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戻れない場所
この前、ふと見つけて、Facebookにちょこっと載せた写真なんだけど、色々感慨深いものがある。
どこかで語ろうかな、とか思ったり、プライベートなものなんで、ねえ、色々。
僕とみずほさんという人。障害の種類は書かないでおく。
このみずほさんのね、表情が素晴らしいですね。
スッとね、この佇まいですよ。この柔らかな表情です。全く媚びのない、躊躇のない、ただそこに居るだけでね、凄いな、って人なんですね。こう言う人達がいました。
こう言う顔の人達。そして、みんながこう言う顔が出来てた。
みずほさん、格好いいですね。最高ですね。凄い姿です。
作りもんじゃ無い、本当の人の姿。この笑顔がね。これが笑顔ですよ。分かりやすいのは作り笑いですからね。こう言う媚びてない、尊厳に満ちた佇まい、ね。もっと言えば人間こう言う風じゃなきゃ、ね。
これねぇ、僕も良いですよ。若いのでギラギラはしてますが間合いもしっかりしています。距離は生じさせずも、ベタベタしてません。ピースしてますねぇ。そんなことするかなぁ、と当時の僕を思い出しますが、よく見るとね、みずほさんがピースしてるんですね。あ、これに合わせたな、って。
ぱっと見て分かる人はそんなに多く無いでしょうが、とても良い立ちです。場になってますね。
この1枚が物語るものは多いですね。
良い現場だったなってことはもう間違いないです。
今はこんな感じの場所は無いでしょう。
良い場って言うのは自然現象とは違いますからね。
偶然生まれるものではない。
そう見えたとしても、それはいつか誰かが想いを込め、技術をつぎ込み、作り上げ、残して行ったものであってね、無自覚なまま放置していれば、どんどん薄まってやがて消えて行きます。はい。ここの現場についてね、ある場所である方と話した時に、僕がそう言いましたね。
正直、僕が残して行ったものってね、かなりあるんですよ。あんまり言いたくはないですけどね。なるべくはね、若い時にとんでもなく良い場所に出会いました、って話にしてます。
この前ね、あるところに行きました。あ、施設です。障害を持つ方々とね、少し接して、ね、あー、良いなぁ、みんな素敵だなぁ、って思って、懐かしい感じですよ。普通のね、施設ですよ。昔の現場と同じなんです。一人一人は素晴らしい。けど、本領が発揮出来てない。僕ならもっと出して貰えるんですね。それはもうファーストインパクトってやつです。
佐久間が居た場所って大体良いところなんだけどね、はっきり言っちゃうと最初から良かった訳じゃないんです。
みずほさんと映ってる写真だから言うかなぁ。
一般的にも分かりやすい部分で一つ言うと、その人のキャラを作るってことです。キャラはね、普通の世界だったら自分で作るんだけども。キャラと言うのは一つの限界ですから、そこから出られなくなることもある、それに閉じ込められることもある、それでもキャラを使ってのみ発揮出来る力もある。だからね、賞味期限はあります。しかし、キャラを使って、キャラに乗っかると言う流れを、ね。僕は何人にもそう言うキャラを用意しましたね。そこから先は本人が演じて行きますから。
ま、これは一つの例に過ぎません。
で、もうちょっとここを深めた話も出来ますね。
それはまたいずれ、と言うことで。
場ってやっぱり人生と言う舞台と同じです。
むしろそれが凝縮されてる。
パーソナリティと場って言うテーマですかね。
人は環境によって作られる。人はまた環境の一部です。
僕のことで言うとね。この写真見ててもね、絶対良い場をやってますよ。まだ誰にも気づかれずに、ね。
この写真の1、2年前くらいがピークにいたんじゃないかなぁ。その辺りの幾つかの場がベストパフォーマンスなんじゃないでしょうかね。もちろんもうやれないですよ。個人芸としては、ね。バッチリスイッチ入っててね、直ぐに動けて、まあ、燦めきと言うのかね、瞬間の閃き、ドキドキ感、わくわく感、いやもっとですよ。ある人は言ったものです。見ててゾクゾクするって。ギリギリのところでやってるからね、ある意味でひりひりもしますけどね。綱渡りですよ。それが場です。
いやー、舞台ですよ。
場ってね、ドラマみたいだったり、映画みたいだったりね、音楽みたいだったり、哲学だったり、もっと精神性みたいなのが全面に出たり、宗教みたいだったり、色々あるんですよね。
このころ僕が立つ場は、ドラマチックでしたねぇ。なんかね、青春をね、感じさせる。見ててもね、感動して泣く人とかいましたからね。そんな場って珍しいです。他では見たことないですから。青春感じさせる場ってないですねぇ。
でもねぇ、やっぱりね、個人レベルでの想いみたいなのがね、まだまだ出るんですよ。若いですから。
16から場に立ってるんですから。いつもこれサラッと言いますけど。これはね、過酷なことですよ。
まあ、過酷さはこれまで語ってるかも知れないですが。でもね、それはおいてもね、同世代はそれこそ高校生ですよ。青春を謳歌してる頃ですよ。友達やら恋愛やらね。1番多感な頃でしょう。僕にはその時代がね、無いんです。いや、無いからね、こう言う舞台でそれを演じるしか無かったのかも知れないんです。だから、青春とはね、およそかけ離れた場所で、人が若さの輝かしさやら、切なさやら、儚さやら、そう言うのを感じてね、ときめいたり、人によっては涙を流すようなね、そう言う希有な場をね、命を賭けて創る。それも後に残らない、その瞬間のね。
懐かしいですねぇ。深いこともただの個人的なこともね、全部含めてね、あんまり言わないことだけどね、今日は少し話しすぎましたね。