#シロクマ文芸部
流れ星【#シロクマ文芸部】
流れ星が下から上に流れたのを、僕はひとり観ていた。
地球で生きる僕は、それは不自然な動きに思えた。
宇宙に地球の常識なんて当てはめるのはおかしいと、思い直した。
深海に沈む秘密と、宇宙の神秘は、僕にとって等しい。
規模が違うと、君がいたなら笑っただろう。
消えた星の光は、どのぐらい前の光なのだろう。
星に還った君の光は、僕の元にいつ届くのだろう。

00:00 | 00:00
雨を聴く。カリンバの音って、雨音に似ている。
ランダムに鳴らしても、うるさくならない。
ポタポタ、ポタポタと。
https://note.com/komaki_kousuke/n/n539865368be3
赤い傘【#シロクマ文芸部】
赤い傘を失くして悲しむ君に、新しい傘を買うことにした。
本当は、あの傘の代わりなんてないのだけれど。
大切に大切に使っていたのに、盗まれてしまった傘。
二度と会えないあの人の、さいごの贈り物の傘。
新しい傘は、あの傘と同じ色と形をした別物。
喜んでもらえなくても良い。
土砂降りの君の心に、少しでも傘をさしてあげたい。
願いを込めて、傘の柄に空色のリボン。
赤い傘を失くした君に、新し
花吹雪【#シロクマ文芸部】
花吹雪の祝福。みどりの黒髪に白き肌の君を見て、そんな言葉が浮かんだ。
歌を詠んでは文箱に仕舞う日々。
四季がめぐり、仕舞いきれなくなった頃、歌は花吹雪の如く風に飛ばされた。
詠み人知らずの歌は、誰かに拾われ、歌集となった。
祝福の歌は、白き指に捲られた。
千年の時を経てなお、忘れじ。