さくらいさくら

◎時給制で話を聞いてくれる「耳屋」を連載してます◎ ネコ好き、トリ好き、キグルミ好き…

さくらいさくら

◎時給制で話を聞いてくれる「耳屋」を連載してます◎ ネコ好き、トリ好き、キグルミ好き、ペンギン好きです。 早く、好きに飲みに行ける世の中になって欲しいな…。

最近の記事

シーリングライトにカツンカツンと虫が当たる音がする。 窓は開けてなかったのにどこから? 捕まえるか… 面倒だな 暫くすると、音がしなくなった。 足元を見ると、二星てんとう虫が落ちていた。 てんとう虫だったのか。 紙の上に乗せて、窓の外に出した。 ちょっと得した気分。

    • 耳屋19 ネコの恩返し?

      ネコの話が続いちゃうけど… この前、近所を散歩してたら、ちょっとした裏道にスパイスカレー屋さんを発見したんだ。 丁度お昼時だった事もあり、6席位しかない狭い店内は見るからに満席。 一人で切盛りしてる感じ。 とりあえず、外に掲示されているメニューを確認した。 へぇ〜、メニューは、1種類だけなんだ。 まあ、また次の機会にね。 私が歩き出すと、前からキジトラネコが寄ってきて、いきなり私の脚にスリスリっとして、去って行った。 ?? 後日、そのスパイスカレー屋さんのTw

      • 耳屋18 ネコって時々人の言葉を理解してるよね

        その頃私は、スキューバダイビングの資格を取ろうとしていた。 そのためには当然、何度か海に行く必要があり… その日は、ダイビングショップの車でピックアップしてもらうために、都内の始めて行く場所に朝6時に着かなければならなかった。 わたしは、ダイビングの装備一式を自転車のカゴに乗せて、4時半に家を出た。 外は、まだ夜明け前で暗い。 その時間はさすがに20分に1本程しか電車はなく、その電車に乗り遅れたら、講習1回分の18000円が無駄になるプレッシャーは、ハンパなかった。

        • 耳屋17 子供の頃の不思議体験

          これは、当時勤めていた会社の先輩、さとみさんが子供の頃のお話。 さとみさんのお家は、従業員数人をかかえる工場だった。 工場の一階には、小学校低学年のさとみさん用に、鉄棒を設置していた。 さとみさんはよく、その鉄棒で逆上がりの練習をしていた。 いつもの様に、ひとりで鉄棒の練習をしていたところ、手が滑って地面に落ち、背中を強く打ってしまった。 余りの痛さに、呼吸さえ出来ない。 助けも呼べずに、地面で苦しんでいた。 そこに、2階の事務所に居たはずのお父さんがタイミングよく現

        シーリングライトにカツンカツンと虫が当たる音がする。 窓は開けてなかったのにどこから? 捕まえるか… 面倒だな 暫くすると、音がしなくなった。 足元を見ると、二星てんとう虫が落ちていた。 てんとう虫だったのか。 紙の上に乗せて、窓の外に出した。 ちょっと得した気分。

          耳屋16 眉目秀麗×不器用=??

          わたしはその日、数ヶ月前にオープンしたばかりのホテルのラウンジで一休みしていた。 ホテルのラウンジとは言え、一泊6000円前後の宿。 スタイリッシュで機能的、そしてそのラウンジは宿泊者に朝食を提供する場所として使われる。 天井が高く、窓が大きくて開放的。 わたしは、席に座って周りを見渡した。 妙齢のご婦人方の6人以上のグループが多い。 近所で、何かの会合でもあったのだろうか…。 カフェタイムのメニューは、基本ドリンクメインで、デザートが2種類程あるのみ。 そんな中、ウ

          耳屋16 眉目秀麗×不器用=??

          耳屋15 入居してはいけないと思った物件の話

          ちょうど3年前の今頃、ワタシは引っ越すために物件を見まくっていた。 不動産屋の担当の人に「今月は皆勤賞ですね」と言われるほど、毎週末毎に3〜4件ずつ見せて貰っていた。 エリア、間取り、家賃、駅からの距離を決めて絞って見てても、なかなか決まらないって、物件選びって難しいよね。 そんな頻度で不動産屋に行っていたせいで、不動産屋の担当者ともそこそこ仲良くなって、通常なら見せて貰えない、転居したての物件を見せて貰う機会があったの。 もし、そこを気に入ったら、清掃やメンテナンスを

          耳屋15 入居してはいけないと思った物件の話

          耳屋14 パプリカを巡る…

          以前勤めていた職場で、良くお話する機会があった相田さん。 相田さんの同級生がね、山梨でパプリカ農場の農場長になったんだって。 スーパーでよく見るパプリカだけど、国産のものはなかなか無いのよね。 相田さんから、その山梨の農場で収穫されたパプリカのお裾分けをいただいた事があるの。 年に一度、Aさんのところに届くというパプリカは、大きくて、ずっしり重くて、つやつやだった。 山梨の農場はその後、宮城県に移転になって、農場長の同級生も宮城県に引越したんだって。 私は、会社を

          耳屋14 パプリカを巡る…

          耳屋13 日本人の軟弱さを感じた出来事

          その日、ワタシは、新宿駅から池袋方面に向かう埼京線に乗ったの。 乗客は、座席の2割位が埋まる位しか乗っていなかった。 発車して間もなく、すごい早歩きで車両を歩く人が…。 座っている乗客達は、見るとはなしにその人を目で追った。 どうやら、よくわからない大きな虫が、その人を追いかけている。 その人が虫を振り切ると、虫は別の座っている人の方に行き、その人が立ち上がって早足で逃げ切ると、虫はまた別の人のところへ。 さすがに虫が4人目を追いかけ出した頃に、車内はざわついて軽く

          耳屋13 日本人の軟弱さを感じた出来事

          耳屋12 歯医者の診断

          歯医者って、ホント苦手。 私は色々気を使っているのに、虫歯が多いらしいの。 詰め物が取れて歯医者に行った時に 「歯の根本辺りに小さい虫歯が出来る人は、間食が多いかったり、アメを舐める習慣があるんですよ。」 って。 私は敢えてアメも殆ど舐めないし、ダラダラ間食する習慣なんてない。 それなのに、そんな風に言われても、改善方法が無いじゃない。 私は、上の歯2本、犬歯の隣の歯を抜歯してるの。 それについても、 「これは、抜いたのですか?」 「はい」 「ふーん」 えー?

          耳屋12 歯医者の診断

          耳屋11「男子〜、気をつけて〜」

          バレンタインデーにチョコレート貰った事ある? 耳屋は、 「ええ、まあ…」 と、小さい声で応えた。 バレンタインデーのチョコレートってね、男子が思うよりきっと、女子は気合が入ってたり、奮発してたりすると思うの。 伊勢丹のサロンデュショコラなんて行ったら、会場に入るために並んで待ったりするし。 しかも、海外から来てる人気のショコラティエに会場はでは、チョコの箱にサインしてもらったり、一緒に写真を撮って貰ったり…なんてちょっとしたお祭り騒ぎ。 そんなイベントに迄行って買

          耳屋11「男子〜、気をつけて〜」

          耳屋⑩ 待ってないのに待ってる気持ちになる

          私は今、派遣社員として働いてるの。 所属先の部署は、40代から50代のキャリアを正しく積んだ人を絵に書いた様な社員さん8人と派遣社員7人編成。 社員のベテラン8人は、チーム戦より、完全に個人戦が得意な方ばかり。 上司である課長も年齢が近いせいか、積極的にリーダーシップを発揮するのではなく、それぞれの動きを俯瞰で眺める放牧状態。 そんな部署に突然、似た業界出身で30代中途入社のMさんが配属された。 みんな、Mさんの配属に違和感を持っていたけど、部署の若返りを図ってるのかな?

          耳屋⑩ 待ってないのに待ってる気持ちになる

          耳屋⑨ 子供の頃のゾワっとした体験談

          これは、当時同居してた花ちゃんが小学校2年生頃に体験した話。 花ちゃんは、妹と同級生の男の子と3人で遊んでた。 その日は、いつも遊んでいる道より一本向こうの通りまで足を延ばした。 ふと見ると火災にあった家があった。 道が一本違うだけで、こんな所があったんだと思いながら、3人でその家の中に入った。 散らばった茶碗などを手に取って、ママごとのような事をしていた。 すると、何処からともなく… ふふふふっ… って、女の声が聞こえて来た。 ? 3人で顔を見合わせていると、

          耳屋⑨ 子供の頃のゾワっとした体験談

          耳屋⑧ 運転手はバランタイン、そしてワタシはトミーです

          もう30年も前にね…。 って、自分の人生に30年前が存在するなんて、自分の事なのに馴染めない。 学生時代に友達と初めての海外旅行に行ったの。 ニューヨークへ。 友達も私も英語を使ってみたくて、それならアメリカ。アメリカならニューヨークって一択だった。 当時のニューヨークは、今より随分治安が悪かったと思う。 その中、ハーレムのアポロシアターでアマチュアナイトを見る、スタートしたばかりのツアーを申し込んだの。 今なら、アポロシアターにはツアーなんて申し込まなくても行けるよう

          耳屋⑧ 運転手はバランタイン、そしてワタシはトミーです

          耳屋⑦ 職場の魔女の話

          耳屋さん、もう話し始めていい? 「はい。いつでも、どうぞ」 耳屋は、ロイヤルミルクティーに砂糖を入れながら応えた。 私は、とある組織が主催する研修の事務局の仕事に就いたんだ。 そこでは、業務をA社が請け負い、請負先に常駐のA社の社員2人と私を含む派遣4人で業務を進めるって事だった。 私達派遣4人が入るタイミングで元々働いていた派遣の人が全部辞めるって事になってた。 ちょっと、ヤバい匂いがするでしょう? 私が入った時には、既に元々の派遣の人は2人しか残っていなくて

          耳屋⑦ 職場の魔女の話

          耳屋⑥-2 マサミの話

          耳屋さん、もし良ければ飲み物お代わりして。 耳屋はもう一度、チョコレートミルクを注文した。 耳屋さん、甘党? 私は、店員さんが耳屋の前にチョコレートミルクを置いて立ち去って行く後ろ姿を見てから、話を始めた。 マサミはね、派手な服装がとても似合う小柄な同期の子。 私は、マサミのスパイスが効いたトークが大好きだった。 私とマサミは、会社を辞めた時期も近くて、同じ年に結婚したからか、同じ時期に同じような人生の選択があって、全て逆の事を選んだような気がする。 結婚して1年

          耳屋⑥-2 マサミの話

          耳屋⑥-1 人生で一番怖い話

          ワタシは駅から少し離れた住宅街のカフェで、耳屋に話を聞いてもらう事にした。 そのカフェは、ちょうどよく薄暗い店内にアンティークなテーブルと椅子、そして本があって、ゆったりとした時間が流れている。 ワタシは、アイスのカフェラテ、向かいに座っている耳屋は、アイスのチョコレートミルクを頼んだ。 …もう話し始めても良いの? 「はい。いつでもどうぞ。」 ワタシは、店員が飲み物を置くと同時に話し始めることにした。 当時、新入社員だったワタシは、会社で借り上げた、2DKの部屋に同

          耳屋⑥-1 人生で一番怖い話