空っぽ

私はからっぽになった

今まで常にゆうすけ優先だった生活が

全て自分の好きなように過ごせるようになった

自由だった

でも、自由を感じれば感じるほど

孤独も感じた


実家に帰って家族と過ごしても

地元で親友たちと会っても

全ての場所にゆうすけの影がちらついた

私たち2人が育った地元は

思い出が多すぎた

私の行動範囲と思い出の大半は

全てゆうすけと共有だった


一緒に過ごした地元の海で

ただひたすらボーっと波をみていた


この風景は6年前から変わらないのに

私たちは変わった

それはきっと自然なことで、

誰にでもあることで

時間が解決してくれることだ


ガラスの破片が長い年月を経てシーグラスにかわるのと同じように

私たちのこの気持ちも

時間の経過とともに角がとれて丸くなっていく

ガラスのように透明でまっさらだった心も

磨りガラスのように少しカスミががってゆくのだろう


それが大人になるということ


少しずつ


少しずつ


大人になっていこう


波の音を聞きながら


そんなことをぼんやりと考えていた














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