福袋」や「初売り」がありますよね。私は基本的に物欲があまりないので、福袋は買わないのですが(特に抽選があるようなものは)…。
KALDIの福袋は「抽選タイプ」と「店頭でも新年から買えるタイプ」とがあり、ちらっとサイトを覗いたら、凄いラインナップが安く買えそうだったので、これを目当てに店舗に行ったら売り切れでした_| ̄|○
画像が小さくて見づらいかもしれませんが、今年の福袋は
ニューイヤーブレンド2025(200g)
ブルーマウンテンブレンド(200g)
ブラジル ダークロースト カルデモミナス地区(200g)
KALDIオリジナルバッグ
で2,000円くらいだったので、バッグはどうでもよいのですがお得過ぎてこれを狙いに行きました。
先ほども触れたように買えなかったのですが、ニューイヤーブレンドはないものの、ブルーマウンテンブレンドとブラジル カルデモミナス地区 ダークローストブレンドは買えることがわかり、せっかくなのでダークローストを今回は買いました。
【コーヒーのアカデミー賞?!世界大会COE(Cup Of Excellence)とは】
コーヒー好きな人でもあまり知らないことですが、コーヒー豆の世界的品評会である「COE(Cup Of Excellence)」というものがあります。
よく知らない人のために少しだけ解説をしておきますと…
コーヒー自体はかなり前から「フェアトレード」が根付いており、コーヒー生産者にお金が回る仕組みが作られていますが、この流れは、チョコレートなどにも及んでいます。
その年、COEで受賞をしたコーヒー豆は先にも触れた通り、「高値」で取引されます。
【2024年 COE第二位受賞 ブラジル カルデモミナス地区 ダークロースト】
私が今月選んだコーヒーが「ブラジル カルデモミナス地区 ダークロースト」なのは、COEで2位を受賞したためです。
通常であれば、手に入らないほどの高値がつきますが、ランクの関係とKALDIが大量に買い付けを行うためか、何とか予算内におさまったのでこちらをチョイスしました。
ブラジルは最大のコーヒー生産国でありながら、自国でも消費が多い国でもあります。
国家的にコーヒーの品質をあげる取り組みや、評価される仕組みが年々しっかりとしてきており、良いものを作れば高く売れるという仕事にもなっています。
なかでも、沢山の優秀なコーヒー農園からなる「カルデモミナス地区」は、毎年COEで受賞農園を出すほどの実力のある生産者ぞろいですが、昨年はダークローストが受賞をしました。
あくまで私のつたない品評ではありますが、ダークローストはコーヒーチャートでいうと
深煎り
チョコレートのような香ばしさ
深いコクとうまみ
苦味はあるもののフルボディほどパンチがあるわけではない
苦味寄り(中央でも酸味寄りでもない)なのに、香りが優れている
という点が、非常に評価できる「面白いコーヒー」だなと感じました。
私のコーヒーを頼んでくださった方には、好きぴのデザートを私が預かり、淹れたてのコーヒーと一緒に提供をすることにしています。
今回の好きぴのデザートは「柚子カードとチョコの二層ムース」でしたが、上に柚子カードがきているため、軽い酸味と香りを楽しむことができ、下へ行くとチョコの甘味と苦味を楽しめる味の階層になっていました。
一方で、私のコーヒーも、深煎りでうまみとコクと適度な苦味がありつつも、香りも豊かであり、好きぴのデザートと一緒に口に含むと、香りの階層、コクの階層、うまみの階層、苦味の階層の全てにおいて、「マリアージュ(コーヒーは本来ペアリングと言いますがw)」を楽しめるセットになっていました。
好きぴとは、コーヒーとスイーツを事前に打ち合わせをしたりしないのですが、選んだものが毎月最高の組み合わせになっており、片思いの私は「私たちのマリアージュをご堪能下さい」と食べに来た人と好きぴにアピールしています(笑)
サプライズバースデーは蝋攻めとボヤ騒ぎのかほり
私が好きぴと出会ったのは約4年前ですが、ここでのボランティアを始めたのはもっと前、コロナ禍よりも数年も前でした。「メイン」のご飯当番として入り、毎月数日間お料理を作っていました。
いったん起業に挑戦しようと田舎の戸建てを格安で借りて「二拠点生活」をしながら進めていました。
忙しくなるため、ボランティアを抜けました。
それから1年も経ずに田舎の拠点で倒れ、都内の方がかかりつけの病院が多いためこちらに戻ってから通院すると、頭の中に爆弾があることが分かり、手術は緊急を要するものではないし、位置的にも成功率が低い。ただし、今回のように倒れることはしばしば起こるであろうとー。
ショックは計り知れませんでしたが、うちの家族は色々と問題を抱えており、この時は父も生きていましたが高齢であったため、誰もこんな田舎をたたみにくることはできないだろうと、自分で用意したものを自分で片付け、二拠点生活→元の一拠点一人暮らしに戻りました。
ちょうどそのすぐあと。父が難病であることが分かり、そこから数年で他界したので今となっては意味のあるタイミングだったのだと思っています。
父の遺品整理と、目がほとんど見えず一人で外出もできない母の服などを、ボランティアに行っているコミュニティカフェに寄付すると、表で格安でフリーマーケットとして販売し、その収益がコミュニティカフェの運営に回るため、時代遅れのデザインや、新しくてまだ着られるものなどを大量にコミュニティカフェに持って行った際、たまたま運営している「長」の人がいて、ボランティアに戻ることになりました。
ただ、その「長」は人の神経を逆なでするところがあり、仏のsakuyaこと私(笑)とも何度も衝突しては、私が一人で嫌な思いをするというかんじだったので、病気のことは知られたくなく、復帰は不安がありました。
ところが、「今さ、日曜日にボランティアしてくれるsakuyaちゃんと同じくらいの年齢の子がいるんだけど、日曜日だからなかなかサブで入れる子がいなくて。sakuyaちゃん早速次の日曜日に入ってくれない?」と聞きながら?、こちらの返事を待たずに予定表に私の名前を書いていました。
(相変わらずだなぁ・・・)
と思いつつも、サブなら最悪私が倒れて連絡なく来なくなっても、困るのはメインの子だけで、何とかなるかなと思い引き受けました。
会って2回目で、私が好きぴに告白しましたが、「好きは難しいですよね…」とやんわりお断りされました。
それから会うたびに色んな話をしながら一緒に料理をし、最初の頃は私が取得した資格を使って、カフェタイムの1回か2回分をお借りしてワークショップを開いたり、会うたびに何かをあげるようになり、誕生日を聞き出して食べに来られた人にこっそりと「バースデーソングを歌って欲しい」とお願いをしてサプライズバースデーをするようになったりしていきました。
最初にサプライズバースデーをした後日、好きぴが「私はプレゼントあげたりもらったりするのが好きじゃないんですよね。結局あげてもらってだけだから」と言ってきたこともありました。
暗に「サプライズバースデーが負担だ」って言ってるのかな?と思ったこともありました。
私がサプライズバースデーをしたのは、出会って2年目の頃だったと思います。
「雪苺娘」というスポンジケーキを求肥で包んだ美味しいスイーツがあり、コンビニなどでも売っているので見たことがある人は多いと思いますが…。
あれにこっそりとろうそくを1本立てて火をつけ、カフェの電気を暗くして、好きぴには目隠しをして中央に立ってもらい、もう1人にお願いをしてケーキを好きぴの前に持って行ってもらい、目を開けてというと目の前にケーキがある状態で、私はフルートを吹きながら皆さんに歌って祝ってもらうというもの。
帰国子女の好きぴには「Make a wish(願い事を決めて)」と伝えて(海外では願い事を想いながらろうそくを吹き消すと叶うという伝説?があります)、ろうそくを吹き消してもらい、別に用意したプレゼントを渡すというもの。
1回目のサプライズバースデーの後日は、先に触れたことを言われてしまったのですが、大事に家に持って帰って、後で食べようと楽しみにしながら冷蔵庫に入れて置いたら、甘党のパパン(好きぴ用語でお父さんの意味)がこっそり食べたらしく(笑)
「気づいたら一口分だけしか残っていない状態で元通りに冷蔵庫にしまってあった」と半ば呆れたように言っていました。
翌年の1月に好きぴのパパンが亡くなり、2月のお誕生日も同じように雪苺娘とプレゼントでサプライズバースデーをしました。
その時好きぴに「去年はパパンがほとんど食べちゃったって言っていたね。懐かしい想い出だね」というと、色んな想い出が浮かんできたのかふふっと好きぴが笑って、「うちのお父さん本当に変な人で、私がママンが入院していたときにマドレーヌを焼いてパパンが車で届けてくれたんだけど、行く途中で食べたらしくて。ママンに渡すころにはかなり減っていたこともあって。あの時は私も本当に怒りました」と。
好きぴは自分の事、自分のご家族の事。自分から話すタイプではありませんが、1つだけでも、好きぴとご家族の想い出になることができたこと。好きぴが自分から話をしてくれるようになったこと。パパンとの想い出。私と好きぴの関係性が少しずつ深まり、変化していくこと。色んな事が嬉しくて、私は好きぴの話を「うん。うん。」と楽しく聞いていました。
不思議なもので、好きぴのパパンが亡くなったその年の12月。今度は私の父が他界。祖母と同じ難病でしたが、60代で他界した祖母に対して70代で発症して3年ほどで他界した父。祖母が守ってくれていたんだなぁと思います。
この章の冒頭に戻りますが、出会った頃は「何のために誕生日を祝い合ったり、プレゼントをあげるか意味が分からない」と言っていた好きぴ。
毎年のサプライズバースデーも困惑顔だったのに、なんと!
なななななんと!!!!
今年は「好きぴが自らサプライズバースデーを私のために開いてくれ」ました。
プレゼントをもらっても、人には返さない。意味が分からない。と言っていたあの好きぴが、好きと言い続けて約4年。
まさか、自らお祝いしてくれる日がくるとは!?人間って変化する生き物なのは知っていますが、好きぴは芯があり、意外と頑固なところもあるので、本当に色んな意味で「サプライズ」でした。
私は食事の提供時間は当然ホールにいるので、急に好きぴが電気を真っ暗にし、いなくなったと思ったら、私の為だけに焼いてくれた「マフィン」にろうそくを刺して持ってきてくれました。
ハッピーバースデーもそこに食事に来ていた皆さんで歌ってくれて、日本語で「願い事をしてね」と言われ、私の願いはもう決まっているのでさっと吹き消そうとすると、その光景は「恐怖の館」www
マフィンとその日のデザートをひとより少し多めに持って一皿で持ってきてくれたのですが、早めに火をつけたらしく、ろうそくがマフィンに垂れまくり、もう1つの🎂にも垂れ、その様子はさながら私の専門、いや性癖である「SMのろうそくプレイ」さながr…いや止めておきましょう(手遅れw)
ろうそくを吹き消すと、好きぴが恥ずかしく思ったのか、マフィンに垂れた蝋の塊とさらにへばりついている蝋を手で剥がしにかかりましたwww
こう言うところも含めて好きぴが大好きなのですが、本人はマフィンが剥げてしまって(蝋をはがしたため)、完璧な状態を私に食べてもらえないことががっかりしている様子でした。
サプライズだったのでもちろん蠟が垂れているところは撮影していませんが、「剥げたマフィン」は撮影しました。
【蝋攻めで蠟を好きぴが剥がした私専用マフィン💕】
私はこれはこれで、本当に嫌味なく、心から嬉しい想い出です。だって、あの「プレゼントとかサプライズの意味が分からない」と言っていた好きぴがやってくれたんですよ。
嬉しさしかないじゃないですか。
もちろん「スタッフが(私が)美味しく頂きました」ので、フードロス警察の方ご心配なく(笑)
さらに、好きぴから「プレゼント」までもらっちゃいました。
【好きぴからのバースデープレゼント】
好きぴのくれた今回のプレゼントは「バスパウダー」でした。バスソルトっておしゃれだけど、日本の配管を錆びさせてしまって長期的に修繕が必要になることが多いんですよね。
その意味では「バスパウダー」というのは嬉しいです。
あと、私の一人暮らし用マンションはユニットバスの上、バス・トイレ別ではないので、基本的に入浴はしません。
でも、うつで不眠が酷い時や疲れているのに興奮して眠れない時などは、洗面台に栓をして手浴をしたり、余裕があれば折り畳みバケツを引っ張り出して足浴はしたりしていますので、その時に使わせてい…くっ使わせて…使えないだろうなぁ( ;∀;) 好きぴがくれたプレゼントだもーん。
でも、鮮度の良いうちに使って感想とお礼を伝えようと思います。
好きぴのママンも実は「うつ」。調子がいい時は鼻歌を歌いながら、ボランティアの仕込みを手伝ってくれるそうですが、元気がないと食事もしないでかなりダウンしてしまうようです。
身近で見ているからこそ、好きぴは私が明るく元気に皆さんと触れ合っているのを見て「本当に凄いね」と言ってくれます。他の人に言われても「いや、そんなことないですよぉ」って言ってしまう私でも、素直に受け取れるそんな力と優しさと愛が好きぴの言葉にはこもっています。
「バスパウダー」には、そんな好きぴの配慮も含まれているのだろうなと思います。
【サプライズバースデーの後に裏口を見たら…】
さて、ここまでで終わったらろうそくの爆笑で終わったのですが…。
そこで終わらないのが、「俺の嫁=好きぴ」です(笑)
サプライズバースデーが「恐怖の館」で終わってしまって落ち込んでいる好きぴ。気づくのが遅くなりましたが、裏口から煙が入り込んでいて、裏口のドアの窓部分からでも「火柱」が上がっているのが見えます。
好きぴはしきりに「ボヤ」と言っていましたが、私に言わせると「火事」です(東京消防庁のボランティアです('◇')ゞ)
裏口に瓶や缶や、5段ボックスなど不要になったものを整理したら置いておき、片付けだけをやってくれるボランティアの方もいるので、その方達が定期的に確認をして処分をしてくれるのですが…。
好きぴは私のケーキにろうそくを灯し、消えた(と思い込んだ)ろうそくを裏口に置いてあった5段ボックスにそのまま置いたようなのです。
それで、その後の私へのプレゼントや、他の方への食事の提供に戻ったら、ケミカルなものが燃えている有害な煙がもくもくと上がりながら、火柱も私の胸くらいの高さまであがって、ろうそくが5段ボックスの天板を溶かし、下の段も溶かし、その下の段を溶かし始めている時に気づきました。
5段ボックスの中に燃えやすいタネもあったのか、ろうそく自体が燃え上がるということはないのですが、火種であるろうそくは下の段に落ちてしまい、5段ボックスはろうそくが降りていったところから火柱をあげていました。
やかんなどに水を入れて消化を試みるものの、根本の火元であるろうそくが下の段に落ち、さらに奥まったところに入ってしまい、引き出しは溶けて開かず、なかなか消化が進みません。
裏口も開けているので、有害な煙がカフェ内にも少しずつ入り始めているところで、私が気づき「消化を代わるよ」と言いました。
以前はスプレータイプの消化器も常備していたのですが、古くなったのを機に買わなかったようで、大きな消化器はもちろんあるのですが、火元自体はそこまで大きくなく、効果的に火元に当てられれば大丈夫と判断し、5段ボックスを寝かせ、火元へ先の長いじょうろのようなもので水をかけやっと収まりました。
が、念のため、全体にももう一度水をぶっかけておきました。
こちらが残骸です
プラスチック系の「不燃ごみ」ばかりを溜めていたため、奇妙な燃え方というか溶け方をし、有害な煙が出てしまいました。
規模的には確かに「ボヤ」でおさまったものの、消火がなかなか進まなかったので、割と危なかったです。私が気づいて良かったです(´▽`) ホッ
【それでもやっぱりこの人が好き❤】
好きぴは私への「サプライズバースデー」という、自分はやられるのが好きではなく(今はどうか分かりませんが少なくとも3年前は引き気味だった)、さらに私が気づかないように一生懸命用意していたと思うので、成功させることにいっぱいいっぱいで、「メインシェフ」としての担当日にこのようなことになったことで、珍しくとても落ち込んでいました。
また、私のサプライズバースデーも、このことで「台無しになった」と感じているようでした。
私は人から何かをしてもらっても、上手に、可愛く喜びを表現できないタイプなのですが、嬉しかったことを一生懸命に伝えました。
また「燃えたものは全部廃棄する予定のものだから大丈夫だよ」と慰めましたが、運営の長には報告しなければならず、そのことも気が重くなっているようでした。
それでも、好きぴは芯があり、自分をきちんと持っている人なので、長引きはしないでしょう。
来月は好きぴのお誕生月。恐らくボランティアの日は誕生日前になると思いますが、月1なので、どでかいお返しをしたいと思います
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