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#コラボショートショート
声がきこえる【コラボショートショート】
航さんが亡き妻・実咲さんの一周忌法要の為東京に行っている間、私は一人小山のアパートに残っていた。
まだ正式に海宝家の籍に入ってはいないというのもあるが、まだ彼女と向き合う勇気が持てずにいた。
私は法要に参列する代わりに、檜の精油をアロマディフューザーで焚いた。
檜は、愛猫ネロリや病で亡くなった恋人の葉山圭介さんを偲ぶ香りでもある。
航さんと離れている間に出会った彼らは、私にとってかけがえのない存
【コラボショートショート】同じ空を見上げる
may_citrusさんの小説「ピンポンマムの約束」のコラボショートショート「キジュとベイジュ」の続きです。
一礼をして赤い鳥居をくぐると、参道の両脇にある銀杏並木が黄色に色づき始めていた。参道は舗装されているので、高齢の僕でも歩きやすい。
「もう少し気温が下がったら、紅葉が進んで綺麗でしょうね」
澪さんが明るく微笑む。
「澪さん、知ってますか?銀杏は燃えにくくて火に強い性質があるんですよ。
【コラボショートショート】お手玉の日
9/20は「お手玉の日」、may_citrusさんの小説「海の静けさと幸ある航海」と「ピンポンマムの約束」の間のショートショートが浮かんだので、書いてみました。
僕の愛妻・澪さんが、職場から大量の端布を持って帰ってきた。
「どうしたんですか、その大量の端布!」
「今度、うちの病院で地域交流のフリーマーケットを催すんですが、担当の病棟の看護師はお手玉を作ることにしたんです」
澪さんの職場は精