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紡ぐフィルム

??:凄い、とても綺麗だよ。咲月。

そっと、咲月にかかるレースのヴェールを取る〇〇

咲月:…もう!//いつもはそんなこと言わないのに!!//〇〇もすごい似合ってる!

そんな〇〇も今日はピシッと綺麗なタキシード。本当にカッコイイ。

〇〇:ふふっ、ありがとう!

咲月:…全然照れないんだね?

〇〇:今日だけは咲月を主役にしたいから。

咲月:…ありがとう//でも主役は二人がいい!

〇〇:ふふっ、咲月らしいね。もちろん。一緒に歩んでいくんだから。

これから紡がれていくのは、私菅原咲月と、池田〇〇の最高の人生。酸いも甘いも、沢山経験してきた私たちの大切な思い出。

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私たちの出会いは、小学校に遡る。

咲月:…うぇぇぇん!痛いよぉ!

〇〇:もう!さつきはいっつも転けるよな!

咲月:わたしだって転けたくて転けてないもん!

〇〇:ほら!乗って!家まで行こう!

咲月:…ありがとぉぉぉ

私たちは家が歩いて数分くらいにある幼なじみ。幼稚園は違ったけど、小学校で出会ってからよく一緒に遊んでいた。

咲月:…もう大丈夫。

〇〇:…ほんとに?

咲月:いっしょに歩こ!

〇〇:…よーし!降ろすよ!

咲月:うん!

そう言って私を降ろしてくれた〇〇。その頃からすごく優しくて気付かないうちに私はあなたの事が好きになっていたのかもしれない。

咲月:ねぇねぇ!

〇〇:ん?どうしたの?

咲月:…好きな子とかいるの?

〇〇:なんだよ急に、いないよ!

咲月:…ふーん?

〇〇:そういうさつきはいないの?

咲月:…ないしょー!

〇〇:あーっ!逃げるなよぉ!

この頃は〇〇は私の事全然意識してなかったみたい。なんだか歯がゆくなってきちゃう。
そんな感じの小学校時代を過ごして、中学に上がった。
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中学になるとやっぱり色恋系は一気に加速するよね。かくいう私も。

咲月:…どうしよぉ!!

??:…どうしたの、咲月。

咲月:聞いてよ!和!最近〇〇が一緒に帰ってくれないの!!

この時期は多感な時期だと今思えばすぐ分かるんだけどね。でも、この頃は分からなかった。

和:ふーん、

咲月:全然聞いてくれないじゃん!

和:まあね、だって理由なんてすぐ分かるもん。

咲月:なんでわかるの!?教えてよ!

和:そーゆーのは自分で見つけるのがいいでしょ。

咲月:むぅ…たしかに。

そんなやり取りをした後の帰り道。1人で寂しく通学路を歩いていると。

〇〇:〜〜。…〜?//

和:…!!〜〜?笑

咲月:…うそ。なぎ?〇〇?

ふたりで仲睦まじく帰っている姿を目撃した私。今も思うけどこの時は本当に目の前が真っ暗になった。この時だけね。

咲月:………っっ!!

〇〇:…あっ!咲月!

和:さっちゃーん!

咲月:来ないでっ!!

〇〇:…えっ?

和:あっ…さっちゃんこれは…

咲月:良いの!!私より和の方が可愛いし幸せになれるじゃん!私一人で帰るから!

そう言って走っていったの。真っ直ぐ家に帰る気分でもなくて小さい頃よく行った少し遠くの公園まで。

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〇〇:…咲月行っちゃった。

和:あちゃー…これは、私が悪いわ。

〇〇:なんで井上が。

和:…さっちゃんには内密にね。

『あの子〇〇君のこと大好きなの。』

〇〇:…嘘だろ。

和:…私が行くより〇〇君が行った方がいい。

〇〇:…ごめん、井上ありがとう。行くわ!

和:ふふっ、ついでに告って来なよ!

〇〇:…それは///

和:いいから行け!!

〇〇:おう!

これは後日聞いた話。もう!あの2人勘違いさせるなんてさ!今でも和とは仲がいいけどこれだけはたまに恨み言で言ったりする。でもそれが言えるくらいに思い出にも残ったんだけどね。
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そして公園で。

咲月:…うぅ。なんでよ…。

1人でベンチに座って泣いてたの。随分時間も遅くて。でも帰る気分になれなかった。

咲月:…もう嫌だぁ。

ずっと泣いてて、でも声が聞こえてきたの。

??:…いた!!咲月!!!

咲月:…なんでわかるの…。〇〇…。

〇〇:何となく!ここでよく遊んでたから!

ものすごい息を切らしながら〇〇は来てくれた。それでもって顔も真っ赤。凄い焦ってきたのかなって。少し申し訳なくて。

咲月:…大丈夫。先帰ってて…。

〇〇:嫌だ。帰らない。

咲月:…和と付き合ってるんでしょ。早くそっち行きなよ。

〇〇:違う!

咲月:…えっ?

〇〇:井上のは咲月の勘違い!

咲月:…ほんとに?

〇〇:嘘だったらここ来ないよ…。

咲月:…うぅぅ。ごめん…。

私の勘違いってことに気づいて、ひとしきり泣いてたの。そしたらさ。

〇〇:…咲月。よく聞いて。

咲月:…なにぃ。

〇〇:俺はさ。

『咲月のことが好きだ。』

咲月:…えっ!?

〇〇:俺と付き合って欲しい。

咲月:…。

〇〇:…咲月?

咲月:…ばかぁ!!私の方が大好き!!

この時は泣きながら飛びついちゃった。ごめん〇〇、制服のクリーニング大変だったと思う。
でもそれくらい嬉しかったんだ。

咲月:…うぅ。よがっだぁ。

〇〇:…落ち着いてきた?

咲月:…うん。

〇〇:よし、一緒に帰ろっか。

咲月:…ふふっ、帰ろう。

2人で何回も何回も歩いてきた道。でもいつもと違うのは、手の部分の影か1つになっていたこと。

咲月:そういえば、最近なんで一緒に帰ってくれなかったの?

〇〇:…咲月がかわいくて、一緒に歩くと恥ずかしくなりそうだった。

咲月:…ふぇっ///

〇〇:…恥ずかしい//

咲月:…ふふっ、〇〇。こっち向いて、

〇〇:ん?なにっ__

静かに唇を重ねた。私のファーストキス。
…もちろん今後も同じ人としかしないかな。

〇〇:…さつきぃ!////////

咲月:ふはっ!顔赤い!!

〇〇:…そういう咲月の顔も結構赤いよ。

咲月:ふぇっ!/////

そうして、家に着いた時、ママがすぐ飛び出してきて凄い私を怒ってた。でも〇〇が色々話してくれると、ママは私を抱きしめながら少し泣いていた。
思い出す時に胸がキュッとするけど、大切な思い出だな。

そんな感じで中学時代を過ごし、高校へ。2人で頑張って同じ高校に入学した。
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咲月:…じゃーん!どう?似合ってる?

〇〇:…すっごい似合ってる//

咲月:…自分で聞いたけど、ちょっと恥ずかしくなってきた//

〇〇:…いやでも、めちゃくちゃ似合ってるよ。

咲月:…ありがとう、〇〇も凄く似合ってる。

〇〇:おう…やっぱ恥ずかしい…//

咲月:…あっ!そろそろ時間!行こう!

〇〇:やべっ!おう!行こう!

入学式で一緒に写真撮ったり。同じ高校に上がった和とも仲良く3人で遊んだり。色々したけど、1番の思い出は…。
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咲月:夏祭り?

〇〇:あの神社でやるって。今年も一緒に行こう!

咲月:うん!行きたい!

毎年やってる近所の夏祭りに誘われた。花火も上がる結構大きめの。彼氏と行くってこともあって凄い張り切ってね、浴衣に慣れない下駄なんて履いちゃった。
そして、約束の時間になる。

〇〇:…まだかな?

咲月:ごめん!待たせちゃった!!

〇〇:いや全然……。

咲月:…どう?似合ってる?//

〇〇:…めっちゃ可愛い//

咲月:…頑張ったの//〇〇も甚平似合ってるよ//

〇〇:ありがとう//さ、花火始まる前になんか買おう!

咲月:うん!!

色々周りながら2人で歩く道。焼きそばにりんご飴にラムネ、色々食べながら。そしてもうすぐ花火ってところで…。

〇〇:…そろそろ見える位置移動しよっか。

咲月:うん!行こ、っだぃ…。

〇〇:咲月?どうした?

咲月:…ううん、なんでもない…。

〇〇:…足見せて。

咲月:…ごめん。

慣れないものは良くなかった。見事に靴擦れして血も出てた。

〇〇:…ごめん。もっと早く気づけば…。

咲月:…ううん、〇〇悪くない、私が言わなかったのが悪い…。

〇〇:…とりあえず帰ろう。この状態じゃ良くない。

咲月:…ごめん。

〇〇:全然大丈夫!

そう言いながら私を背負って一気に階段をかけ下る〇〇。

咲月:…私が慣れないことしたから…。ごめんね。

〇〇:いーのいーの。気にしないで。早く足手当しよ。

咲月:…うぅ。

〇〇:泣かないの。可愛い顔が崩れるよ。

咲月:…〇〇って意外とキザだよね…。//

〇〇:…ちゃんと聞きやがって//

そんなこんなで家に着く。でも上がったのは〇〇の家だった。

〇〇:…とりあえずこんなもんかな?

咲月:…ごめんね。花火。

〇〇:…大丈夫。もう少し待ってて。

咲月:…?

〇〇:…咲月、少し屋根のとこ上がれそう?

咲月:…えっ、上がれると思うけど…

数分後、すっかりぬるくなったラムネを持って屋根上に上がる私たち。

咲月:…屋根登ってどうしたの。

〇〇:…始まるよ。

咲月:…?…わぁ!

私たちは夜空に輝く綺麗な花火を目の当たりにした。〇〇の家の屋根からはハッキリと見えることを知らなかった私は思わず食入ってみていた。

咲月:…綺麗。

〇〇:…ほんとだよ。

咲月:…〇〇、ありがとう。

〇〇:ふふっ、特等席、良いでしょ。

咲月:…最高!

〇〇:…咲月、こっち向いて。

咲月:ん?んん____

この時のキスの味はラムネ味だったなぁ。
高校の甘い思い出。
そんなこんなで高校も卒業し、大学も卒業して社会人へ。
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社会人になるとそれぞれが働き始めるから中々あったり出来ないと思ってた。
その最中で〇〇はすごい提案をしてくれた。

〇〇:…一緒に住まない?

咲月:…いいの?

〇〇:もちろん。一人暮らしよりも良いし。

そうして同棲することになった私たち。
初めは上手くいかないことだらけだった。

〇〇:さつきー?ごみ捨て行った?

咲月:ごめん!忘れてた!!

〇〇:…もう、何回目だ?

咲月:…ごめん。

こんな日もあれば。

咲月:〇〇!洗い物してない!!

〇〇:やばっ、忘れてた!

咲月:…何回も言わせないでよ。

〇〇:…ごめん。

こんな日もあった。なかなかリズムがつかめなかったし、明らかにぶつかることが増えた。

咲月:もういい!ちょっと出る!

〇〇:咲月!待てよ!!

咲月:いいから!!

そう言って出ていったこともあった。
でも、毎回毎回仲直りができていた。
なんでかと言うと。

〇〇:…咲月。さっきは本当にごめん。

咲月:…ふん。

〇〇:…次はもうないようにする。

咲月:…私の方こそごめん。言いすぎた…。

〇〇:全然。俺が悪かった。

こうやって、どんな喧嘩でも必ず〇〇が最初に謝ってくれたから仲直りができた。不器用な私を素直に受け止めてくれる。自然と居心地がすごく良くなっていったの。
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そうやって日常をすごして約1年くらい。ちょうど私の誕生日に私たちにとって大切な思い出が生まれる。

〇〇:咲月!誕生日おめでとう!

咲月:すごっ!これ全部〇〇が!?

〇〇:もちろん、手によりをかけましたとも。

咲月:流石だよ。凄いよ良い旦那になれるよ。

〇〇:…おおぅ。そうかぁ。

咲月:…どしたの。

〇〇:いやっ!一緒に食べよう!

いつも私たちの誕生日は家で過ごすようにしてた。どこかに出かけるのもいいけど、1番落ち着いた空間にいるのが心地よかった。

そんな感じで一頻り料理も楽しんで少し経った時。

〇〇:…咲月。お誕生日おめでとう。これ。

咲月:ありがとう!!何かな?プレゼント!

〇〇:…開けてみて?

咲月:ふふっ、……ふぇっ!?

可愛らしいラッピングを剥がしたら出てきたのは指輪だった。

〇〇:菅原咲月さん。俺は貴方と一生を共に過ごしたい。

咲月:…うぅっぅっ。はぃ…。

〇〇:…結婚。してくれませんか?

咲月:…私からも、おねがいじまずぅ!!!

人生最大級のハッピーな思い出。今のところのハイライトかな?
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こうして迎えた式当日。
友人代表スピーチを任せたのは、

和:菅原さんと池田くんは…

やっぱり和だった。なんだかんだでずっと一緒に過ごした友達だったし。

〇〇:…っ。

咲月:ははっ、〇〇泣くの早すぎ〜。

〇〇:…だって、最愛の人が最高の格好して隣いて、友達が俺たちを祝ってくれてるんだぞ。

咲月:…惜しげも無く伝えてくんな///

和:…〇〇くん泣いてるし、さっちゃんは超顔赤いけど!2人とも!おめでとう!

こうして披露宴、結婚式も終えた私たちはホテルの一室でゆっくりしていた。

〇〇:…とりあえず一段落だね。

咲月:…何言ってるの。これからだよ?

〇〇:…ふふっ、頑張らないとだなぁ。

咲月:…私も。いつまでも支え合っていこうね。

〇〇:…咲月が支えてくれるなら百人力だね。

咲月:〇〇…。//

〇〇:…咲月?

咲月:ん?

〇〇:これからは、俺の妻として、嫁として、でも、菅原咲月として、これからもよろしくね。

咲月:…〇〇ぅ!大好きだぞ!!

思いっきり抱きしめながら私は言った。

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ここまでが私たちの人生のプロローグ。
これからは、家族だって増えるだろうし、色々な困難だってあると思う。
それでも、私たちは微笑みながら『永遠』を願いあった。
これからも紡いでいく、このフィルムは一体どれくらいの長さになっていくのかな___。


ー紡ぐフィルムー




























あとがき
最近部活の筋トレが強度を増し始めた強めの強炭酸です!制限で炭酸飲めません!悔しい!
今回のヒロインは菅原咲月ちゃんです!
さっちゃんは個人的に素直で書きやすいなって思いながら書いてました!
頭の中で展開を考えながら文を作ったので所々おかしい部分があったら申し訳ないです!
そして、とある曲をモチーフにして見たので気づいた方はぜひご感想と一緒に答え合わせをしてくれればと思います!
恋咲くblossomの方もよろしくお願いします!
ではまた次回!

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