まあね、美味しいものが嫌いという人は、まずいないと思います。 でも美味しいものに頓着しないという人はいますよね。そんな人のこと、私は半分羨ましいと思います。だって、美味しいものって拘らなければもっと色々なものを食べられるかもしれないし、気も楽になるかも。 でも、私は美味しいものにこだわります。それはグルメとかではなく、あくまでも自分にとって美味しいもの。値段とか高級な材料とかではなく、自分が美味しいものを探します。 今の私が美味しいと思うのは、焼いた油揚げに大根おろし。
「おかたん、おかたん、あれ、なあに?」 俊クンは、お母さんの手をグイグイ引っ張りました。 「なあに? あら自動販売機ですって」 「何か、はいってる」 「そうね、何かしら? あら銀杏ですって」 「ぎん?」 「ギンナンよ。茶碗蒸しに入っているでしょ。お父さんが大好きな黄色の、、、」 「キイロ?」 「そう。三鷹の銀杏と書いてあるから、この辺りで採れるのね」 俊クンの一家は、お父さん、お母さんとお兄さんと俊クン。つい最近、この三鷹へ引っ越してきたのです。 「今日の夕飯は茶碗蒸し
童話「忘れられた兎」その2 櫻 赤子 作 いいえ、一人だけ兎の兄弟のことを気にかけている人がました。 以前君津市役所に勤めていたSさんです。Sさんは、昔君津市の社会教育課というところにいました。そのとき、偶然一枚の写真を見つけたのです。文化財の資料で、ファイルには「波の伊八」と書いてありました。 「ん?この写真はなんだ? 波に兎? 何を写した写真だろう」 何かの彫り物のように見えるの
童話「忘れられた兎」その1 櫻 赤子 作 「怖いよう。お兄ちゃん、真っ暗だよ。怖い!」 「うん。真っ暗だね、何も見えない。・・・ここは、何処だろう?」 「お兄ちゃん、どこにいるの? 僕、怖いよ。」 「すぐそばにいるよ。怖がらなくても大丈夫だよ。」 でも、そう言っているお兄ちゃんの声も震えていました。 「どこ? お兄ちゃん、どこ?」 「ごめんね、声はすぐ近くに聞こえるんだけど・・・。動けない
「好き」 「・・・」 「あなたが、好き」 「?」 あの娘が言った言葉を、俺は聞こえないふりをした。 そんな俺に、もう一度彼女は言った。 「やっぱり、好きなの」 「・・・だから?」 途端に、アイツの顔がクシャクシャになり、目には涙が溢れ出しそうになった。 昨夜、翌朝早く故郷へ帰るという俺に「そう」と、冷たい声で言っていたのに、今朝部屋を出ようとしたら、ドアの外に彼女が立っていた。昨日と同じ服だった。そしてそのまま何も言わず、羽田までついてきてしまった。 今回戻ったら、もう一度東
テレビやWEBでは、実感出来ないもの。 いま、鍋に鰹節を投入しました。すると、鰹節のあの香りが部屋に漂いはじめました。食べてみると、美味しい。部屋も暖かくなり、好きな香り、幸せなひとときです。これで一晩おけば、味が染みて、美味しいものが食べられます。明日も幸せになれますね。