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オンライン時代に求められる話し方⑨「選択肢を設ける」

  オンライン時代の大きな特徴は、「途切れ途切れの断片的な情報」であったり「入出がある程度自由」ということが挙げられます。つまり、そこには「短時間で判断してもらう」ということが求められるのです。

 オンラインで話し手がダラダラと長く話したのでは、内容がよほど優れていなければ、聞き手が飽きてしまい、すぐ他のサイトに移ってしまいます。

 そこで、有効なコミュニケーションのスキルとして思いつくのが「質問」です。質問も大きく分けると2つのやり方があります。それは「オープン」と「クローズド」のクエッションです。

 「オープン・クエッション」「〜についてどう思いますか?〜どうお考えですか?」という質問です。この質問だと、話し手は自分の意見や考え方についてさまざま発言することができます。ただしこの場合、「人前でのコンパクトな話し方」「簡潔に表現する方法」などについて、学校教育で学んだことがない我々日本人にとっては、自分の考えや意見を聞き手が集中して聞いていると思うと、舞い上がって緊張して話が冗長になってしまう可能性が大でしょう。

 そして、もう一つの質問の種類「クローズド・クエッション」とは、「YESですか?それともNOですか?」「それはアナログですか?デジタルですか?」というように限定して質問するやり方です。このように限定して質問することによって、聞き手の考えをいち早くキャッチすることができ、会話もリズミカルになります。

 こうなると、オンライン時代の話し方において挙げられるポイントとして「選択肢を設ける」というテクニックが考えられます。

 この「選択肢を設ける」というテクニックは、「交渉時」や「ディベート」などの時によく出てきます。この時「外堀から埋めていく」「大枠から絞り込む」という時に2択で質問していくとざっくりとですが、相手の目的や傾向や特徴といったものを理解できることでしょう。

 しかし、ずっと2択で質問されると、なんだか「尋問」を受けているかのよに思われてしまう可能性があります。例えば、上司が部下にプロジェクトメンバーになるに際して、「君一人でプロジェクトに加わるか?それともA先輩と一緒に加わるか?どっちがいい?」と質問した時、上司の気持ちからすると、「私は上司として、部下の君の考えを尊重する姿勢でいる」「良かれ」「親切心で」と思っています。

 ところが部下からすると、「それって2つのうち、どちらか1つを選べということですよね?つまり、半強制ですか?・・・」と思われる場合があります。

 でも、ご安心ください。このような場合、相手に「半強制?」などと思われないで済む方法があります。それこそが「3択の選択肢を設定する」ということです。先程のプロジェクトメンバーになってもらうにあたっての選択肢も「3つぐらい考えられると思う。1つ目は、〜2つ目は〜、3つ目は〜です。さてどうだろうか?」となると「自分のために3つも選択肢を設けてくれた!」という想いが先立ちます。こうなると不思議と「さて、3つのうちどれを選ぼうか!」と、自然と選択する方向へと持っていくことができるのです。

 そして、この「2択」と「3択」をミックスした「クローズド・クエッション」を使うことによって、相手の考え方や判断基準とを手短に話してもらうい、最後の「あと一押し!」「決断」のところでは、相手を尊重した「3択」の設定で進めると、自分が尊重されていると感じて、自ら選択するという「こちらからの押し付け感」の雰囲気がなくなり「自らの意思で選ぶ」という「ウィン・ウィン」の理想的な関係や結果に持っていくことができるのです。

 これは自分自身が「わかりやすく」「簡潔に」「印象深く」話すときのテクニックの「3点法」と同じで、3つの分け方は身近なところに目を向けてみると結構さまざまなパターンがあります。「天・地・人」「衣・食・住」「和・洋・中」「松・竹・梅」「正・反・合」「走・攻・守」「守・破・離」等々です。

 さらに、裏技としては、「あと一押し」の「クロージング」等の場面では、3択の中に「捨て駒」を上手にカモフラージュして入れておくのです。こうすることで、相手は「捨て駒」に注目してそれを除外する判断をします。こうなると自然と残り2つのうちから選ぼうとするので、こちら側がお勧めする選択肢を選ぶ可能性や状況も整ってくる訳です。

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