マシュー・シェパードの游撃

ボクは言霊を信じて ボクらしさを歩いたけど
街には不釣り合いだったんだね
ボクはボクで生きたいから 隠さずに自分を出して
太陽を素直に浴びたかったんだ

笑って済むことなら 悪態も受け入れて来た
笑って済むことなら 笑って今日を越えて来た

それでも 時代は未だ追い付けないで居て
乾涸(ひから)びた心しか無かったんだろう?
偏った狭い考えの暴行がフェンスを揺らし
ボクの魂は永遠(とわ)に眠るけど
ボクの游撃は決しておさまりを知らず…

度重ねた泪は今 ボクのことを否定してた
肯定を ボクは背負って生きた
つもりはつもりの侭でも 優しさは道の真ん中で
大切を学べなかった者が居た

笑って済むことなら 差別さえ応えて来れた
笑って済むことなら 笑って空を眺めてた

こうして殴られながら 腹を蹴られながら
ただ黙って あの青空がキレイだった
最期に見た景色がこんなに柔らかくて良かったと
ボクの魂が永遠(とわ)に眠るけど
終え無い游撃は 各所へと巡りゆく…

ボクが眠って悦んだ人も居ただろう
事件を擁護する人も現れただろう
だけど ボクはボクらしい恋をしたかっただけで
それだけが望みだったのに

それでも 時代は未だ追い付けないで居て
何度も繰り返し ボクの有り様を見て
たくさんの大統領を通り過ぎて ある日 突然
ボクの名前の付く法案がほら
ボクの游撃として ようやく空を晴らす

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