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Sweet Valentine 【中編】

俺は隣人で親友(予定)の夏越に相談することにした。
夏越は懐かない猫のような男だが、料理の出来る俺はアイツの胃袋を掴むのに成功した。

「なぁ、夏越。彼女に何かしてやりたいんだけど。」
「何でお前が俺の部屋のベッドでゴロゴロしているんだ~!」
早速威嚇されたが、俺は怯まない。

「なぁなぁ、夏越。」
「~!バレンタインが近いんだから、手作りチョコでも作ったらどうだ?お前料理出来るんだし。」
「手作りチョコか。でも、あおいには毎年あげているしな…。もっと彼女の心が温まるのが良いんだよな。」
夏越は俺の真剣な様子に気づいたらしい。

「じゃあ、チョコレートフォンデュとかどうだ?
一緒に作っている…そう、共同作業が味わえると思う。」
「…共同作業か。」
俺はこの言葉を聞いて閃いた。
「夏越、サンキュー!!」
俺はベッドから跳ね起き、自分の部屋に戻った。

夏越の部屋を出るとき、
「まあ、頑張れよ。」
と極々小さな声で応援してくれたのは、もちろん聞き逃さなかった。

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さくらゆき
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